♪わたしがあなたに惚れたのは ちょうど十九の春でした いまさら離縁というならば もとの十九にしておくれ~
歌って聞かせられないのが残念だが、老若男女とわず口づさまれている流行り唄「十九の春」の出だしの歌詞である。
他府県から沖縄勤務で赴任した人たちは、離任の折り、この歌を覚えて沖縄を離れる。沖縄土産という思い入れがあるらしい。
「言葉、土産物=くとぅば なーじむん」。古諺にいう「言葉は最大の土産物である」にならって(沖縄民謡)として覚えて行くらしい。ところが歌詞は共通語、曲は歌謡曲調。「どこが沖縄民謡?」と、首をかしげる面もあるが、いまや、沖縄口よりも大和口を日常語としている沖縄では、何の抵抗もなく「沖縄民謡」の位置にある。
「十九の春は奄美大島生れ!」と主張してやまない方々も少なくないが、流行り唄は、誰それがどこで作ったとははっきりしているのもいいが、作者不明ということにも、流行り唄のよさがあると思われる。
ここに「世論小唄」の歌詞がある。メロディーは「十九の春」に類似している。かつての同僚でQAB・琉球朝日放送元社長・仲村一夫氏が、与論島に遊んだ折り、採集したもの。
{与論小唄}
♪与論与論と憧れて はるばる来ました与論島
子の葉みたいな島なれど 笑顔かわいや島娘
♪木の葉みたいな我が与論 何の楽しみないところ
好きなお方が居ればこそ こんな世論も好きとなる
♪こんな与論に住めばこそ めちゃくちゃ言われて腹が立つ
聞けばわたしのことばかり 思えば涙が先に立つ
♪思い込んだ方となら 石が砕けて灰になるも
灰が桜にかわるとも ふたりの約束変わりゃせぬ
♪三千世界を尋ねても 思うお方はただひとり
いまの楽しみするよりは 後の楽しみするがよい
♪百合ケ浜辺で見た娘 ハイビスカスの花かざし
つぶらな瞳に片えくぼ 色の黒さも気にならぬ
♪星の降る夜は浜に出て 与論小唄を教えられ
帰っちゃイヤよと 泣きつかれ ふた月三月は夢のうち
♪あなたあなたと焦がれても あなたにゃ立派な方がある
なんぼわたしが焦がれても 磯の浜辺の片思い
♪磯の浜辺は波静か ふたり手に手を取り合って
死んでもあなたの妻ですワ 哀れ十九の縁結び
♪親が許さぬ恋じゃとて あきらめられよか ネーあなた
いっそふたりは知らぬ国 離れ小島で暮らそうよ
♪離れ小島に住めばこそ 波の音聞きゃさびしいよ
沖の鴎よふるさとの 噂ぐらいは知らせてね
♪思えば去年のいまごろは 与論島の海岸で
ともに手を取り語りしが いまは別れて西東
♪明日は発つ発つ我が与論 いよいよ乗り出すクインコーラル
沖の白波横にみて さして行くのは鹿児島よ
♪出船悲しやドラが鳴る 泣いているよな今日の浜
恋の潮路を船は行く またの逢瀬を待つばかり
♪お前十八ボク十九 暗いところですることは
何をするかと聞かれても いくらボクでもチト言えぬ
♪好きも嫌いもあるけれど ひと夏過ごせば同じこと
縁がなければ結ばれず 恋の花咲く与論島
ひとりの人が綴ったわけではあるまい。誰それが即興で詠んだものを拾い集めたものだろう。
南大東島にも「大東島夜曲」と称する同系の歌詞がある。
♪波風荒き大東島 月に一度の通い船
便り待つ身のやるせなさ 明日も荒れるか西の海
♪離れ小島の磯椿 清き乙女の夢の花
ネムの並木に芭蕉葉に つのる涙の恋の文
♪周り三里の島なれど やしの葉蔭に照る月
三味のネジメに夜はふけて 遠く聞こゆる波の音
こうした流行り唄は時の流れに順応して、歌詞のフレーズが変化するのも特徴のひとつ。
蛇足ながら・・・・。
「十九の春」の♪主さん主さんと呼んだとて 主さんにぁ立派な方がある いくら主さんと呼んだとて 一生忘れぬ片思い~の箇所を風狂の歌者嘉手刈林昌は、こう替え唄している。
♪牛さん牛さんと呼んだとて 牛さんにぁ立派な馬がいる いくら牛さんと呼んだとて 一生添えない牛と馬~
歌って聞かせられないのが残念だが、老若男女とわず口づさまれている流行り唄「十九の春」の出だしの歌詞である。
他府県から沖縄勤務で赴任した人たちは、離任の折り、この歌を覚えて沖縄を離れる。沖縄土産という思い入れがあるらしい。
「言葉、土産物=くとぅば なーじむん」。古諺にいう「言葉は最大の土産物である」にならって(沖縄民謡)として覚えて行くらしい。ところが歌詞は共通語、曲は歌謡曲調。「どこが沖縄民謡?」と、首をかしげる面もあるが、いまや、沖縄口よりも大和口を日常語としている沖縄では、何の抵抗もなく「沖縄民謡」の位置にある。
「十九の春は奄美大島生れ!」と主張してやまない方々も少なくないが、流行り唄は、誰それがどこで作ったとははっきりしているのもいいが、作者不明ということにも、流行り唄のよさがあると思われる。
ここに「世論小唄」の歌詞がある。メロディーは「十九の春」に類似している。かつての同僚でQAB・琉球朝日放送元社長・仲村一夫氏が、与論島に遊んだ折り、採集したもの。
{与論小唄}
♪与論与論と憧れて はるばる来ました与論島
子の葉みたいな島なれど 笑顔かわいや島娘
♪木の葉みたいな我が与論 何の楽しみないところ
好きなお方が居ればこそ こんな世論も好きとなる
♪こんな与論に住めばこそ めちゃくちゃ言われて腹が立つ
聞けばわたしのことばかり 思えば涙が先に立つ
♪思い込んだ方となら 石が砕けて灰になるも
灰が桜にかわるとも ふたりの約束変わりゃせぬ
♪三千世界を尋ねても 思うお方はただひとり
いまの楽しみするよりは 後の楽しみするがよい
♪百合ケ浜辺で見た娘 ハイビスカスの花かざし
つぶらな瞳に片えくぼ 色の黒さも気にならぬ
♪星の降る夜は浜に出て 与論小唄を教えられ
帰っちゃイヤよと 泣きつかれ ふた月三月は夢のうち
♪あなたあなたと焦がれても あなたにゃ立派な方がある
なんぼわたしが焦がれても 磯の浜辺の片思い
♪磯の浜辺は波静か ふたり手に手を取り合って
死んでもあなたの妻ですワ 哀れ十九の縁結び
♪親が許さぬ恋じゃとて あきらめられよか ネーあなた
いっそふたりは知らぬ国 離れ小島で暮らそうよ
♪離れ小島に住めばこそ 波の音聞きゃさびしいよ
沖の鴎よふるさとの 噂ぐらいは知らせてね
♪思えば去年のいまごろは 与論島の海岸で
ともに手を取り語りしが いまは別れて西東
♪明日は発つ発つ我が与論 いよいよ乗り出すクインコーラル
沖の白波横にみて さして行くのは鹿児島よ
♪出船悲しやドラが鳴る 泣いているよな今日の浜
恋の潮路を船は行く またの逢瀬を待つばかり
♪お前十八ボク十九 暗いところですることは
何をするかと聞かれても いくらボクでもチト言えぬ
♪好きも嫌いもあるけれど ひと夏過ごせば同じこと
縁がなければ結ばれず 恋の花咲く与論島
ひとりの人が綴ったわけではあるまい。誰それが即興で詠んだものを拾い集めたものだろう。
南大東島にも「大東島夜曲」と称する同系の歌詞がある。
♪波風荒き大東島 月に一度の通い船
便り待つ身のやるせなさ 明日も荒れるか西の海
♪離れ小島の磯椿 清き乙女の夢の花
ネムの並木に芭蕉葉に つのる涙の恋の文
♪周り三里の島なれど やしの葉蔭に照る月
三味のネジメに夜はふけて 遠く聞こゆる波の音
こうした流行り唄は時の流れに順応して、歌詞のフレーズが変化するのも特徴のひとつ。
蛇足ながら・・・・。
「十九の春」の♪主さん主さんと呼んだとて 主さんにぁ立派な方がある いくら主さんと呼んだとて 一生忘れぬ片思い~の箇所を風狂の歌者嘉手刈林昌は、こう替え唄している。
♪牛さん牛さんと呼んだとて 牛さんにぁ立派な馬がいる いくら牛さんと呼んだとて 一生添えない牛と馬~