安部公房「人間そっくり」読了
昭和41年に発表された、SF中篇。
これ、SFだったんですね。
《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、自称「火星人」と名のる男がやってくるところから話が始まる。で、そこからほとんど二人の会話に終始し、場面転換はほとんどなく、結末にいたるのだが、めっぽう面白かった。
お互いの立場が二転三転し、何が本物で何がにせものなのか、何が事実で何が妄想なのか、読み進むうちにそれが次第に曖昧になっていき、ついには人間とは何なのかという概念までもが曖昧になっていくといった感じで、めまいにも似た感覚を覚えた。
やっぱり昔の作家はすごいです。読ませますねぇ。
安部公房、他の本も読んでみます。
堀江敏幸「雪沼とその周辺」読了
この人は、現代の作家ですが、この人もすごいです。読ませます。
山あいにある、雪沼という静かな町で毎日の暮らしを営む人たちの模様を描いた連作短編集。
小さなボーリング場を経営していた男が、店をたたむ、その最後の夜の話(「スタンス・ドット」)をはじめとして、出てくる人々は、なんてことのない市井の人達なのだが、日々の仕事に向き合う姿、関わる人達を思いやる心のありようが胸をうつ。
「静謐」という言葉がよく似合う小説だと思いました。
堀江敏幸は、「熊の敷石」、「いつか王子駅で」と読んで、これが3冊めなのだが、一貫して流れている空気というか、色というか、いいんですねぇ。
この感覚は、ほかの作家でも味わったことがあるぞと思って、「雪沼とその周辺」を読みながら思い出していたのだが、読み終わるころにやっと思い出しました。
橋本治でした。友達にあげてしまったので判然としないんですが、「愛の矢車草」だったかな?トラックの運転手の男まさりの中年女性に恋する、中年の婦人の話なんですが、設定はともかく(笑)流れる空気は似てるんですね。こういう雰囲気、好きです。
堀江敏幸という作家は、僕の中ではベスト3に入りました(笑)
昭和41年に発表された、SF中篇。
これ、SFだったんですね。
《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、自称「火星人」と名のる男がやってくるところから話が始まる。で、そこからほとんど二人の会話に終始し、場面転換はほとんどなく、結末にいたるのだが、めっぽう面白かった。
お互いの立場が二転三転し、何が本物で何がにせものなのか、何が事実で何が妄想なのか、読み進むうちにそれが次第に曖昧になっていき、ついには人間とは何なのかという概念までもが曖昧になっていくといった感じで、めまいにも似た感覚を覚えた。
やっぱり昔の作家はすごいです。読ませますねぇ。
安部公房、他の本も読んでみます。
堀江敏幸「雪沼とその周辺」読了
この人は、現代の作家ですが、この人もすごいです。読ませます。
山あいにある、雪沼という静かな町で毎日の暮らしを営む人たちの模様を描いた連作短編集。
小さなボーリング場を経営していた男が、店をたたむ、その最後の夜の話(「スタンス・ドット」)をはじめとして、出てくる人々は、なんてことのない市井の人達なのだが、日々の仕事に向き合う姿、関わる人達を思いやる心のありようが胸をうつ。
「静謐」という言葉がよく似合う小説だと思いました。
堀江敏幸は、「熊の敷石」、「いつか王子駅で」と読んで、これが3冊めなのだが、一貫して流れている空気というか、色というか、いいんですねぇ。
この感覚は、ほかの作家でも味わったことがあるぞと思って、「雪沼とその周辺」を読みながら思い出していたのだが、読み終わるころにやっと思い出しました。
橋本治でした。友達にあげてしまったので判然としないんですが、「愛の矢車草」だったかな?トラックの運転手の男まさりの中年女性に恋する、中年の婦人の話なんですが、設定はともかく(笑)流れる空気は似てるんですね。こういう雰囲気、好きです。
堀江敏幸という作家は、僕の中ではベスト3に入りました(笑)