旬刊・上原直彦 「浮世真ん中」の内『おきなわ日々記』」アーカイブ版

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花盛り・琉球舞踊その⑥

2010-11-11 00:20:00 | ノンジャンル
 制服・ユニホームとはよくしたものだ。
職業的なそれならば、ひと目でその人の活躍の場が判別できる。〔場〕としたのは、制服、ユニホームにも屋内・屋外用があるからだ。例えば、医師や看護師が身にしている通称〔白衣〕は、室内着の典型。診察室に入って白衣のスタッフに面接しただけで、全面的な信頼を覚え「よろしくお願いします」の言葉を心底から発することができる。それがもし、医師はジーンズにTシャツ、看護師がミニスカートに茶髪にハデハデ化粧だったとしたら、私ならすぐに逃げ出すであろう。医師も看護師もその辺を心得、自信と誇りを持って、白衣の袖を通しているに違いない。したがって、白衣は院内・屋内限定のユニホーム。
 白衣に聴診器を首に掛け、白衣にカルテパネルを抱えた看護師を従えて街中を闊歩する医師なぞ、ついぞ見かけない。
      
 舞踊家はどうだろうか。通称〔二式着物〕、あるいは〔半稽古着〕を着用して、師範クラスは弟子に稽古をつけている。もちろん、普通の着物を着けることもあることは言うまでもない。二式着物・半稽古着は、あくまでも研究所、道場における屋内用。けれども、長い黒髪を背中にたらしたり、それなりに結ったりした上に、男の甚平にも似た半稽古着のまま、繁華街を艶やかに行く女性を見かける。「舞踊家だっ!カッコいい」と、しばし目で追う。本人もまた、それを十分意識しているようだ。芸能人には、屋内着・屋外着の区別はないの
かも知れない。
        

【舞踊家名簿】

 ※宮城本流・鳳乃会家元 宮城能鳳<与那原町>
 *鳳・昌寿乃会会主=糸数昌益<糸満市>**鳳・煽の会会主=根路銘広美<沖縄市>
 *鳳・綾羽乃会会主=嘉手苅林一・会主嘉手苅幸代<読谷村>*鳳・錦扇会会主=新垣徳吉<USA>*鳳・麗乃会会主=宮城能麗<那覇市>*鳳・麗乃会師範=古謝徳子<南城市>*鳳・麗乃会師範=比嘉侑子<中城村>*鳳・麗乃会師範=諸見里春代<北谷町>*鳳・麗乃会師範=宮城能乃<豊見城市>*優香の会会主=宮城能香<那覇市>
 *優舞の会会主=宮城能舞<那覇市>*礽乃会二代目会主=照屋由紀乃<宜野湾市>

 ※宮城流朱之会会主=古謝弘子<嘉手納町>*朱・須賀子之会会主=平良須賀子<沖縄市>*朱・やえ之会会主=山田やえ<北谷町>*朱・愛子之会会主=仲程愛子<宜野湾市>*朱・碧之会会主=金城フサ子<浦添市>*宮城流師範=津波琴江<読谷村>*宮城流師範=幸地みかえ<嘉手納町>*宮城流師範=宮城昭美<読谷村>*宮城流師範=知花小百合<読谷村>*宮城流師範=宮里すが子<浦添市>*宮城流師範=宮城尚子<那覇市>*宮城流師範=宮城由紀子<嘉手納町>*宮城流師範=多和田美幸<那覇市>
 *薫風の会会主=赤嶺正一<那覇市>
 *薫風の会師範=佐久本稔<那覇市>*薫風の会師範=名嘉久枝<那覇市>
 *豊舞会家元=宮城豊子<沖縄市>*豊舞会師範=仲村和美<沖縄市>*豊舞会師範=新垣幸子<北米ロサンゼルス支部>*豊舞会師範=宮城小寿江<宜野座村>*豊舞会師範=白木美智子<宜野座村>*豊舞会師範=小嶺和佳子<沖縄市>*豊舞会師範=佐渡山奈美姫<沖縄市>*豊舞会師範=仲地ゆき乃<うるま市>

 ※宮城流・二代目家元=宮城能造<那覇市>

 ※宮城元流能史之会・家元=宮城能之<那覇市>*師範=山根初美<那覇市>*師範=宇座仁一<那覇市>

 ※宮城流美能留会家元・宮城早苗<那覇市>*美能留会家元・宮城園美<那覇市>
 *美能留会師範=金城保子<浦添市>*美能留会師範=松田 恵<沖縄市>
 *美代乃会会主=渡久地美代子<西原町>*美代乃会師範=萩堂清恵<本部町>

 ※美和の会会主=座喜味千枝子<沖縄市>*美和の会師範=根保光枝<名護市>*美和の会師範=普久原千津子<読谷村>*美和の会師範=前當正雄<うるま市>

 ※琉球舞踊大城流・寿乃会家元=大城政子<那覇市>*寿乃会師範=大城一乃<那覇市>*寿乃会師範=大城好枝<南城市>*寿乃会師範=玉城美千枝<那覇市>*寿乃会師範=真志取 都<那覇市>*寿乃会師範=津波明子<糸満市>

 ※琉球舞踊かなの会会主=高嶺久枝<南風原町>*師範=宮城伸子<豊見城市>*師範=宇地原幸子<八重瀬町>*師範=儀間美明<浦添市>*師範=豊見本美重子<豊見城市>*師範=張本直子<石垣市>*師範=宮城早綾佳<那覇市>*師範=高嶺美和子<南風原町>

 今年の夏休みから、舞踊道場・研究所に通い始めた小学校6年生の女の子がいる。
来年卯年に、夫婦揃って85歳のトゥシビースージ<生れ年祝儀>を催す祖父母がいて、その祝宴の余興に「ひとさし舞いたい!」と、両親に申し出てのことだ。両親に否があるはずはない。演目は祝儀舞「かぢゃでぃ風節」と「谷茶前節=たんちゃめー」。1年掛かりの特訓になるが、自主的行為のせいか集中力旺盛で「日に日に上達している」とは、両親の評価。その孫の努力の成果を何より待ち兼ねて、目をほそめているのは祖父母ではあるまいか。こちらまで幸せな気分になる。

 ☆大道勇著「琉球手帳=初心者から上級者までの琉球舞踊解説書」参照による【舞踊家名簿】は、11月18日号につづく。


   

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1 コメント

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Unknown (小学制)
2016-05-14 00:16:32
問診の医師らは白衣を着ないのであろうか。また、舞踊家は見せびらかしているのであろうか。著者の舞踊家へのエールは共感できなくもないが、話の発端に疑念が多く、また、舞踊家の格好のラベリングにも捉えかねないと感ずるのは些か考えすぎであろうか。
観られるのごあたり前だからこそ稽古着でも然り。
外来の際には白衣を着医者は着ないのか。議論の地平にかなりの差があるように思うが、どうだろうか。学不足で申し訳ない。
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