Willow's Island

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ラビア・カーディルさんからウイグルの惨状を聞く

2013年06月29日 06時24分59秒 | 中国

 一昨日は、名古屋のウインクあいちで「日本・ウイグル 自由のための連帯フォーラム」が開催されていたので、聴きに行って来た。ウイグルの母と呼ばれるラビア・カーディルさんの講演もあった。この方は「世界ウイグル会議」の総裁であり、チベット民族でいえばダライ・ラマに該当するようなカリスマ的存在だ。ノーベル平和賞の候補になったことが何度もあるそうだ。直接話を聞けるというのは、実に貴重な機会だった。
 カーディルさんは実に穏やかな物腰でありながら、壇上でウイグル人が置かれている現状を訴える時には、大変に迫力のある目をしながら語っていた。よほど強い思いがあるのだろう。中国においてウイグル民族が危機にさらされていることが、強く伝わってきた。それでいて、日本の聴衆に対して実に礼儀正しく振舞っていた。中共政府はこの人をテロリスト扱いしているようだが、真実は真逆であることが、改めてよく理解できる。
 東トルキスタン(「新疆ウイグル自治区」と呼ばれている地域の正しい名称)では、中共政府によるウイグル人への凄まじい差別、民族浄化、虐待、ひいては虐殺までもが日々行われているそうだ。いくつか主な例をあげるだけでも、以下のとおり。

★15歳から25歳の若いウイグル人女性を強制的に遠く(沿海部など漢族が多数を占める地域)へ移住させ、働かせている。こうすればウイグル人と漢族の混血が進むことになり、民族浄化が可能となる。
★ウイグル人妊婦に対する強制的な堕胎手術を繰り返し、ウイグル人の出生を妨げる、ということが普通に行われていた。
★膨大な人数の漢族が東トルキスタンへ移住した(もちろん政策による)ことにより、今やウイグル人と漢族の比率は半々となっている。しかし現地の工場などでまともな職に就けるのは、漢族のみ。
★過去には東トルキスタンで中共による核実験が数十回も繰り返されており、そのせいで19万人が死亡、数百万人が被爆した。現在も被爆の後遺症で苦しんでいるウイグル人は多い。
★先日も「ウイグルで暴動があった」という報道があったが、殺されているのはウイグル人の方である。今も毎日のように殺戮が繰り返されている。ネットで調べれば画像が出てくるが、実態は漢族がウイグル人に暴力をふるっているのである。
★ひどい時には、ウルムチにおいて一晩だけで1万人ものウイグル人が虐殺されたこともある。
★2009年にウルムチで起きたデモ(報道では「暴動」とされている)において、不当に逮捕、連行され、強制的に「失踪」させられたウイグル人が、名前が分かっているだけでも数十人は存在する。彼らの安否は、未だ不明である。
★以上のような非道がありながら、世界で真実が知らされていないのは、中国が徹底的に報道を規制し、捻じ曲げているからである。

 フォーラムでは「これこそがまさに、ヒトラーが行ったのと同じファシズムだ」という発言があったが、その通りである。今は中国政府が日本をつかまえてファシスト呼ばわりしているようだが、現在進行形で「ファシスト」であるのは、まさに中国のことだ。これが厳然たる真実である。