爺=ボクは、大きくなったら何になるの?
孫=う~ん・・・・。飛行機の運転手!
爺=そうか。ウンウン!飛行機のパイロットか。
孫=ウン。そうしたら、ジージーを乗せてどこへでも連れて行ってあげる!
爺=そうか。どこへでもか。
どこの家庭にもある爺と孫の会話である。爺、孫にとって至福のときと云えよう。心の中がなごやかに熱くなって、孫をギュッと抱きしめたところで、嬉々とした孫の声。
孫=爺は、大きくなったらナニになるの?
爺=う~ん・・・・。
しばし考えたあと、爺は真顔で答えた。
爺=・・・・仏さま・・・。
すると孫は「イヤダッ!ほとけさまなんてイヤダッ!」と泣いた。
この孫は、半年前に大好きな婆を亡くしたばかりだった。仏さまになることがどう云うことか、この孫には分かっていたのだろう。高齢者社会の1コマを見ることができる話。いずれは(仏さま)になる自分をつい正直に云ってしまった爺には、孫の(イヤダッ!イヤダッ)が、嬉しくも切なかったのではなかろうか。
幼少のころ「大きくなったらナニになるの?」は、誰にでもある問いかけだろう。読者諸賢は何と答えていただろうか。それは世代によって異なるだろう。筆者はどうか。親や祖父祖母の期待に添うようなことを云って歓ばれたような気がするが、それは何だったのか遥か遠い時間の向こうのことで、記憶から薄れてしまっている。
いまの子どもたちの(将来、なりたいもの)は何だろう。
第一生命保険が行ったアンケート調査結果がここにある。引用させて戴く。
※[大人になったらなりたいものベスト10]
7月4日発表によると「お医者さん」が1989年の調査開始以来、初めて女子3位(前回4位)に浮上した。第一生命は、東日本大震災を経て「命を救う職業への関心が一段と高まっている」と分析している。女性の医師を主人公にしたテレビドラマが人気だったことも背景にはあるとみられ、ベストテン上位の常連「看護師さん」を初めて上回った。
「お医者さん」は、男子でも前回の9位から6位に順位を上げた。「消防士・救急隊員」が初めて男子3位(前回10位)に上昇したことも、人助けへの関心の高さをうかがわせた。
第一生命は全国の幼児や小学生らを対象に、昨年7~8月にアンケートを実施。1100人の回答を集計、分析した。
一覧にしてみよう。
《男子》
1位=サッカー選手。2位=野球選手・同位食べ物屋さん。3位=消防士・救急隊員。同位学者・博士。6位=お医者さん。7位=電車・バス・車の運転手。8位=大工さん・同位テレビアニメ系キャラクター・警察官・刑事。
《女子》
1位=食べ物屋さん。2位=保育園・幼稚園の先生。3位=お医者さん。4位=学校の先生(習い事の先生)。5位=飼育係・ペット屋さん・調教師。同位看護師さん。6位=ピアノ、エレクトーンの先生。ピアニスト。8位=美容師さん。同位歌手・タレント・芸人。10位=デザイナー。同位お花屋さん。
筆者の幼年時代にあった職業はほとんどない。「末は博士か大臣か」と云う言葉は、聞いたことはあったが憧れたことはなかった。
昭和22、3年頃の少年の家の近くに警察署があったせいか「警察官」になりたかったことを思い出した。叔父に戦前から警察関係者がいたことも少年の夢の対象になり「警察官希望」をほのめかしたのだろう。親父は(よしよし)と目を細めた。しかし、おふくろは否定的だった。
当時の警察官は、アメリカ軍政府の管理下にあって、米軍MPの補佐だった。民間人からは(アメリカの手先)と見られ、敬遠されていた時代。その上、米兵による婦女暴行事件を調査中、犯人にピストルで射殺された沖縄人警察官もいて、これがおふくろの否定、反対の最大の理由だったと、長じてから耳にした。
「戦火をかい潜って、ようやく得た命を警察官なぞになって失うことはない」おふくろは、そう主張していたらしい。
いまひとつ思い出したこと。
制服への憧れがあった。アメリカ陸海軍兵士のそれぞれの軍服・制服のカッコよかったこと!少年の目には、それは「勝者・強者のシンボル」だった。勝者に憧れない少年はいない。学校でも校長先生以下、先生方は軍払い下げの衣服や日本を除く世界各地から送られてくる救援物資の衣類を手直しして着していた時代。いつか警察官も制服を着けた。目を見張ったのは、近くの軍管理病院の医師が、昨日までの私服が今日は白衣に変身していたこと。羨望をもって見たことではあった。
私事。
筆者にも孫がいる。自分が制服に勝者、強者を感じたからと云って、もし孫が(自衛隊の制服を着用したい)と希望したら(よしっ)とするだろうか。NO!これ以外に答えはない。自衛隊は軍隊ではないことは承知している。しかし、ここへきて自衛隊は軍隊になる可能性を膨張させている。考えすぎ?爺としては、孫たちをキナ臭い制服では包みたくないのである。
孫=う~ん・・・・。飛行機の運転手!
爺=そうか。ウンウン!飛行機のパイロットか。
孫=ウン。そうしたら、ジージーを乗せてどこへでも連れて行ってあげる!
爺=そうか。どこへでもか。
どこの家庭にもある爺と孫の会話である。爺、孫にとって至福のときと云えよう。心の中がなごやかに熱くなって、孫をギュッと抱きしめたところで、嬉々とした孫の声。
孫=爺は、大きくなったらナニになるの?
爺=う~ん・・・・。
しばし考えたあと、爺は真顔で答えた。
爺=・・・・仏さま・・・。
すると孫は「イヤダッ!ほとけさまなんてイヤダッ!」と泣いた。
この孫は、半年前に大好きな婆を亡くしたばかりだった。仏さまになることがどう云うことか、この孫には分かっていたのだろう。高齢者社会の1コマを見ることができる話。いずれは(仏さま)になる自分をつい正直に云ってしまった爺には、孫の(イヤダッ!イヤダッ)が、嬉しくも切なかったのではなかろうか。
幼少のころ「大きくなったらナニになるの?」は、誰にでもある問いかけだろう。読者諸賢は何と答えていただろうか。それは世代によって異なるだろう。筆者はどうか。親や祖父祖母の期待に添うようなことを云って歓ばれたような気がするが、それは何だったのか遥か遠い時間の向こうのことで、記憶から薄れてしまっている。
いまの子どもたちの(将来、なりたいもの)は何だろう。
第一生命保険が行ったアンケート調査結果がここにある。引用させて戴く。
※[大人になったらなりたいものベスト10]
7月4日発表によると「お医者さん」が1989年の調査開始以来、初めて女子3位(前回4位)に浮上した。第一生命は、東日本大震災を経て「命を救う職業への関心が一段と高まっている」と分析している。女性の医師を主人公にしたテレビドラマが人気だったことも背景にはあるとみられ、ベストテン上位の常連「看護師さん」を初めて上回った。
「お医者さん」は、男子でも前回の9位から6位に順位を上げた。「消防士・救急隊員」が初めて男子3位(前回10位)に上昇したことも、人助けへの関心の高さをうかがわせた。
第一生命は全国の幼児や小学生らを対象に、昨年7~8月にアンケートを実施。1100人の回答を集計、分析した。
一覧にしてみよう。
《男子》
1位=サッカー選手。2位=野球選手・同位食べ物屋さん。3位=消防士・救急隊員。同位学者・博士。6位=お医者さん。7位=電車・バス・車の運転手。8位=大工さん・同位テレビアニメ系キャラクター・警察官・刑事。
《女子》
1位=食べ物屋さん。2位=保育園・幼稚園の先生。3位=お医者さん。4位=学校の先生(習い事の先生)。5位=飼育係・ペット屋さん・調教師。同位看護師さん。6位=ピアノ、エレクトーンの先生。ピアニスト。8位=美容師さん。同位歌手・タレント・芸人。10位=デザイナー。同位お花屋さん。
筆者の幼年時代にあった職業はほとんどない。「末は博士か大臣か」と云う言葉は、聞いたことはあったが憧れたことはなかった。
昭和22、3年頃の少年の家の近くに警察署があったせいか「警察官」になりたかったことを思い出した。叔父に戦前から警察関係者がいたことも少年の夢の対象になり「警察官希望」をほのめかしたのだろう。親父は(よしよし)と目を細めた。しかし、おふくろは否定的だった。
当時の警察官は、アメリカ軍政府の管理下にあって、米軍MPの補佐だった。民間人からは(アメリカの手先)と見られ、敬遠されていた時代。その上、米兵による婦女暴行事件を調査中、犯人にピストルで射殺された沖縄人警察官もいて、これがおふくろの否定、反対の最大の理由だったと、長じてから耳にした。
「戦火をかい潜って、ようやく得た命を警察官なぞになって失うことはない」おふくろは、そう主張していたらしい。
いまひとつ思い出したこと。
制服への憧れがあった。アメリカ陸海軍兵士のそれぞれの軍服・制服のカッコよかったこと!少年の目には、それは「勝者・強者のシンボル」だった。勝者に憧れない少年はいない。学校でも校長先生以下、先生方は軍払い下げの衣服や日本を除く世界各地から送られてくる救援物資の衣類を手直しして着していた時代。いつか警察官も制服を着けた。目を見張ったのは、近くの軍管理病院の医師が、昨日までの私服が今日は白衣に変身していたこと。羨望をもって見たことではあった。
私事。
筆者にも孫がいる。自分が制服に勝者、強者を感じたからと云って、もし孫が(自衛隊の制服を着用したい)と希望したら(よしっ)とするだろうか。NO!これ以外に答えはない。自衛隊は軍隊ではないことは承知している。しかし、ここへきて自衛隊は軍隊になる可能性を膨張させている。考えすぎ?爺としては、孫たちをキナ臭い制服では包みたくないのである。