『山川文太』詩人。
徳田安則さんの詩人としての筆名である。琉球放送を定年退職して久しくなる。現役中は報道局、制作局の管理職を務めた。いわば小生とは(僚友)。小生の拙文集・沖縄タイムス発行「沖縄・話のはなし=浮世真ん中」(2004/初版)の折には(中ゆくい)と称する項に(褒めことば)を寄稿してもらった。いわく。
{いたずら好きの直さん}山川文太。
ガンマリ(悪戯)や罪のないウソをつくのが大好きな人。ガンマリを笑って見過ごせない人は、シャレが分からない人として切り捨てる。そのために誤解されたこともあるのではないか。
公開録音で伊是名島へ渡り、台風に閉じ込められ、三日後に帰ってきて、僕に言った。
「君はビン詰めのスクガラスを知っているだろう。ビンの中では全部、頭を逆さにして整然としている。あの並べ方はね、伊是名のおばさん達がスクガラスの入ったビンの中にお箸を入れ、物凄い勢いでかき回すと、あんな風にビンの中できれいに並ぶんだよ。いやぁ、凄い技だ」
私は半信半疑ながらも信じていた。
数年後の新聞。マチグァーのおばぁ達か。スクガラスを一匹ずつビン詰めしているが、老齢化には勝てず「細かいビン詰め作業は無理になったので、終わりにする」と、あった。
信じた僕が馬鹿でした。
また、ある時、民謡界の大御所山内昌徳さんが歌う「命口節」をベースに、山内さんの戦争体験をラジオの特別番組にするため、勝て鹿児島県隼人町に行った。山内さんは戦争前、隼人で飛行場建設作業した後、中国戦線に送られた。戦後、中国から再び隼人に帰還。こともあろうに、その飛行場を開拓して芋を作っていた。その場所を訪ねたのだ。何十年ぶりかの戦友との再会などあって、取材は終えた。打ち上げは天文館通りのスナック。
山内さん、直さん、僕の三人。そこで直さんのガンマリがはじまる。
山内さんはブラジルの大牧場主。日系だが言葉はブラジル語のみ。僕はその付き人で、直さんは東京の不動産屋。温泉の出る広い土地を求めて、ブラジルからやってきたという設定。東京の不動産屋は芸能界にも顔が広く、鹿児島出身の西郷輝彦、森進一とも(知り合い)だと、直さんは真顔でホステスに話す。
山内さんがウチナーグチで直さんの作りばなしに調子を合わせると、僕は急いでヤトゥグチ(共通語)に訳する。
店のマスター、ホステスさんは、本気にしたはずだが・・・・。
ガンマリは「ツボにはまったッ」と、いい気分で店を出ようと、勘定書きを見てびっくり。むこうのほうが一枚上手だった。ちゃんとウソを見抜いていて、高額の数字を払うことになった。何度も何度も頭を下げて、マケてもらったが、このことは直さんには、いまだ話していない。(詩人)
◇胴一人物言い=どぅちゅい むぬいい=ひとり言。
「戯言や作りばなしは好きでやってはいるが、それも二度とあわないであろう女性の前でやるだけだがなぁ・・・・」。
山川文太さんの(褒めことば)には、偽りはない。
さてさて。
今年も3月4日は「ゆかる日まさる日・さんしんの日」である。
RBCiラジオの提唱。27年目を迎える。
今回の主会場は具志川市民芸術劇場・響ホール。
午前11時45分から午後9時までの公開生放送を実施する。
加えて今年は琉球放送創立65周年にあたり、会社を挙げての取り組みになる。県内の民謡界、古典音楽界、舞踊界、民俗芸能らを網羅するほか、アメリカ、南米、アジア圏の沖縄関係者とのインタビューも舞台サイドに設置した大スクリーンに映し出して(三線文化)を国際的に伝える構成をする。
「多くの方々に参加していただこう」
これを意図して入場は無料だが、入場整理券を発行。1部2部3部と入れ替え制を取らせていただいている。
『65・発見 ぞくぞく』
これは琉球放送創立65年のコンセプト。「さんしんの日にも新しい発見があり、これからも続々、そして気分的にゾクゾク・ワクワクする放送を日常的に実施していこうという決意を固めている。
2月5日、沖縄は旧正月を迎え言葉通りの「新春」。加えてこの日は「立春」。確実に日足も伸びてきた。誰が言ったか知らないが、この時季を言い当てたうまい言葉がある。
「さんしんの日が春を連れてやって来る!」。
徳田安則さんの詩人としての筆名である。琉球放送を定年退職して久しくなる。現役中は報道局、制作局の管理職を務めた。いわば小生とは(僚友)。小生の拙文集・沖縄タイムス発行「沖縄・話のはなし=浮世真ん中」(2004/初版)の折には(中ゆくい)と称する項に(褒めことば)を寄稿してもらった。いわく。
{いたずら好きの直さん}山川文太。
ガンマリ(悪戯)や罪のないウソをつくのが大好きな人。ガンマリを笑って見過ごせない人は、シャレが分からない人として切り捨てる。そのために誤解されたこともあるのではないか。
公開録音で伊是名島へ渡り、台風に閉じ込められ、三日後に帰ってきて、僕に言った。
「君はビン詰めのスクガラスを知っているだろう。ビンの中では全部、頭を逆さにして整然としている。あの並べ方はね、伊是名のおばさん達がスクガラスの入ったビンの中にお箸を入れ、物凄い勢いでかき回すと、あんな風にビンの中できれいに並ぶんだよ。いやぁ、凄い技だ」
私は半信半疑ながらも信じていた。
数年後の新聞。マチグァーのおばぁ達か。スクガラスを一匹ずつビン詰めしているが、老齢化には勝てず「細かいビン詰め作業は無理になったので、終わりにする」と、あった。
信じた僕が馬鹿でした。
また、ある時、民謡界の大御所山内昌徳さんが歌う「命口節」をベースに、山内さんの戦争体験をラジオの特別番組にするため、勝て鹿児島県隼人町に行った。山内さんは戦争前、隼人で飛行場建設作業した後、中国戦線に送られた。戦後、中国から再び隼人に帰還。こともあろうに、その飛行場を開拓して芋を作っていた。その場所を訪ねたのだ。何十年ぶりかの戦友との再会などあって、取材は終えた。打ち上げは天文館通りのスナック。
山内さん、直さん、僕の三人。そこで直さんのガンマリがはじまる。
山内さんはブラジルの大牧場主。日系だが言葉はブラジル語のみ。僕はその付き人で、直さんは東京の不動産屋。温泉の出る広い土地を求めて、ブラジルからやってきたという設定。東京の不動産屋は芸能界にも顔が広く、鹿児島出身の西郷輝彦、森進一とも(知り合い)だと、直さんは真顔でホステスに話す。
山内さんがウチナーグチで直さんの作りばなしに調子を合わせると、僕は急いでヤトゥグチ(共通語)に訳する。
店のマスター、ホステスさんは、本気にしたはずだが・・・・。
ガンマリは「ツボにはまったッ」と、いい気分で店を出ようと、勘定書きを見てびっくり。むこうのほうが一枚上手だった。ちゃんとウソを見抜いていて、高額の数字を払うことになった。何度も何度も頭を下げて、マケてもらったが、このことは直さんには、いまだ話していない。(詩人)
◇胴一人物言い=どぅちゅい むぬいい=ひとり言。
「戯言や作りばなしは好きでやってはいるが、それも二度とあわないであろう女性の前でやるだけだがなぁ・・・・」。
山川文太さんの(褒めことば)には、偽りはない。
さてさて。
今年も3月4日は「ゆかる日まさる日・さんしんの日」である。
RBCiラジオの提唱。27年目を迎える。
今回の主会場は具志川市民芸術劇場・響ホール。
午前11時45分から午後9時までの公開生放送を実施する。
加えて今年は琉球放送創立65周年にあたり、会社を挙げての取り組みになる。県内の民謡界、古典音楽界、舞踊界、民俗芸能らを網羅するほか、アメリカ、南米、アジア圏の沖縄関係者とのインタビューも舞台サイドに設置した大スクリーンに映し出して(三線文化)を国際的に伝える構成をする。
「多くの方々に参加していただこう」
これを意図して入場は無料だが、入場整理券を発行。1部2部3部と入れ替え制を取らせていただいている。
『65・発見 ぞくぞく』
これは琉球放送創立65年のコンセプト。「さんしんの日にも新しい発見があり、これからも続々、そして気分的にゾクゾク・ワクワクする放送を日常的に実施していこうという決意を固めている。
2月5日、沖縄は旧正月を迎え言葉通りの「新春」。加えてこの日は「立春」。確実に日足も伸びてきた。誰が言ったか知らないが、この時季を言い当てたうまい言葉がある。
「さんしんの日が春を連れてやって来る!」。