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無意識日記
宇多田光 word:i_
 



そう、前回のオチでも触れたように、

『君ん家か、僕ん家か』―そんな意味をタイトルに込めた新曲「Mine or Yours」
https://www.sonymusic.co.jp/artist/utadahikaru/info/576395?id=aep250819

ってソニーミュージックのニュース欄に書かれちゃってるのよね。ここにある文章は恐らく各方面に配られるプレスリリースの元になっているものだから、相当フォーマルな性質を持つものの筈なんだけど、こんなにカジュアルにタイトルの持つ意味合いを初公表しちゃうことってあるかな!? あったかな!?

そもそも、宇多田ヒカルの作詞は基本的に普遍性を核にしていて、描く対象の固有性を捨象していく事でその性質が顕になっていくものだった。故に、その作詞の結晶ともいうべき曲の題名も、リスナーひとりひとりが各自自分の思い入れとイメージを投影して差し支えないものとなっていた。例えば『SAKURAドロップス』と聞いて見て、思い出すのが桜が散る事でも受験に落ちた事でも恋に破れる事でもノックダウンから立ち上がる事でも甘い飴ちゃんを舐めた事でも秋のドラマ再放送の事でも何でもいいのである。好きなことを思い出せばいい。何の指定もそこにはない。

今年の新曲『Mine or Yours』も、核のメッセージとしては「私のか、あなたのか」で十分なのであって、そこで具体的にイメージするのはコーヒーとお茶でも、自炊と外食でも、同姓と別姓でも、賛成と反対でも、行く道と帰る道でも、男と女でも女と女でも何でもよかったはずなのだ。それをここに来て、発表から半年近く、発売からでも3ヶ月以上経ってからこうやって公式文書で声高らかに謳ってくるとは如何にも不自然でな…!

まだ発表したて、或いは発表前ならわからなくもない。何も知らない人たちに対して今回の新曲のテーマはこれですよという紹介にはなる。それですら宇多田ヒカルの場合は異例だけど。しかし、寧ろ今は米津玄師との『JANE DOE』に注目が集まらんとしているタイミングであって、もしそんな目線でみるなら新しく米津玄師ファンが宇多田ヒカルを聴いてみようと思った時の導線としての役割を付与しようとしたのかなという解釈も成り立つかなぁ?

ふーむ、考えれば考えるほどわからなくなる。プレスリリースにヒカル自身が手を入れるってのも考えづらいし。あとは、昨日ちょっと触れた「新しいリミックスの為の新しいMV」のテーマがそのものズバリ「君ん家か、僕ん家か」だったりする? でもなぁ、既存の『Mine or Yours』MVからして、映像のテーマが「ビックリ・ハウス」なのよねぇ。脈絡無く唐突に落ちてくる天井と、宇宙のどこかに繋がっていそうな洗濯機。洗濯と選択をかけてるにしても、既に「家」がテーマだったと言えなくもない。ただ、被るのが心配ならいっそ続編を作ってしまえばいいというのも道理でな。あの洗濯機から先にある世界をリミックスで描いててくれたらこれは楽しいかもしれない。その時の最終目的地が「君ん家」なら伏線は綺麗に回収できるねっ。


いずれにせよ、何の目的も無しにこんなことはわざわざ書かないと思われるので、なんらかの「匂わせ」だとこちらとしては受け取っておきますね。大体、「僕の家か、君の家か」じゃなくて「きみんちか、ぼくんちか」っていう言い回し、音自体がどこか意図的なものを感じさせるのよさ。3月頭から始まったこの「Mine or Yours』のプロジェクト、こうやって年末間際まで楽しませて貰える事になって非常に大歓喜な私なのでありました。こうやって頭を悩まされるのもまた至福だからね!


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