続いてはこちらの歌詞の場面。
『自分の価値もわからないような
こどものままじゃいられないわ』
第1期OPでも採用されていたここのフレーズがやはり第2期でも。まず『自分の価値がわからないような』で苦悩するフシの姿が描かれる。これはそのまま第1話からの展開の暗示、つまりフシが自らの存在に価値を見出して行動に移していく流れを予め暗示したワンカットだろう。こちらはわかりやすい。
だがそこに続く『こどものままじゃいられないわ』でボンシェン・ニコリ・ラ・テイスティピーチ=ウラリス王子、通称ボン王子がフィーチャーされているのは、ちと解説が要るかもしれない。いや勿論、彼のこどもっぽい部分を強調して描いているだけといえばそれまでなのだが、ここの含意は恐らく「ただの王子のままでは居られない。王にならなくてはならない。」ということなのだろう、
王"子"というこどものままじゃいられないわ、と。そこらへんも、第2期の大事なテーマとなるわね。
『心の穴を埋める何か
失うことを恐れないわ』
の場面で誰と誰が抱き合っているのか?というのは今はまだ黙っておいた方がいいのかもしれない。取り敢えず、ここは「あなたは恐れていないかもしれないが、こっちは恐ろしくて仕方がないわ!」と返しておく。話が進む内にここらへんも共感して貰えるようになるかなと。
『自分のことを癒やせるのは
自分だけだと気づいたから』
引き続いてはここの歌詞だが、ヒカルらしい普遍的なメッセージ(というか独り言?)でありながら、こんなに『不滅のあなたへ』第2期に相応しい一節もないよねという「決めフレーズ」となっている。まぁここさえハマってしまえば後はどうとでもなるわな。
実際、ここから後の『サイコロ振って出た数進め』以降は主題歌に囚われないオープニングアニメが続くので、ある意味ここに辿り着いたら『PINK BLOOD』はお役御免なのである。…一旦。
そう、一旦でしかない。というのも、すぐさま
『王座になんて座ってらんねぇ
自分で選んだ椅子じゃなきゃダメ』
という宇多田ヒカルが直々に「不滅のあなたへ」の為に書いた歌詞が控えているからだ。はてさて、今回はここの部分をどう料理してくるかというのが事前の最大の関心事であった訳だが、最後フシが椅子に座る姿を真横から眺めたカットで終わっている。ここの部屋はどこなのか? 第1期第1話のあの部屋なのか? 彼は一体どういう状態? ─そこらへんのとこに注目しながらこの第2期を観ていく事になるだろう。あたしも最初読んだ時「そんな話になんの!?」と驚愕した。これを考え出した大今良時に対して。天才だアンタは。
という事でネタバレを少しずつ避けつつ第2期OP映像を観てみたが、当然ながらこの第2期の話全体を観終わらないと「なぜ『PINK BLOOD』の歌詞はこうだったか?」という疑問についての答は得られない。宇多田ヒカル心酔者は少々色々我慢してでもこの「不滅のあなたへ」第2期を観た方がいいのかもしれない。第3期以降は多分アニメ化はないからね…ってこっちが勝手に言ってるだけだけど! この半年だけなら我慢してみてもいいと思って貰えれば、ってことね。
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