博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『漢武大帝』その3

2009年03月05日 | 中国歴史ドラマ
『漢武大帝』第16~22話まで見ました。

景帝の同母弟で最大のライバルだった梁孝王が病死し、呉楚七国の乱で活躍した周亜父が謀反の疑いを問われて憤死。そして景帝自身も2人の死を見届けて力尽きるように病没。

こうして我らが武帝が即位するわけですが、私生活では母親の館陶長公主に甘やかされて育てられ、すっかり郭芙のようになってしまった陳皇后に振り回され、政治の方は儒学嫌いの太皇太后に頭を押さえられ、色々と面白くない日々を送っております。

で、第22話で突如青年役の杜淳から本来の主演陳宝国へと成長した武帝は太皇太后が離宮に行っている隙に朝廷の制度を儒教式に改めようとしますが、太皇太后に察知され、急遽長安に戻った彼女の指令で改制を取り止め、更に皇帝の腹心として改制を進めようとした儒者趙綰・王臧が罪に問われることになり、以後重臣はすべて太皇太后の息の掛かった者で固められることに…… 何か物凄い勢いで鬱展開に突入して行っているんですが(;´д⊂)

今回のツッコミ所

○武帝が各地の官吏から賢人を推挙させるいわゆる郷挙里選の法を実施し、推薦された人々を宮廷に集めて殿試をやるシーンがありましたが、郷挙里選は科挙じゃないっす……

○ここらへんから淮南王の劉安が登場し、娘の劉陵ともども帝位を狙って暗躍するわけですが、淮南王の劉安と言えば当然のごとく『淮南子』も登場。ドラマの中では一応こだわって『鴻烈』とか『淮南王書』などと呼んでいますが。

○史実通りとは言え、竇太后の儒学嫌いっぷりが異常。……まあ、劉邦とか竇太后とか漢初のおっさん・おばちゃん連中にとって、儒学はそれなりに「学問」として体系化されているのが何だか偉そうで気に食わなかったんでしょうなあ。逆に武帝はその体系的な部分に惹かれたんじゃないかと。

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