Willow's Island

since 2005

俺はまだ本気出してないだけ 映画版

2013年06月30日 19時29分15秒 | 映画


 このブログでも原作の漫画を紹介したことがある「俺はまだ本気出してないだけ」を、映画館で見てきた。このマイナーな漫画が堤真一主演で映画化されるとは思わなかった。
 感想としては「もし原作を読んでいないのであれば、そこそこ楽しめる作品」というところか。私はやっぱり原作のファンであるため、違和感を感じた。3年前に読んだときはレンタルだったが、あまりに好きになったせいで全巻購入したほど、原作には思い入れがあるのである。
 やっぱり主演が堤真一というのが良くない。彼は大変に器用な俳優で、どんな役でもこなせることで定評がある。彼が主演した映画は多く見たが、私も良い俳優だと思う。しかし、大黒シズオ役だけは駄目だ。シズオは「しょうもないオッサン」だからこそ良いのに、やっぱり堤真一ではそれがいまいち伝わってこない。「しょうもなさ」オーラを出すことができる中年俳優なら、もっと他にいるだろうに。鈴子役の若い女優も、鈴子の淡々とした雰囲気を出せていなかった。
 ミスキャストといえば、近々封切される映画版「おしん」も気になる。おしんの父親役が稲垣吾郎で、母親役が上戸彩なのだそうだ。当然ながら、どうがんばっても悲壮感は出ないだろう(^^)。まあ、「大人の事情」で決まったキャスティングであろうことは、容易に想像がつく。
 最近の日本映画を見て思うのだが、「いかに良い作品を作るか」ではなくて「いかに客を呼び寄せるか」に力点をおく傾向が、ますます露骨になってきたように感じる。映画もビジネスなので当たり前なのかもしれないけど、昔の方が「良い作品を作る」という思いで作られた映画が多かったような気がする。気のせいだろうか。