トシの読書日記

読書備忘録

激動の中国に生きた作家

2012-01-20 16:35:08 | ら行の作家
魯迅著 藤井省三訳「故郷/阿Q正伝」読了



たまには中国の名著と呼ばれるものをと思って、手に取った次第。


ずっと昔に「阿Q正伝」は読んだような記憶はあったんですが、内容はすっかり忘れておりました。


しかしどうなんですかねぇ、これ。そんなに文学的価値の高い作品とは自分には思えません。


この作品の中に、人から受けた屈辱を自分より弱い者に転嫁して自己満足するという「阿Q式精神的勝利法」というくだりがあるんですが、これは非常に虚しいと思うんですがね。あ、そのアイロニーを味わえということなのか。そうか、それなら納得できます。


また、解説で訳者の藤井氏が大江健三郎も村上春樹も魯迅を愛読していて、強い影響を受けているとし、その例をそれぞれの作品で引用しているんですが、ちょっとこじつけの感も否めません。


とまれ、この本の中には16編の作品が収められているんですが、リスペクトするものはありませんでした。残念です。




ネットで以下の本を注文する


田中小実昌「ポロポロ」
久世光彦「桃」
永井荷風「摘録 断腸亭日乗(上)」
永井荷風「摘録 断腸亭日乗(下)」



また、書店で以下の本を購入


井上荒野「不格好な朝の馬」
小池昌代「自虐布団」



今年から姉に借りた本も記録しておきます。


姉から以下の本を借りる


小澤征爾×村上春樹「小澤征爾さんと音楽について話をする」
E・Mフォースター著 吉田健一訳「ハワーズ・エンド」
丸谷才一「持ち重りする薔薇の花」
朝倉かすみ「好かれようとしない」
ドン・デリーロ著 上岡伸雄訳「ボディ・アーティスト」
リチャード・ブローディガン著 青木日出夫訳「愛のゆくえ」
小川内初枝「緊縛」
ミランダ・ジュライ著 岸本佐知子訳「いちばんここに似合う人」


新年早々、読みたいというか、読まなきゃって本が満載です!

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