旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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花盛り・琉球舞踊界その⑦〈最終章〉

2010-11-18 00:36:00 | ノンジャンル
 「琉舞手帖=初心者から上級者までの琉球舞踊解説書」の著者大道勇は、放送屋としての古馴染である。
 昭和38年<1963>、法政大学経営学部を卒業すると同時に彼は琉球放送に入社。テレビ制作部に籍を置いて、自主製作のバラエティーものの演出をこなしていた。私はと言えば、彼より入社は早かったが、ラジオ制作部に所属して上司の命ずるまま、右や左を手さぐりしながら、民謡や宮廷音楽や芝居の番組を担当する一方、ラジオ・テレビ兼営局の体制の中、時折、テレビの生放送のフロアディレクターや演出補をしていた。昭和42年<1967>、大道勇はOHK・沖縄放送協会に転籍「沖縄の歌と踊り」等々、県内では高視聴率を得た数々の芸能番組を手掛け、造詣を深くしてきた。
 余談になるが、大道勇が琉球放送テレビ在籍中に担当していた毎週日曜日正午から1時間の視聴者参加生番組「花王ワンダフルショー」の後任になったのは私。彼は私より1個年下ながら、メカ音痴の私に〔テレビメディアとは何か〕を懇切丁寧に教えてくれた。テレビがカラーになる前のことで、いまでもモノクロ画面に接するとき、大道勇の顔までが白黒で重なってくる。50年近く前〔いい男同士〕だったのだが、いやはや、おたがい過去をふり返るには、先が短い〔いい年頃〕になっている。
 大道勇が時間をかけて記録した【舞踊家名簿】。流派・研究所・道場・会などを五十音順に紹介してきたこのシリーズも、今週号で最終章。
       
         写真:琉舞手帖より

【舞踊家名簿】

 ※琉球舞踊太佳流・家元佐藤太佳子<那覇市>
 *華良雄の会会主=比嘉良雄<浦添市>*華昌代の会会主=平良昌代<那覇市>*華の会<師範代表>師範=皆川律子<豊見城市>*華の会師範=笹谷春乃〈鹿児島県姶良町〉*華の会師範=渡嘉敷エチ子<那覇市>*華の会師範=金城光枝<新潟県佐渡市>*華の会師範=神山浩子<豊見城市>*華の会師範=比嘉幸子<浦添市>*華の会師範=孤島丘奈<浦添市>*華の会師範=根間郁子<那覇市>*華の会師範=金城陽一〈豊見城市〉*華の会師範=具志 忍〈東京都稲城市〉*華の会師範=浦崎直秀<ブラジル・サンパウロ>*華の会師範=伊東さちよ<アメリカ・ニューヨーク>*華の会師範=島袋順子<ブラジル・サンパウロ>

 ※琉球舞踊重踊流・宗家=志田房子<東京都練馬区>*二世宗家=志田真木<東京都練馬区>
 *志扇三重の会会主=井口三重子<東京都東久留米市>*志扇美智の会会主=砂邊美智子<神奈川県横浜市>*師範=姫野多美<三重県四日市市>*師範=波照間永子<東京都文京区>*師範=松田エリザ葉奈恵<ブラジルサンパウロ州サンパウロ市>

 ※琉舞藤の会会主=新崎恵子<沖縄市>*師範=花城富士子<沖縄市>*師範=呉屋かなめ<沖縄市>*師範=島袋正子〈沖縄市〉

 ※琉舞縁扇会会主=池原勝子<那覇市>
 ※琉舞無憂華の会会主=山田多津子<宜野湾市>*師範=宮城律子<宜野湾市>
 *師範=山田玲子<西原町>*師範=石川詩子<宜野湾市>

 ※柳清本流柳の会・家元=仲宗根文子<沖縄市>
 *柳扇優の会会主=仲宗根優子〈沖縄市〉*柳豊会会主=大城豊子〈大阪市大正区〉*柳扇会会主=照屋正子〈沖縄市〉*柳光会会主=渡具知光子〈ハワイ州ホノルル市〉*柳糸志乃会会主=糸村昌子〈金武町〉*柳恵之会会主=新城恵子〈北谷町〉*師範=山田和子〈北谷町〉*師範=荷川取信子〈宮古島市〉*柳豊会師範=大城奈津子〈大阪市大正区〉*柳清会二代目家元=比嘉倫子〈那覇市〉*師範=真栄田義晃<名護市>*師範=上間てるみ<大阪市大正区>*師範=山本カツ子<大阪市西淀川区>*師範=与座敏子<那覇市>*師範=比嘉一恵<那覇市>
 *柳清舞鶴会会主=大城鶴子<南風原町>*柳清舞鶴会師範=赤嶺路子<南風原町>*柳清舞鶴会師範=赤嶺多賀子<与那原町>
 ※和華の会・家元=高良和子<浦添市>
 *和華の会師範=普久原津恵子<那覇市>*和華の会師範=渡慶次初枝<那覇市>*和華の会師範=亀谷裕子<浦添市>*和華の会師範=本村みどり<那覇市>*和華の会師範=前田文子<宜野湾市>*和華の会師範=上間朝子<浦添市>*和華の会師範=永山玲緒奈<浦添市>*和華初志の会主宰=上原初子<浦添市>*和華良舞の会主宰=野原良子<那覇市>*和華松の会主宰=松田愛子<浦添市>

 さて。
 どう位置づけたものか。ともかく、宗家4。家元31。会主124。主宰5。師範327を数える。もちろん、宗家、家元、会主、主宰も〔師範〕の有資格者。その下に教師免許取得者が1000単位でいる上に、沖縄タイムス社・琉球新報社がそれぞれ主催する琉球舞踊コンクールにおける新人賞、優秀賞、最優秀賞、最高賞受賞者がいて、またそれを目指して修練に励む研究生たちを含めると、琉球舞踊に関係している人口は天井を知らないだろう。まさに〔花盛り・琉球舞踊界〕である。
 ここまで小まめに記録した大道勇氏に敬意を表する。
      
 「琉舞手帖」は、㈲ボーダーインク発行。電話=(098)835-2777。好評発売中。

     
     

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