博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

最終回だよ大漢風(第50話)

2007年09月16日 | ドラマ『大漢風』
『大漢風』もいよいよ今日で最終回。しかし冒頭で劉邦が死ぬのは良いとして、盧綰の謀反・匈奴投降がセリフだけで済まされてしまうなんてあんまりです…… 

で、劉邦の葬儀の後、呂雉が一人玉座に座り込んで一人言をつぶやきます。「漢の史書には劉邦だけでなく私の名前も残さねばならぬ。……『呂雉』と。」 最終回にして名ゼリフが炸裂しましたねえ(^^;) 実際、『史記』には呂后本紀、『漢書』には高后紀が設けられているわけですが。

その後は趙王如意の死と戚姫を人彘にした次第、恵帝の死、そして呂雉の死がダイジェスト調で語られます。それにしても盧綰の投降はすっ飛ばしても人彘をきっちりやるのがこのドラマらしいですね(^^;)

淮南王劉長もすっかりスルーされてましたが、ラストの反呂后派の謀議で劉恒(後の文帝)の隣に座っていたのが、大人になった劉長だったのかもしれません。

【総括】

結局何だかんだと言って一年間毎回欠かさず見てしまいましたが、中盤あたりの項羽が虞姫に横恋慕した義帝を殺るの殺らないのとか言ってた頃が一番話が盛り上がってたような気がしますね。

このドラマの特徴は、何と言っても主な登場人物が異常にキャラ立ちしていた点と、歴史劇にドロドロの愛憎劇を持ち込んだ点にあります。キャラクターで特に印象に残ったのは、凄まじいほどビッチな女王様ぶりを発揮していた呂雉、そして見た目からしてバカ殿の二世皇帝と、本当に当時みんなからこんな風にウザがられてたんだろうなあと思わせる演技をしていた韓信です。

歴史劇に愛憎劇をミックスするというのは、今の中国では割と一般的な手法であるようです。最近の作品の中から例を挙げますと……

『辛追伝奇』(『大漢悲歌』)
『大漢風』と同じく漢初を舞台とした作品。馬王堆漢墓の被葬者の女性・辛追を主人公にしたというのが売りですが、なぜか彼女が劉邦・韓信と三角関係になってしまう模様。呂后の顔が怖いです……

『問君能有幾多愁』
南唐の李と趙匡胤が主人公ですが、やっぱりこの二人が一人の女性と三角関係になる模様。しかし呉越が趙光義を演じるなんてあり得ないよ!ちなみにタイトルは李の辞世の詞「虞美人」の一節から採ったもの。テレサ・テンがこの詞に曲を付けた「幾多愁」という歌を出してますが、このドラマの予告編を見たらきっちりその曲がBGMで流れてました……

『大漢風』の後番組がどうなるのか楽しみでありますが、何事も無かったように華流恋愛ドラマが始まったりしたらイヤだなあ……

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (宣和堂)
2007-09-16 22:43:47
>呉越が趙光義
 むしろ見る気満々になってきましたよ!コレやってくれないかなぁ…。
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呉越の顔した趙光義 (さとうしん)
2007-09-16 23:27:28
上の記事ですが、最初に投稿した分に少し書き足しました。

>宣和堂さま
話の展開的にこの呉越の顔した趙光義が兄を皇帝にすべく陰謀を巡らせたり、降伏後の李に嫌がらせをしたりするんでしょうが、「お前は嫌がらせをする側ではなくてされる側ではないのかっ!」とツッコんでしまいそうです……
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Unknown (ゆもも)
2007-09-17 17:50:14
ついに終わっちゃいましたね。来週からは見られないと思うと、ちょっと寂しいです。
私としては、季布のその後の活躍ぶりが見たかったです。犬肉屋はどうなったんでしょう。最後の方、ほとんど出てこなかったですけど。
開始15分で劉邦が死んで、もしやとは思いましたが・・・本当に人彘のシーンをやるとは!あの映像が目に焼き付いて、昨夜は寝付けませんでした(^_^ゞ
突っ込みどころは多々あったけど、史実にかなり忠実に作られてましたね。私にとっては心に残るいいドラマでした☆
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Unknown (さとうしん)
2007-09-17 21:46:19
>ゆももさま
そう言えば呂雉との絡みで呂須の出番は多かったですけど、旦那の樊噲は出て来ませんでしたね。盧綰の謀反の直後に劉邦の命で危うく殺されかけたといったようなエピソードもありますが、そもそもその盧綰の謀反が端折られましたしね……
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