無意識日記
宇多田光 word:i_
 



このエントリの元投稿初出日時は『2005/11/09(水) 23:45』です。

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過去記事発掘企画第2弾、JAPAN TODAY(ジャパン・トゥデイ)のUtaDA分析記事です。
UtaDA本人へのインタビュー等はありません。
記事の日付は2004年10月4日となっています。
元記事はこちらに掲載されています。
(http://www.japantoday.com/e/?content=newsmaker&id=198)




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Utada to make U.S. debut

全米デビューを明日に控えるUtaDA





TOKYO - Popular female singer Hikaru Utada will make her debut in the United States on Tuesday with her album “Exodus,” in what may determine whether J-pop can make a breakthrough in winning worldwide popularity.

TOKYO ― 女性ポップシンガー・ヒカル・ウタダが明日火曜日、アルバム「エキソドス」でアメリカでのデビューを飾ろうとしている。このデビューは、J-ポップが世界規模での知名度を勝ち取る切っ掛けを掴むか否かを決定付けることになるかもしれない。


In the album, Utada sings not only J-pop but also hip-hop and rock 'n' roll, all in English.

このアルバムでUtaDAは、J-ポップ・スタイルの楽曲だけではなく、ヒップホップ・スタイルの楽曲や、ロックンロール・スタイルの楽曲も歌っている。全曲英語詩で。


Steve McClure, chief of the Asian bureau of the U.S. magazine Billboard which compiles the U.S. charts, said Utada has no problem with English pronunciation, and that compared with other artists who have tried to break out overseas, her level is overwhelmingly high.


アメリカのチャートをまとめているアメリカの雑誌「ビルボード」のアジア支局長であるスティーヴ・マクルーアは、UtaDAの英語発音には何の問題もないと語る。アメリカ国外からブレイクを目指してやってきた他のアーティストたちと比較しても、UtaDAの英語発音のレヴェルは極めて高いのだ、と。

But he said that while she may be ranked 50th in the album charts, the arrangements are over-elaborated and the natural sounds of musical instruments cannot be heard.

しかし、マクルーアは、「UtaDAがアルバム・チャートの50位にランクされる可能性は否定できないものの、アルバムで聴けるアレンジは過度に作り込まれ過ぎていて楽器による自然なサウンドが聞かれない。」と指摘する。


Her music's width is too wide, and those who listen to her songs for the first time may wonder what she is actually good at, McClure added.

「UtaDAの音楽の幅は余りにも広すぎ、アルバムの楽曲を初めて聴いた人は『彼女が本当に得意な音楽とはいったい何なのだろう?』と戸惑う恐れがある。」―― そうマクルーアは付け加える。



There are many Japanese musicians who have won popularity abroad after reaching their peak in Japan, but only five singers and singing groups, including the Pink Lady and YMO, have been in the top 100 in Billboard's singles charts.

日本でキャリアのピークに達した後に海外で人気を博した日本のミュージシャンが数多くいたのは事実だ。しかし、ビルボードのシングル・チャートでトップ100に入ったシンガー、あるいは歌手グループは、ピンクレディYMOを含め、僅か5組しか存在しない。


Many producers think songs in English produced with famous producers will become a hit, but nothing is that easy, said Naoto Sato, an official of the compact disk shop American Pie of Tokyo who is well versed in U.S. music.

「多くのプロデューサたちが、有名プロデューサを使い英語で歌を唄いさえすればヒットになるだろうと考えているようだが、実際にそんな簡単にいくことはない」―― CDショップ“あめりかん・ぱい”の東京店代表のサトウ・ナオトはそう語る。彼は、米国の音楽に非常に精通している人物だ。



The late Kyu Sakamoto's song Let's walk in looking upward debuted in the United States in 1963 in the original Japanese with the title changed to Sukiyaki. It topped the charts for three weeks in a row.

故・坂本九は、1963年米国で“上を向いて歩こう”という歌でデビューしているが、これはタイトルを「スキヤキ」と短いものに変えただけで、歌詞はそのまま日本語で歌われている。しかし、同曲は3週連続チャートのトップを飾ったのだった。


The 'Macarena,' which sold quite fast in the 1990s, is a song in Spanish. A really good song can be sold regardless of its language, Sato said.

「1990年代初頭に爆発的に売れた“恋のマカレナ”は、スペイン語の歌だ。本当によい曲は、何語で歌われていようが売れる。」そうサトウは語る。



There are moves to broaden the appeal of J-pop by leveraging popular Japanese animated cartoons.

一方、日本の人気アニメに影響を及ぼすことでJ-ポップのアピールを広げようという動きがあるようだ。


TOFU Record, created in Los Angeles in July last year, has been churning out CDs of Japanese musicians related to animated cartoons, including T.M. Revolution and Nami Tamaki.

昨年2003年の7月にLAに創られたTOFUレコードは、T.M.Revolution玉置成実といった、アニメと関連をもった日本のミュージシャンのCDを大量に生産してきた。



One CD has sold 8,000 copies, making TOFU Record a good fighter as an indie.

あるCDは8000枚売れ、TOFUレコードをインディーズとしては異例の好旗手の座に押し上げた。


A U.S. cable TV channel specializing in animated cartoons with about 80 million households as viewers will begin a variety program by picking the Puffy, a two-member singing group which has broken into the United States, as animated cartoon characters in November.

視聴者およそ8000万の家庭の向けアニメを専門に送り出すアメリカのあるケーブルテレビチャンネルは、PUFFYをパーソナリティに抜擢しバラエティー番組を開始する。この2人によるシンガー・グループは、すでにアメリカに進出しており、アニメのキャラクターとして11月に登場する予定だ。



Yaz Noya of TOFU Record said, With animated cartoons, the number of young people interested in Japanese pop culture is increasing. We would like to sell the creativity of Japanese culture without flattering. (Kyodo News)

TOFUレコードののノヤ・ヤズは次のように語る。「アニメーションによって、日本の大衆文化に興味を持つ若者たちの数は増加している。無意味に誇張することなく、素直に日本文化の創造力を売り込んでいきたい。」(共同News)


October 4, 2004

2004年10月4日




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> 訳者後記:

さて、今回はちょっと異色の記事です。表題の写真もUtaDAなのですが、彼女のインタビュー等による発言などはなく、全般的に日本の音楽の全米での位置付けについて、という切り口で短く纏められています。結局、英語で歌おうがどうしようが関係ないし、サウンドを作りこむより楽曲が命だし、日本人が全米のシーンに入り込むにはアニメを利用したほうがいいだろう、ということです。確かに、その通りだ。(笑) UtaDAは最初から「分の悪い戦い」を強いられていたというわけです。今、訳者がこの文章を書いてるのはこの記事が出た約13ヵ月後ですが、その潮流は弱まるばかりかますます強まっています。PUFFYは全米進出成功と捉えられていますし、UtaDAは全米進出失敗だと思われています。結局、この記事は慧眼だったわけですね。(^_^; ポップ・アーティストを応援する立場としては、結局は枚数をはじめとした「数字」が命なわけですから、何を言っても数字が出ていない以上負け惜しみにしかなりませんわ。(爆) いくら「『エキソドス』の音楽の質は高い、30年経っても色褪せないだろう」とファンが囀り事実色褪せなかったとしても、やっぱりポップスとしては不合格。ポップ・ミュージックは“今”売れなくては話になりません。尤も、素晴らしい音楽を聴いているときの個人の幸福感はやっぱり誰がどこで何を買ってようが大して変わらない、というのもまた真実ではあります。ま、どっちを取ってもいいってことなんですが、要は「ポップ・ミュージックとして作ったのであれば、売ること自体にももっと積極的になって欲しかった」ということなんです。でも、なんだかんだいって、UtaDAのカラダはひとつしかないわけで、シンガー・ソングライター・プロデューサ・アレンジャー・静止画被写体・動画被写体・インタビュードとそれらに纏わるミーティングの数々をたった一人でやっている人間が、マーケティングにまで手が回らなかったとしても、何の不思議もないです。というか、今列挙したこと全部やってることの方が恐ろしいです。ですから、もし彼女が、どこまでも「ポップ・ミュージック」を貫きたいのであれば、行動力の塊のような、強力なマーケティング&マネージング・アシスタントをどこかからか探してきてください。よろしくお願いします。m(_ _)m

・・・この文章の、どこが“訳者”後記なんだ。(汗爆) 単なる私の愚痴では、ないですか。(≧∇≦) by i_.

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