Nスペでベル不等式を真正面から取り上げるとは驚いた。正直面食らった。すごく野心的な試みであった。素直に賞賛したい。
ただ、プライムタイムの地上波番組としては評価の分かれるところだろう。というのは、ベル不等式の解説は視聴者の
・量子もつれって、何?
・量子もつれって、何ができるの?
という二つの大きな疑問に答える話にはならないからだ。この不等式が偉大なのは、
・「アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス」がパラドックスでないことを証明するためにどんな実験をすればいいかを理論的に指し示した
ことにある。…ほら、こんなん普通の視聴者は「…どゆこと?」ってなるでしょ? 何が言いたいかわかんないわよね。ただ、ここを
「ベルはアインシュタインが気づかなかった不等式に気づいた」
即ち
「人類史上最高クラスの天才の発想を、一部分なら普通の天才が上回ることがある。」
という実例になってる、なんていう切り口で見れば、少しだけなら興味が湧く。なので番組でも「ベルはヒーロー」というコメントを取っていた。それはそれでOK。ただ、本題である「量子もつれの謎」とは直接関係ない、学者の頭脳合戦の話にすげ変わっちゃってるね。それはそれで面白そうだけど。
なので、そこすっとぱしてもうちょい量子暗号や量子コンピュータの話をして
・量子もつれって、何ができるの?
のポイントについて突っ込んだ話をしてもよかったかもしれない、と私は思った。
まぁここはかなり高いレベルでの提言になっちゃうので、「贅沢言い過ぎ」ではあるのよね。そして、
・量子もつれって、何?
という疑問については、まぁお手上げだったよね。ネジリン頑張ってたけど、肝心の「黄ネジリンと緑ネジリンが合体してるヤツ、あれなんなの?」ってとこすっ飛ばしちゃってたしな。あれ解説始めてたら75分じゃ無理だししゃーない。何よりそもそも、あたしが編集してたら今回の内容を75分未満に収めれなかったと思うので、既にNスペスタッフの編集能力は相当優秀なんですよ。あたし映像編集なんてひとつもしたことないけどな。
てことで、次回は量子もつれ自体の解説、私がしてみる? うーん、まぁやってみるけど没にする可能性が高いので、期待しないでね。
| Trackback ( 0 )
|