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貨車の記号

2012-12-30 00:30:00 | 貨車
貨車の記号


親ブログで既に紹介済みですが、資料として残すためにこちらにも貨車の記号について記しておきたいと思います。若干手を加えてあります。


貨車の記号は、用途と積載荷重の2文字の組み合わせで出来ています。
ただし、積載荷重が13t以下の場合は2ケタ目が省略されるため、1文字になるケースもあります。


第1ケタ

ワ・・・有蓋車(ワゴンの意)
ツ・・・通風車(そのまま)
テ・・・鉄製有蓋車(テツの意)
ス・・・鉄側有蓋車(スチールの意)
カ・・・家畜車(そのまま)
ウ・・・豚積車(ウシの意。家畜車と記号を差し替える予定だったとか?実施されずにそのまま。)
パ・・・家禽車(Poultry(パルトリー)の意)
ナ・・・活魚車(サカナの意)
レ・・・冷蔵車(そのまま)
ポ・・・陶器車(Pottery(ポッタリー)の意)

ト・・・無蓋車(トロッコの意)
チ・・・長物車 材木(timberの意) ※チョウブツの意の説もあるようです。
シ・・・大物車(ジュウリョウの意)
コ・・・コンテナ車(そのまま)

タ・・・タンク車(そのまま)
ミ・・・水運車(ミズの意)

ホ・・・ホッパー車(そのまま)
セ・・・石炭車(そのまま)

ヨ・・・車掌車(シャショウ)
ヒ・・・控車(そのまま)
ソ・・・操重車(そのまま)
リ・・・土運車(ジャリ)
ヤ・・・事業用車(ヤクショヨウ)
ケ・・・検重車(そのまま)
キ・・・雪掻車(ユキの意)

等々。本来は記号に濁音、半濁音は付けませんが、何故か「ポ」「パ」だけは半濁音が付いています。私も現役時代にポムの実車には何度か乗ったことがあります。
土運車、家禽車、豚積車なんていうのは実物を見たこともありません。



第2ケタ

ム・ラ・サ・キ 積載荷重の表示。

表記無し → 13t以下(記号なし)
ム    → 14t~16t
ラ    → 17t~19t
サ    → 20t~24t
キ    → 25t以上


通常はこれらの記号2桁のカタカナ表示となります。
積載荷重13t以下は重さの表示をしないので、用途記号だけの表示となり、ワ12000、チ1など、高度成長期以前に製造された貨車などに比較的多く見られました。今ではチ1000くらいでしょうかね。


貨車の用途の車輌に緩急設備(車掌弁=非常ブレーキ)を取り付けたものには、最後に「フ」を付けて標記する。(フ=ブレーキの意)

例:ワムフ100、コキフ50000、レムフ10000、ワフ29500など


次に特殊標記符号について。

「オ」とか「コ」とかの小さく書いた記号を見たことがあると思います。

これは、貨車及び列車の「延長換算」を表わす表記です。
列車の始終着の発着線や待避線の長さと言うのは、駅によってまちまちですね。これをメートル単位で表わすのはそんなに問題ないと思いますが、貨車は形式ごとに長さが違いますし、場合によっては、同じ形式の車輌でも微妙に仕上がりは違っていますので、これらを厳密に計算して組成するのは至難の業です。

これを「延長換算」という方法により、大雑把に長さを指定するわけです。

私が覚えている範囲で記しますと、

通常の貨車「1車」を約8mとします。

ワ・ワム・ワラ・レ・レム・ト・トム・タム・ワフ・ヨなど → 1車

トラ → 1.2車

ホキ → 1.5車

ワキ・トキ・チキ・ワムフ・ワサフ・レサなど → 2車

コキ・コキフ → 2.5車

ク・客車・電車等 → 3車

全部は網羅できませんが、大体こんな感じになると思います。


しかし、車輌によって、単純にはこの規格にならない場合が発生します。特に私有貨車の多いタンク車は規格がまちまちですね。
このバラツキをカバーするために使われるのが「」とか「」となる訳です。

例えば・・・

タキ→1.5車、タキ→2車、タキ→2.5車
※タサも同じ。

ホキ→1.5車、ホキ→2車

トラ→1車
などが一般的に使われていました。

さらに、ワム80000は、パレット積載用に車輌が長くなってしまった関係で、「トラ」と同様に1.2車の延長換算となりました。これを区別するため

「ハ」を冠して「ハワム」(パレットの半濁音を省略したものの意)

という記号が出来ています。


さらに、他の貨車とまったく同じような基準で表記するトキですが、これのみは「延長換算」ではなく「重量換算」での区別に使用される記号で、積載荷重が36tの貨車(つまりトキ25000)を指します。


まあ、今の世の中コンテナ車ばかりが闊歩しており、このような知識があっても何の役にも立たなくなってしまいましたね。


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