※刀自夫婦問答〈とぅじみーとぅ むんどぅ〉。
この場合の問答は(夫婦喧嘩の意)。
◇Y子さんは生粋の江戸っ子。浅草生まれのチャキチャキだ。大学時代に知り合った沖縄男性と結婚、沖縄に暮らして7年になる。「郷に入らば郷に従へ」を実践して、日常会話の沖縄口は、離せないまでも5割は聞き取れるようになった。その程度でも、沖縄口を通して沖縄の風俗習慣や文化が見えるようになった。でもね・・・・と、Y子さんは楽しそうに語る。
「でもね。困るのは夫婦喧嘩。大したことのないそれは、お互い共通語で丁々発止やっているが、共通語でやり合っている分には(いいストレス解消)と理解仕合っていても、いざ!話の決着がつきかねるようになると、主人は顔を真っ赤にして、沖縄口で攻めまくってくる。それは主人が本気で怒っている証拠。日常会話には出てこない言葉を次から次へと浴びせかけてくるのね。イミクジ〈意味故事〉が分からない。どうやらアタシの非をなじり、悪口を云っているようではある。こうなるとアタシは、ことの是非を問わず、誤ることにしている。どうやら人は、カッとなると(お国言葉で)本気を出すようだ。夫婦喧嘩を深刻化させないために、ひとまず謝る。ただ謝る。後日、主人の機嫌がいいおりに(ねぇ、あのとき何と云ったの?)と聞き返すと主人は(忘れた)の(うるさい)のと照れて答えてくれない。心理学的?には人間、カッとなる時間は6~10秒ですってね。主人の沖縄口攻撃も10秒待てば治まる。本気の怒りに本気で対応しては、離婚騒動にまで発展しかねない。それでは夫婦はやっておれない。損するのはこっちだもの!」。
確かにそうだ。筆者自身、頭に血がのぼると沖縄口で相手を罵倒している。
※年をとったら・・・・。
◇祖父母から沖縄口を教わるようにと、アドバイスされた小学生。両親に云った。
「どうしてお爺ちゃんお婆ちゃんにならないと、沖縄口が使えないの?ママもパパも沖縄口を使わないのは・・・・そうか!まだ若いからだね!それならボクも年取ったら話せるようになるから、いまは教わらなくてもいいね」。
両親は目を白黒させるよりほかはなかった。そして考えた。
「果たしてそうだろうか。共通語で十分に生活ができているから、沖縄口の必要性もなく
むしろ敬遠してきたが、子どもに指摘されると、そうも云っていられないね」。
「沖縄口奨励“しまくとぅば条例”もできて、県民の関心が高くなっている。言葉は貯金と同じで、若い時から習い使い、コツコツと貯めておかなければ、年取ったから自然に使えるというものでもないものね。今日から(言葉の蓄え)をしましょうよ」。
この家庭には、沖縄口が貯蓄されるに違いない。
※9月18日は「しまくとぅばの日」。
9(く)10(とぅ)8(ば)と、語呂合わせた。平成18年3月31日。条例第35条として沖縄県議会で制定されている。
◇しまくとぅばに関する条例。
*しまくとぅばに関する条例をここに公布する。
*条例・趣旨。
第1条=県内各地域において、世代を越えて受け継がれてきた(しまくとぅば)は、本県文化の基層であり、しまくとぅばを次の世代へ継承していくことが重要であることに鑑み、県民のしまくとぅばに対する関心と理解を深め、もって(しまくとぅば)の普及と促進を図るため(しまくとぅばの日)を設ける。
第2条=しまくとぅばの日は、9月18日とする。
(事業)
第3条=1、県は、しまくとぅばの日の啓発に努めるとともに、その日を中心として、しまくとぅばの普及促進のための事業を行うものとする。
2、県は、市町村及び団体に対し、しまくとぅば普及促進のための事業が行われるよう協力を求めるものとする。
◇附則=この条例は、公布の日から施行する。
この条例施行から8年。
各市町村の文化協会が主催し「しまくとぅば大会」が催され、代表が選出されて、中央大会が行われている。この間に「しまくとぅば連絡協議会」が結成されて成果をあげている。
また、先日9月1日。同連絡協議会は県に対し、学校現場への「しまくとぅば指導条例」を制定するよう要請している。平和運動と同じく、その時代の活動、行動は、時代に継承され、実を結ぶであろう。いや、開花させて、ごく普通に共通語も西欧語もアジア語も、そして(しまくとぅば)も使われて、人類皆、コミニュケーションを維持することになろう。望ましい未来が見える。
なるほど。前記の「言葉は貯金」の発想はいい。実にいい。慣用句に「くとぅば銭使えー=ジンじけー」とあるように、言葉もコツコツと備蓄し、有効に使って(利子)を増やしていく。この理屈を実践することが肝要と思われるがいかが。
いま流行の「アイスバケツリレー」よろしく、今日モノにした沖縄語を3人に伝え、その3人が老若男女を問わない3人にそれぞれ伝える方式も採用したい。なにしろ「くとぅば忘しーねー 親ん忘しーん=自分たちの地域語を忘れると、親も忘れる」と云われるのだから、忘れまい!親もふるさとも。
この場合の問答は(夫婦喧嘩の意)。
◇Y子さんは生粋の江戸っ子。浅草生まれのチャキチャキだ。大学時代に知り合った沖縄男性と結婚、沖縄に暮らして7年になる。「郷に入らば郷に従へ」を実践して、日常会話の沖縄口は、離せないまでも5割は聞き取れるようになった。その程度でも、沖縄口を通して沖縄の風俗習慣や文化が見えるようになった。でもね・・・・と、Y子さんは楽しそうに語る。
「でもね。困るのは夫婦喧嘩。大したことのないそれは、お互い共通語で丁々発止やっているが、共通語でやり合っている分には(いいストレス解消)と理解仕合っていても、いざ!話の決着がつきかねるようになると、主人は顔を真っ赤にして、沖縄口で攻めまくってくる。それは主人が本気で怒っている証拠。日常会話には出てこない言葉を次から次へと浴びせかけてくるのね。イミクジ〈意味故事〉が分からない。どうやらアタシの非をなじり、悪口を云っているようではある。こうなるとアタシは、ことの是非を問わず、誤ることにしている。どうやら人は、カッとなると(お国言葉で)本気を出すようだ。夫婦喧嘩を深刻化させないために、ひとまず謝る。ただ謝る。後日、主人の機嫌がいいおりに(ねぇ、あのとき何と云ったの?)と聞き返すと主人は(忘れた)の(うるさい)のと照れて答えてくれない。心理学的?には人間、カッとなる時間は6~10秒ですってね。主人の沖縄口攻撃も10秒待てば治まる。本気の怒りに本気で対応しては、離婚騒動にまで発展しかねない。それでは夫婦はやっておれない。損するのはこっちだもの!」。
確かにそうだ。筆者自身、頭に血がのぼると沖縄口で相手を罵倒している。
※年をとったら・・・・。
◇祖父母から沖縄口を教わるようにと、アドバイスされた小学生。両親に云った。
「どうしてお爺ちゃんお婆ちゃんにならないと、沖縄口が使えないの?ママもパパも沖縄口を使わないのは・・・・そうか!まだ若いからだね!それならボクも年取ったら話せるようになるから、いまは教わらなくてもいいね」。
両親は目を白黒させるよりほかはなかった。そして考えた。
「果たしてそうだろうか。共通語で十分に生活ができているから、沖縄口の必要性もなく
むしろ敬遠してきたが、子どもに指摘されると、そうも云っていられないね」。
「沖縄口奨励“しまくとぅば条例”もできて、県民の関心が高くなっている。言葉は貯金と同じで、若い時から習い使い、コツコツと貯めておかなければ、年取ったから自然に使えるというものでもないものね。今日から(言葉の蓄え)をしましょうよ」。
この家庭には、沖縄口が貯蓄されるに違いない。
※9月18日は「しまくとぅばの日」。
9(く)10(とぅ)8(ば)と、語呂合わせた。平成18年3月31日。条例第35条として沖縄県議会で制定されている。
◇しまくとぅばに関する条例。
*しまくとぅばに関する条例をここに公布する。
*条例・趣旨。
第1条=県内各地域において、世代を越えて受け継がれてきた(しまくとぅば)は、本県文化の基層であり、しまくとぅばを次の世代へ継承していくことが重要であることに鑑み、県民のしまくとぅばに対する関心と理解を深め、もって(しまくとぅば)の普及と促進を図るため(しまくとぅばの日)を設ける。
第2条=しまくとぅばの日は、9月18日とする。
(事業)
第3条=1、県は、しまくとぅばの日の啓発に努めるとともに、その日を中心として、しまくとぅばの普及促進のための事業を行うものとする。
2、県は、市町村及び団体に対し、しまくとぅば普及促進のための事業が行われるよう協力を求めるものとする。
◇附則=この条例は、公布の日から施行する。
この条例施行から8年。
各市町村の文化協会が主催し「しまくとぅば大会」が催され、代表が選出されて、中央大会が行われている。この間に「しまくとぅば連絡協議会」が結成されて成果をあげている。
また、先日9月1日。同連絡協議会は県に対し、学校現場への「しまくとぅば指導条例」を制定するよう要請している。平和運動と同じく、その時代の活動、行動は、時代に継承され、実を結ぶであろう。いや、開花させて、ごく普通に共通語も西欧語もアジア語も、そして(しまくとぅば)も使われて、人類皆、コミニュケーションを維持することになろう。望ましい未来が見える。
なるほど。前記の「言葉は貯金」の発想はいい。実にいい。慣用句に「くとぅば銭使えー=ジンじけー」とあるように、言葉もコツコツと備蓄し、有効に使って(利子)を増やしていく。この理屈を実践することが肝要と思われるがいかが。
いま流行の「アイスバケツリレー」よろしく、今日モノにした沖縄語を3人に伝え、その3人が老若男女を問わない3人にそれぞれ伝える方式も採用したい。なにしろ「くとぅば忘しーねー 親ん忘しーん=自分たちの地域語を忘れると、親も忘れる」と云われるのだから、忘れまい!親もふるさとも。