本日は、毎年お馴染み『First Love』地上波初披露記念日。26年前。この時出演した「ミュージック・ステーション」は歴代最高視聴率である26%を記録したので3000万人くらいの人たちが観ていた換算。故にアルバム発売の1999年3月10日やシングル発売の4月28日よりも遥かに多くの人々にとっての『First Love』記念日は今日だったりします。もちろん、それまでにラジオでは掛かりまくってはいたけれどね。そこは、今も昔もラジオ・リスナーって限定的だから。
2014年はそのアルバムの15周年記念盤が発売されたり、2022年はNetflixドラマ「First Love 初恋」が配信されたり、2023年は『40代はいろいろ♫」でそれまでになかった大胆なアレンジで歌われたりと、ことあるごとに話題になってきていたこの『First Love』だが、今年は「THE F1RST TAKE」でのパフォーマンスが話題の中この記念日を迎えた。現在961万回再生なので、滞り無く1000万回再生を迎えそうだ。全くこの曲の神通力は衰える事を知らない。
他方、ヒカル自身はといえば、この日記でも何度となく触れてきたように、アルバム『SCIENCE FICTION』では2曲目という「いちばんの売りというわけでもない曲順」に配置し、ツアーでは「ノリノリの曲の間の箸休め」扱いだったりしたので、特に『First Love』にだけ注力してるわけではない。他の曲達と同様にケアして愛情を注いでいる。
ただ、理由や動機やキッカケはどうであれ、こうやってパフォーマンスやリアレンジを通して過去の曲に向き合う機会が訪れてくると、今度は次の創作への影響というものも表れてきたりはするだろう。歌い直してみてあらためて良さに気づいたり、今の技量なら全く違ったアプローチで編曲できてただろうなとか、今のサウンド・クォリティなら違うミックスでリリースもできたかなといった過去曲への気づきがそのまま次の新曲に影響を及ぼす事は有り得る。
実際、これまた事の経緯はどうであれ、『初恋』という和訳そのままのタイトルの全く新しい新曲をリリースしたり、『Flavor Of Life』や『Find Love』といった、タイトルが韻を踏んでいる曲をリリースしたりしている(なお前者はアップテンポの軽快なポップ・ロック・ナンバーである)。過去との比較や連想をしたい人はしてくれて一向に構わない、というその度の新曲への自信の顕れですわね。実際『初恋』は、『Laughter In The Dark Tour 2018』において「『First Love』の次順の曲」という大役を見事に果たしてみせた。あのライブ最大の見せ場が『初恋』の静寂だった、と思い返す人も多かろうて。
なので、ヒカルのこれからのアウトプットにまたもや『First Love』の面影が現れる可能性は結構ある(敢えて封印したりはしない)とは思われるが、結局のところはその都度都度の新曲たちがその時の主役を張るのであって、やっぱりヒカルの中では、特にクリエイターとしては『First Love』の存在は過去の一曲として相対化されている事になるだろう。一方、「THE F1RST TAKE」のようなスタジオ・パフォーマンスも含めて、自分で歌って誰かしらのリアクションを貰える機会に恵まれたとすれば、それはそれで特別な感慨を抱くことにもなるだろう。過去最高の出来とも言える出色の『First Love from THE FIRST TAKE』をApple MusicやSpotifyで聴きながら、そんなことを思うのでありましたとさ。