まずは「畳語・重語」とは何か。講談社発刊「日本語大辞典」のページをペラペラとめくって見る。
『じょうご・畳語』=複合語の一種。同じ単語。語根が結合した語。多数を表し、また副詞に多い。例=ひとびと・さむざむ・ほくほく・泣く泣くなど。重語。
もし、日常会話に畳語を用いなかったとするならば、会話は味気なく「パサパサ」した乾いたものにものにななってしまうだろう。それらは沖縄口にも多々ある。先般、年頃の甥っ子が、ジンティー(相手)の彼女を同伴して、婚約したことの報告にきた。叔父にあたる御仁は、しばし歓談のあと「タイやウチャタイ カナタイ。ネートゥ ケートゥやさ」と祝福した。「タイ」は二人を指す。
◇ウチャタイ カナタイ=願ったり叶ったり。
◇ネートゥ ケートゥ=お似合い。
琉歌の中の「ネートゥ ケートゥ」。
♪ネートゥケートゥやりば 何故んでぃ我ね泣ちゅが 無蔵が丈勝ゐやてぃどぅ泣ちゅる
《ネートゥケートゥやりば ぬんでぃ わねなちゅが ンゾがタキまさゐ やてぃどぅなちゅる》
歌意=彼女と俺。似合いならば、どうして俺は泣くものか。彼女の家柄、格式、彼女自身の学歴等々。俺とは格段に異なる。つり合わぬは不縁のもとともいう。それゆえに俺は男泣きに泣くのだ。
「丈」は身分・丈分・間尺・均衡などの差。
◇アイメ― クサメー。
出しゃばりのさま。目立ちたがり屋に多い、選挙の時など政党や支持団体に属しているならいざ知らず、おのれの選挙好きが抑えられないのか、選挙事務所に顔を出し、頼まれもしないのにビラ配りをする方がいる。そういう方はいつの間にか選挙事務所に入り浸って、スタッフ・運動員と茶菓子をともにしている。当事者にとっては有難いのか迷惑なのか。また政党人の中には通常はそうそう顔は見せないが、立候補者の記者会見などテレビや新聞社のカメラが入るとなると、真っ先に駆けつけカメラの枠内に立ち位置を取る政治家がいる。その立ち位置も最前列ではなく、2列目か3列目の、それも立候補者の真後ろに陣取り、カメラ目線に心掛け、立候補者や選挙対策本部長や支持団体の幹部らとのグループショットにおさまる努力?を惜しまない。まさに「アイメ― ミサメー」。かかるさまを別に「メーユイユイ」=人前に寄りたがるさまで、そうする人を「メーユイユイ」という。
畳語には「さま・様子」を表す語もさることながら擬態語が多用され、日常会話を豊かに色づけしている。
ティーダ(太陽)はサンサン。これは共通語。沖縄のティーダはもっと強烈でカンカンである。カジ(風)はそよそよの他にソイソイ、スルスル吹く。ただし、ニシカジ(北風)は小枝を折るがごとくパチパチと吹く。
◇キリリン ボンボンはどうだ。
キリリンは各種祭りの鳴りものの鉦の音。ボンボンは片面の小鼓パーランクーや両面の小鼓の音。お察しの通り、鳴り物入りの華やかなさま。
◇トゥルルン テン。
云うまでもなくサンシン(三線)が鳴り響くさま。華やかなさま。共通語でいう「テレツク テン」「トチチリ シャン」と同畳語。
◇イヒー アハー。
人前でも遠慮なく、大声で和やかに笑うさま。
◇ハックイ シックイ。
大粒の涙を流し、息つぎもままならないほどの大泣きをするさま。
◇チーチー カーカー。
食べ物が喉に詰まったさま。そのことから事実、真実を追求されて返事に困っているさま。自分の都合の悪い返事は、どうしても「しどろもどろ」「チーチー カーカー」になる。不祥事の言い訳はなべてそれだ。
快い畳語に「イッスイ カッスイ」がある。嬉しい外出の場合「いそいそ」に当たる。
◇イッスイ カッスイ(またはイッスイ ガッスイ)。
ちょっとおめかしをして、ちょっと先を急ぎ、イッスイ カッスイお出かけになるさまは、見た目にも爽やかだ。
今年は9月、10月と大型台風に見舞われ甚大な被害を被った。サトウキビ畑なぞは見るも無残なさまを見せている。けれども、植物の蘇生力は凄まじい。年が明けるころには、サトウキビ畑の上を「ザワワ ザワワ」と、実りの風が拭いているだろう。
『じょうご・畳語』=複合語の一種。同じ単語。語根が結合した語。多数を表し、また副詞に多い。例=ひとびと・さむざむ・ほくほく・泣く泣くなど。重語。
もし、日常会話に畳語を用いなかったとするならば、会話は味気なく「パサパサ」した乾いたものにものにななってしまうだろう。それらは沖縄口にも多々ある。先般、年頃の甥っ子が、ジンティー(相手)の彼女を同伴して、婚約したことの報告にきた。叔父にあたる御仁は、しばし歓談のあと「タイやウチャタイ カナタイ。ネートゥ ケートゥやさ」と祝福した。「タイ」は二人を指す。
◇ウチャタイ カナタイ=願ったり叶ったり。
◇ネートゥ ケートゥ=お似合い。
琉歌の中の「ネートゥ ケートゥ」。
♪ネートゥケートゥやりば 何故んでぃ我ね泣ちゅが 無蔵が丈勝ゐやてぃどぅ泣ちゅる
《ネートゥケートゥやりば ぬんでぃ わねなちゅが ンゾがタキまさゐ やてぃどぅなちゅる》
歌意=彼女と俺。似合いならば、どうして俺は泣くものか。彼女の家柄、格式、彼女自身の学歴等々。俺とは格段に異なる。つり合わぬは不縁のもとともいう。それゆえに俺は男泣きに泣くのだ。
「丈」は身分・丈分・間尺・均衡などの差。
◇アイメ― クサメー。
出しゃばりのさま。目立ちたがり屋に多い、選挙の時など政党や支持団体に属しているならいざ知らず、おのれの選挙好きが抑えられないのか、選挙事務所に顔を出し、頼まれもしないのにビラ配りをする方がいる。そういう方はいつの間にか選挙事務所に入り浸って、スタッフ・運動員と茶菓子をともにしている。当事者にとっては有難いのか迷惑なのか。また政党人の中には通常はそうそう顔は見せないが、立候補者の記者会見などテレビや新聞社のカメラが入るとなると、真っ先に駆けつけカメラの枠内に立ち位置を取る政治家がいる。その立ち位置も最前列ではなく、2列目か3列目の、それも立候補者の真後ろに陣取り、カメラ目線に心掛け、立候補者や選挙対策本部長や支持団体の幹部らとのグループショットにおさまる努力?を惜しまない。まさに「アイメ― ミサメー」。かかるさまを別に「メーユイユイ」=人前に寄りたがるさまで、そうする人を「メーユイユイ」という。
畳語には「さま・様子」を表す語もさることながら擬態語が多用され、日常会話を豊かに色づけしている。
ティーダ(太陽)はサンサン。これは共通語。沖縄のティーダはもっと強烈でカンカンである。カジ(風)はそよそよの他にソイソイ、スルスル吹く。ただし、ニシカジ(北風)は小枝を折るがごとくパチパチと吹く。
◇キリリン ボンボンはどうだ。
キリリンは各種祭りの鳴りものの鉦の音。ボンボンは片面の小鼓パーランクーや両面の小鼓の音。お察しの通り、鳴り物入りの華やかなさま。
◇トゥルルン テン。
云うまでもなくサンシン(三線)が鳴り響くさま。華やかなさま。共通語でいう「テレツク テン」「トチチリ シャン」と同畳語。
◇イヒー アハー。
人前でも遠慮なく、大声で和やかに笑うさま。
◇ハックイ シックイ。
大粒の涙を流し、息つぎもままならないほどの大泣きをするさま。
◇チーチー カーカー。
食べ物が喉に詰まったさま。そのことから事実、真実を追求されて返事に困っているさま。自分の都合の悪い返事は、どうしても「しどろもどろ」「チーチー カーカー」になる。不祥事の言い訳はなべてそれだ。
快い畳語に「イッスイ カッスイ」がある。嬉しい外出の場合「いそいそ」に当たる。
◇イッスイ カッスイ(またはイッスイ ガッスイ)。
ちょっとおめかしをして、ちょっと先を急ぎ、イッスイ カッスイお出かけになるさまは、見た目にも爽やかだ。
今年は9月、10月と大型台風に見舞われ甚大な被害を被った。サトウキビ畑なぞは見るも無残なさまを見せている。けれども、植物の蘇生力は凄まじい。年が明けるころには、サトウキビ畑の上を「ザワワ ザワワ」と、実りの風が拭いているだろう。