博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『グランド・マスター』

2013年06月02日 | 映画
『グランド・マスター』(原題:『一代宗師』)

舞台は日中戦争前夜の中国。北方武術界の領袖宮宝森は自らの引退試合のために広東仏山に到来。梁朝偉(トニー・レオン)演じる詠春拳の達人葉問が南方武術界の代表として挑戦を受けて立つことに。葉問との問答でその器量を察した宮宝森は彼に南北武術界統一の夢を託します。

章子怡(チャン・ツィイー)演じる宮の娘若梅は、碌すっぽ腕も交えないうちに父親から大任を託された葉問に反発しますが、彼との手合わせを通じて心を通い合わせるようになります。葉問は今度は自分が東北へと赴くことを若梅に約するも、日中戦争の勃発によってその約束が果たせなくなり、若梅も兄弟子の馬三に殺害された父の仇討ちに専念することになり……

ということで王家衛(ウォン・カーウァイ)監督のカンフー映画ということで話題の本作。王家衛の武侠物と言えば物議を醸した『楽園の瑕』(原題『東邪西毒』)が思い出されるだけに、猛烈にイヤな予感がしつつ見に行きましたが、意外と悪くなかったなというのが正直なところ。(あくまで『楽園の瑕』と比較しての話ですが。)『楽園の瑕』は張芸謀監督の『HERO』などスタイリッシュ系武侠映画(悪く言えば環境ビデオ的武侠映画)の走りですが、本作はその『楽園の瑕』よりは映像性とストーリー性・テーマ性とのバランスが取れていたと思います。ただ、張震演じる一線天は本当に必要だったのかという気もしましたがw

正統派のカンフー物を期待した向きには不満も残るでしょうが、そういうのは同じく葉問を描いた甄子丹(ドニー・イェン)主演の『葉問』『葉問2』を見て補充すればよいのではないかと。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 于正版『笑傲江湖』その6 | トップ | 于正版『笑傲江湖』その7(完) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事