Willow's Island

since 2005

中国を待ち受ける国内大混乱

2013年06月27日 07時19分46秒 | 中国

 最近は、トルコやブラジルなどで暴動が多発している。原因としては、トルコではエルドアン首相の非民主的統治、イスラム化政策、強引なオリンピック施設の建設、などがあるようだ。ブラジルでは、政府が国民の福祉や教育をなおざりにして、ワールドカップ競技場を建設しようとしたことへの反発、とのことである。
 この2国で暴動が起きたことについては、何か共通する点があると感じた。まず、両国とも典型的な中進国、ということがある。世界銀行の定義によると、1人当たりGDPが10,000~12,000ドル程度であることが、中進国としての目安らしい。2012年ではトルコが10,609ドル、ブラジルが12,079ドルだった。この条件にぴったり当てはまる。
 私が思うに、中進国になると、国民によるデモが起きやすくなるのではないか。国民生活がそこそこ豊かになってくれば、その国民に人権意識、市民意識が強く芽生えてくる。そうなると、それまで(発展途上国時代)の権威主義的な政治形態が許されなくなる。国民は民生や教育の向上を求めるようになり、発展途上国型の強引な開発などは、強い反発を受けるようになる。トルコやブラジルで起きているのは、そういうことではないかと思う。
 そこで、中国はどうか。2012年の1人当たりGDPは6,076ドルだったそうだ。中国の統計など当てにならないのでこれが正しいのかどうか分からないが、それでもまだ中進国レベルに達していないということだ。それなのに、中国では既に年間20万件以上の暴動が起きている。ちょっと信じられないような数字だ。単純に10分の1スケールで日本に当てはめると、全国で年間2万件以上の暴動、ということになる。とても想像できん。
 もしこのまま中国が順調に経済成長を続けていくと、どうなるのか。発展途上国である現在でさえ、この異常な暴動件数である。人口に大きな変動なく年7%程度の成長を続ければ、8年ほどで中進国になる、という計算になる。その時、果たして中国という国はどうなるであろうか。
 はっきり言って、共産党の一党独裁という今の体制が、無事に続くとは思えない。民主化までは行かないにしても、共産党が転覆され、国内が混乱状態に陥る可能性はある。中国人自身が最も恐れる「乱(ルァン)」の状態だ。そうなれば、中国社会は今以上の地獄になる。中国人民のDQNぶりを考えれば、政府の締め付けがなくなったとたん、治安の悪化や混乱は相当深刻になることが予想される。中国共産党の一党独裁であった方が、よっぽどましな社会状況となるであろう。無事に民主化すればいいのだが、当の中国人が民主主義など信じていないので、それは無理と思われる。
 あまりに悲惨な国内状況になれば、国際社会が手をさしのべることはある。実際、東ティモールやアフガニスタンの混乱に国連を始めとする国際社会が救済に乗り出したということもある。ところが残念ながら、中国は大国だ。 他国が救済するには、あまりに巨大すぎる国家である。超大国アメリカでさえ、中国をどうにかすることなどできない。中国人の惨状を救うことなど誰もできない、ということである。