『異聞 始皇帝謀殺』(原題:秦頌、1996年、香港)
例によって深夜枠で放映されていた映画です。
『史記』刺客列伝を題材にした作品ですが、主人公は荊軻ではなくその友人で筑の名手として知られた高漸離で、彼が始皇帝の暗殺を決意するまでのエピソードがメインとなっています。そんなわけで荊軻も一応登場することはしますが、彼による始皇帝暗殺未遂事件は序盤でチャッチャと片付けられてしまいます(^^;)
公開された時期が近いこともあって、荊軻を主人公に据えた陳凱歌監督の『始皇帝暗殺』と比較したくなる作品です。こちらも始皇帝役に姜文を起用したり、それなりに時代考証に気を遣っていたりして歴史大作っぽい雰囲気を出しております。ただ、こちらはほとんど宮殿内で物語が展開するので、その点『始皇帝暗殺』より見劣りがするかもしれません。
この作品では始皇帝と高漸離が乳兄弟という設定になっています(^^;) 何だかのっけからムチャな設定ですが、中国統一に邁進する後の始皇帝こと秦王政は燕から幼馴染みの高漸離をムリヤリ連れてこさせ、彼を宮廷音楽家にして秦の国家を作曲させようとします。
しかし高漸離は残忍な秦王に仕えるなら死んでしまった方がマシだということで、秦王政の愛娘を犯して死罪になろうとします。このお姫様が幼少の頃の怪我で立って歩くことが出来ないという設定なのですが(ちなみにこのお姫様、ドラマ版『笑傲江湖』の任盈盈役でおなじみの許晴が演じています。)、高漸離に襲われた際に物のはずみで足腰が立てるようになり、やがて歩けるようになります。二人は深く愛し合うようになり、高漸離は自殺願望が消え失せて作曲に精を出すようになりますが、お姫様は重臣の子息の王賁と結婚することになっており……
こうして話の筋を書き起こしてみると、かなりムチャな内容ですなあ(^^;) そして最後は香港映画らしく(?)、高漸離とお姫様にはハードな結末が待ち受けています。
結局歴史大作になろうとしてなりきれなかった作品という印象を受けましたが、公開当時『始皇帝暗殺』を見に行ったものの、どうも内容が手堅すぎてイマイチだと感じた私としては、こちらの方が合っているような気がします。
例によって深夜枠で放映されていた映画です。
『史記』刺客列伝を題材にした作品ですが、主人公は荊軻ではなくその友人で筑の名手として知られた高漸離で、彼が始皇帝の暗殺を決意するまでのエピソードがメインとなっています。そんなわけで荊軻も一応登場することはしますが、彼による始皇帝暗殺未遂事件は序盤でチャッチャと片付けられてしまいます(^^;)
公開された時期が近いこともあって、荊軻を主人公に据えた陳凱歌監督の『始皇帝暗殺』と比較したくなる作品です。こちらも始皇帝役に姜文を起用したり、それなりに時代考証に気を遣っていたりして歴史大作っぽい雰囲気を出しております。ただ、こちらはほとんど宮殿内で物語が展開するので、その点『始皇帝暗殺』より見劣りがするかもしれません。
この作品では始皇帝と高漸離が乳兄弟という設定になっています(^^;) 何だかのっけからムチャな設定ですが、中国統一に邁進する後の始皇帝こと秦王政は燕から幼馴染みの高漸離をムリヤリ連れてこさせ、彼を宮廷音楽家にして秦の国家を作曲させようとします。
しかし高漸離は残忍な秦王に仕えるなら死んでしまった方がマシだということで、秦王政の愛娘を犯して死罪になろうとします。このお姫様が幼少の頃の怪我で立って歩くことが出来ないという設定なのですが(ちなみにこのお姫様、ドラマ版『笑傲江湖』の任盈盈役でおなじみの許晴が演じています。)、高漸離に襲われた際に物のはずみで足腰が立てるようになり、やがて歩けるようになります。二人は深く愛し合うようになり、高漸離は自殺願望が消え失せて作曲に精を出すようになりますが、お姫様は重臣の子息の王賁と結婚することになっており……
こうして話の筋を書き起こしてみると、かなりムチャな内容ですなあ(^^;) そして最後は香港映画らしく(?)、高漸離とお姫様にはハードな結末が待ち受けています。
結局歴史大作になろうとしてなりきれなかった作品という印象を受けましたが、公開当時『始皇帝暗殺』を見に行ったものの、どうも内容が手堅すぎてイマイチだと感じた私としては、こちらの方が合っているような気がします。
でも、ストイックな純愛もんなんですよ。
伴野朗さんの小説(タイトル忘れました,すみません)でも高漸離が主役のがありましたが、私は面白く読みましたよ。
史記の刺客列伝では、高漸離の話は荊軻の後日談みたいに書かれていますが,刺客列伝の中では一番好きな話です。これ以後、始皇帝が他人を近づけなくなった‥‥というオチが、またよろしいですね。
う~ん、映画も見たいような,見るの怖いような。
取り敢えず手持ちの『歴史小品』の方には収録されていないですね。また探してみることにします。
>う~ん、映画も見たいような,見るの怖いような。
高漸離に思い入れがあるならやめた方が……
たぶん思い入れがガラガラと崩されることになると思います(^^;)
趙高が実は趙の王族の末裔だったという点に着目し、宦官にされた後も故国のための仇討ちをはかっていたという設定にしているあたりはさすがという気がします。宮崎市定も似たようなことを書いてましたっけ。