トシの読書日記

読書備忘録

ステントですってんころりん

2020-11-21 09:07:44 | Weblog



昨日、午後2時半頃から食道のステント挿入手術を行いました。その結果なんですが、なんと、ステントが入りませんでした。かなり細い針金のようなもので先導していって、ステントを装着するらしいんですが、食道の中が壊死した組織やらガン細胞やらでびっちり詰まっていて、その針金すら通らなかったとのことです。ちょっとショックでした。


じゃぁどうするかって話なんですが、先に気管のステントを入れようと、こんな話に決まりました。なので、来週水曜日に県庁の方の病院へ行って、木曜日に手術と、こんな段取りのようです。ちなみに県庁の方の病院とは、よく聞いてみたら名古屋医療センターというというところで、昔の国立名古屋病院なんだそうです(そんなこと言われてもちっともピンときませんが)。なんだかその前日の火曜日にまたどこか別の病院へ行って、新型コロナのPCR検査を受けるそうです。そんなわけで来週もなんだかあわただしいです。


入院生活というと、暇を持て余すイメージがあるんですが、これが不思議なことに意外と忙しい
んですね。まぁ昨日は午後から手術というのがあったんで、なおさらですが。家で新聞を読むのは自分しかいないんで、もったいないから昨日、かみさんが来るとき持ってきてもらったんですが、まったく読めませんでした。かといってテレビをつけるわけでもなし、本を読むでもなし、(あ、30分くらい読んだわ)、まぁ要するに時間の使い方が下手なんでしょうね。


今、太田和彦の「超・居酒屋入門」というのを読んでおりまして、これも本を処分する折り見つけて再読しているんですが、太田和彦、やっぱりこの爺さん、いいね~。ついこの間もたまたまテレビをつけたら出ていて、(BSのフジかTBSかそのへんです)日本酒といろんなおつまみを飲み、かつ食べながら紹介していく番組なんですが、これ、仕事じゃないですよね。好きな酒が飲めておいしいおつまみを食べて、しかもギャラがもらえる…。こんなことが許されていいんでしょうか!もうとにかくうらやましい限りです。



入院しました

2020-11-20 07:29:53 | Weblog


今週は18(水)が採血と新しい抗がん剤の点滴投与の2回目、19(木)がCT(胃カメラは、治験をやめたので必要なとき以外、やらないそうです)と2日連続のガンセンター通いだったんですが、火曜日の抗がん剤投与の最中、突然咳が止まらなくなり、これは抗がん剤のアレルギー反応ではないかということで、一旦投与を止めて様子を見ていたんですが、少しの間だけおさまったものの、数分するとまたぶり返してせき込むという状態で、これだけ咳が止まらないなら肺に問題があるかもしれないということで、これでは帰すわけにはいかないと言われて、急遽入院することになりました。夕方になると、咳も収まり、体の痛みもほとんどなく、久しぶりにぐっすり眠れもしたのですが。


翌朝、久々に気持ちよくめざめ、午前中にCTの予約があったのでそれをやって、まぁ11時から12時くらいには退院でしょうと、高を括って先生の指示を今か今かと待っていたところ、先生からまさかの退院ストップ指示。先生は日中は大変忙しそうで、夜7時くらいに今の状態の説明と今後の治療について説明しますとのこと。それをかみさんに伝えたところ、なんだか大ごとになってきてしまって、長男と次男もその場に席を連ねるということになりました。



今の症状としては、CTで見ると、がん細胞がついに食道の放射線でただれた薄い壁を食い破って、肺に穴を開けたそうです。昼間、やったレントゲンで見ると、気管も破れてしまっているとのこと。それで、胃から入れた経腸栄養液(エネーボ)が逆流して気管、肺に微量ながら入り込み、誤嚥性肺炎と同じ状態を引き起こしているということです。


これは放っておいたら大変なことになるということで、今日、急遽食道にステントを入れる手術をします。自分の患部はのどのすぐ奥、食道の入り口にあるので、ステントを入れると、上の金属の部分が口の中に一部飛び出すような恰好になって、それは、のどに始終指を突っ込まれているような感覚なので、少し前の先生の所見では、この患者はステントは無理、という判断だったんですが、もう今はそんなことは言ってられないということです。死を選ぶよりましではないか、ということですね。


そして、食道だけのステントでは心もとないということで、今日の手術が終わって落ち着いたら、来週中に気管のステントの手術もするそうです。これはこのガンセンターではできないということで、病院名は聞き忘れましたが、県庁の近くの大きな病院でやるそうです。気管なので、逆Y字のステントを挿入するとのことです。


そんなこんなでここ2日間で状況が目まぐるしく変化してもうついて行くのが大変です。自分がこの先、3年とか5年とか言ってる場合じゃないということだけは理解できました。。一番いいシナリオは、食道、気管のステント手術がどちらもうまくいって、栄養はステントが使えるまでは肩にポートとかいうものを埋め込んで、動脈から点滴をしながら回復を待ち、で、ステントから飲食ができるようになったらポートもはずし、胃瘻のペグもはずしと…。こうなったら万々歳ってなもんです。ここまで田近先生の説明を聞いて、「そうなる確率は何%くらいですか?」と聞こうと思ったんですが、何と答えるか、大体想像がつくので聞きませんでした。予想される答えは、こうです。「まぁもちろん個人差があるので一概には言えないんですが、うまくいく人もいるし、いかない人もいます。確率としてはもちろんずば抜けて高いわけではないんですが、そんなに低いということもないと思います。ま、全力を尽くしますので。」聞かなくても同じですね。


まぁなんだかんだ言っててもしょうがないので、頑張るしかないんですが、のどの奥にずっと指を突っ込まれながら生きていくのはちょっといやですね。今は、そうならないような今日の手術を望むだけです。こうやって目の前のものを一つ一つクリアしていくしかないんでしょうね。


頑張ります!







再入院します

2020-07-05 18:57:27 | Weblog



明日から再入院です。月曜日から4日間抗がん剤を点滴投与しながら月~金まで週5回放射線治療、それを2週やります。それで腫瘍がどの程度小さくなったかCTとか胃カメラで検査して、今後の治療方針を決めるとのことです。


オプジーボ(治験)という、今までの治療法とは違うものがあるんですが、まぁとにかくできることは何でもやってみようということで、この治験もやってみることにしました。なにしろ食道がんのステージ4というのは5年生存率が10%~20%らしいんで、やるだけのことはやってみようということです。


前回は2週間近く入院していたにもかかわらず、抗がん剤の副作用で2冊くらいしか本が読めな
かったんですが、今度もそうなのかちょっとわからないので、3冊ほど持っていってみようと思ってます。スティーブン・ミルハウザー「ナイフ投げ師」、堀江敏幸「雪沼とその周辺」、多和田葉子「容疑者の夜行列車」です。どれも既読本ですが、この機会にもう一度味わい直してみようと思っております。


また退院したら更新するつもりです。

治療のため入院します

2020-06-06 11:35:38 | Weblog



半月ほどかけて愛知がんセンターでいろいろ検査をした結果、病名は食道がん、ステージは4、他の部位への転移は認められないとのことでした。がんの進行がかなり進んでいるので、手術することはもう困難だそうです。しかし、あきらめるのはまだ早いと言われました。抗がん剤と放射線治療でがんを小さくすることは充分可能だそうですが、完治は難しいそうです。食道がんというのは俗に進行がんと言われていて、自覚症状があった時点ではすでにかなり進んでいるというのがだいたいのケースのようです。


思えば3月の初め頃、のどに違和感を感じ始めた時には、もうすでにかなりがんに冒されていたということなんでしょうね。その一ヶ月前、地元の市民病院で健康診断を受けたときに、すでにがんの萌芽はあったと思うんですが、そこは異常なしと診断されました。でも、その時がんが見つかったとしても今の状態を回避できたかというと、やっぱり大差ないんじゃないかと思うわけです。


一時は市民病院に対して医療ミスじゃないかと憤りを覚えもしたんですが、今となってはそこでがんが発見されたとしても同じかなという思いです。


明日の日曜日から入院します。月曜日から96時間連続の抗がん剤の点滴と、合わせて放射線治療のようです。7~10日くらいでそれを終えて、一度退院し、その後、月~金まで5日連続で放射線治療に通うというのを3周連続、計15回やって、また1週間入院。このパターンを3回だか4回繰り返すようです。まぁそれで半年くらい過ぎていきますね。それが終わったあと、治療の成果を見て、その後どんな治療をしていくのか検討するそうです。


17からこの飲食業界に飛び込んで、以来46年、ずっと同じ業界で働いてきました。昨日、、それを終えて帰ってきたわけですが、よもやこんな形で自分の仕事納めをするとは思いもよりませんでしたね。非常に不本意であります。まぁこんな病気を得てしまったんですからどうしようもないんですがね。


これからはこのブログは、読んだ本の感想に加えて、自分の近況なども綴っていこうかなと思っております。また退院したら(多分)投稿します。






人生なんてひまつぶし(?)

2020-05-19 17:46:17 | Weblog


先日、内科のクリニックから癌の可能性が高いと言われ、先週から愛知ガンセンターでいろいろ検査を受けているところです。まぁほぼ間違いなく食道がんと思われます。

しかし徹底的に調べるもんですねぇ。初日は血液からCT、気管の検査、昨日は胃カメラ、明日はPET検査、あさっては大腸の検査、そして来週にバリウムと、それでひと通りのようです。その結果が翌週(6月のあたまくらい)に出て、即入院、手術という流れになるのではないかと、勝手に推測しております。


ステージはどのあたりか、とか、他の部位の転移はどうなのか、等、まだ何もわかってないんですが、まぁなるようになるでしょう。


いま、池澤夏樹の「世界文学リミックス」という、本人が編んだ世界文学全集に収められた本の紹介といった体のものを読んでいるんですが、これが滅法面白いんですね。「キャッチャー・イン・・ザ・ライ・」とか、「武器よさらば」とか、クンデラの「存在の耐えられない軽さ」とか、池澤夏樹独特の視点で書かれた解説が、けっこう目からうろこです。まだこのあともエイモス・チェツォーラの「ヤシ酒飲み」とか、イタロ・カルヴィーノとか、ギュンター・グラスとかいろいろあって、めちゃ楽しみです。


池澤夏樹、いいですね。姉が推すだけあります。


では、また次に更新するときまでごきげんよう。


ネットで以下の本を購入 

小暮友紀子「タイガー理髪店心中」 朝日新聞出版

4月のまとめ

2020-04-29 00:44:37 | Weblog



今月読んだ本は以下の通り


牧野信一「父を売る子/心象風景」


と1冊に終わりました。なかなかつらい読書でした。今、自分の仕事、プライベート共になんだかバタバタしておりまして、読書も進まないし、ブログもなかなか更新できない状態です。


お店の方は、このコロナウイルスのおかげで、4月の売り上げは、今現在、前年の150%というところで、毎日が戦争状態です。また、そんな中、店に23才の女の子のフリーターがいるんですが、その子が5月いっぱいで辞めることになりました。この子が、ほんとに仕事がよくできる子で、お店のルーティーンは誰よりも早く正確にこなすのはもちろん、売り上げ増進の提言、また今ならコロナ対策の様々な提案、それから去年の消費税増税の際のパソコンの設定、新しいクレジットシステム導入の際、自分の携帯にアプリをダウンロードしてくれたり(自分はそんなことすらできません)とまぁ八面六臂の活躍をしてくれるその彼女がとうとういなくなってしまいます。かなりショックです。



それから、自分の話ですが、ちょっと前から咽喉(のど)に違和感がありまして、地元の市民病院で胃カメラで検査をしたところ、なんにもないと言われ、そんなはずないと思い、知り合いからとなりの町に腕のいい内科医がいるという話を聞き、先週その医院に行って話をして、今日、再度胃カメラで検査をした結果、のどの入り口に小さなびらんのような突起のようなものが見つかったそうです。これが何なのか、また詳しい病理解析が必要とのことで、5月12日にまた行ってその結果を聞きに行くわけですが、癌の可能性があると言われました。もう仕事でがっくりきているところへ、追い打ちをかけるようなこの自分の体のことで、かなりまいってます。


なんだか今年に入って、いろいろな事があって、もう大変です。こういうのを厄年とか言うんですかね。そういうの、全く知りませんが。ちなみに63才です。


4月 買った本 0冊
  借りた本0冊

3月のまとめ

2020-04-07 15:22:06 | Weblog

3月に読んだ本は以下の通り


高山羽根子「オブジェクタム」
アンナ・カヴァン著 佐田千織訳「あなたは誰?」


以上の2冊でした。相変わらずのペースですが、カヴァン、よかったですねぇ。高山羽根子の作品集も、ちょっと自分には合わなかったものの、素晴らしい才能を感じました。


ネットで以下の本を購入

千葉雅也「デッドライン」新潮社


3月 買った本1冊
  借りた本0冊

2月のまとめ

2020-03-03 17:21:11 | Weblog



2月に読んだ本は以下の通り  


松家仁之「光の犬」
高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」


以上の2冊でした。どちらも味わい深い小説でした。方向性は全く違う2冊でしたが。これ、どちらも小説なんだなぁと思うと、なんだか感慨深いものがあります。文学とは奥が深いものです。


新型コロナウイルスに関連して、全国の小中高校が休校になったことを受けて、我々の業種(宅配ピザ)も少しは忙しくなるのかと思っていたら、初日の昨日は全くそんな気配もなく、むしろいつもの平日より暇なくらいでした。まぁ、こんな事態で忙しくなるのだとしたら、少し複雑な気持ちですが・・・。


2月 買った本1冊
  借りた本1冊
 

1月のまとめ

2020-02-04 16:19:35 | Weblog

1月に読んだ本は以下の通り


 岸本佐知子編「変愛小説集」



と、たったの一冊でありました。半年ほど前に、ユーチューブで山本太郎の演説の動画を見て感動してから、ずっとれいわ新撰組を応援しているんですが、それに関連して日本の経済の話とか、そんなのばっかり見るようになってしまって、読書に時間が割けなくなってしまったというのが今の私の現状であります。しかし、そうやっていろいろ見ていくと、今の安倍内閣はもう滅茶苦茶ですね。大企業と経団連に忖度した政策ばかりで、庶民の方を全く見ていない。山本太郎のおかげで政治に興味を持つようになりました。れいわ新撰組が政権を獲る日を心待ちにしております。


1月 買った本3冊
  借りた本0冊

2019年を振り返って

2020-01-21 17:39:40 | Weblog
さて、毎年恒例のランキングをやってみます。2019年に読んだ本から、これはいい!と思った順に並べてみました。


① 中村好文編「伊丹十三選集 好きと嫌い」
② ルシア・ベルリン著 岸本佐知子訳「掃除婦のための手引書」
③ リチャード・ブローディガン著 藤本和子訳「アメリカの鱒釣り」
④ 松家仁之編「伊丹十三選集 日本人よ!」
⑤ スティーブン・ミルハウザー著 柴田元幸訳「私たち異者は」
⑥ 池内万平編「伊丹十三選集 日々是十三」
⑦ リチャード・ブローディガン著 藤本和子訳「西瓜糖の日々」
⑧ 谷口ジロー「描くよろこび」
⑨ 大江健三郎「見るまえに跳べ」
⑩ 橋本治「黄金夜会」
⑪ 中島義道「死の練習」
⑫ 山尾悠子「歪み真珠」
⑬ 多和田葉子「地球にちりばめられて」
⑭ ミランダ・ジュライ著 岸本佐知子訳「最初の悪い男」
⑮ 多和田葉子「献灯使」


とまぁこんな具合です。おととしの秋頃から冬にかけて村上春樹をずっと再読していたのですが、それはランキングから省きました。


やっぱり伊丹十三ですね。このダンディズムといいますか、生きていくセンスといいますか、やはりあこがれます。かっこいいです。それからブローディガン。この作家は、何かの記事で「アメリカの鱒釣り」がすごい作品だというのを読んで、とりあえず買ってはみたものの手をつけず、それを姉に貸したら姉がハマってしまって、「早く読め」とせっつかれ、「じゃぁ読んでみっか」くらいの軽い気持ちで読んでみたら、まぁとんでもないことになりました。この読前、読後の今まで経験したことのないくらいの大きなギャップがすごかったです。


それと翻訳家の岸本佐知子かほれ込んだという触れ込みのルシア・ベルリン。この作家もよかったですね。なんでもない日常を淡々と書き綴っているんですが、読んでいてとにかくせつなくなる作品ばかりでした。そしてこの比類ない言葉の切れ味の鋭さ。


ほかにもミルハウザーの、今までの作品からより進化したものを見られたことも僥倖でしたし、 何年か前に集中して読んだ大江健三郎の中で、読み落としていた「見るまえに跳べ」を読めたことも幸いでした。


全体に冊数は少なかったんですが、村上春樹の再読も含め、例年になく中身の濃い読書ができたのでは、と思っております。


2019年 読んだ本 34冊(前年比83%)
     買った本 23冊(前年比82%)
     借りた本 35冊(前年比85%)




割合は年々下がる一方です。まぁ中身が充実していればいいんじゃないですかね。



ネットで以下の本を購入


ジョゼ・ルイスペイショット著 木下眞穂訳「カルヴェイアスの犬」新潮クレストブック
高山羽根子「オブジェクタム」朝日新聞出版社
高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」講談社文芸文庫