正直、あまり期待していなかった。3年生がごそっと抜けて、2年生は半数近い6人。このうち二人は演出に回るから舞台に立てるのは4人、こりゃ厳しいぞ。さらに、演出の選んだキャストは1年生中心。おいおい!声まるで聞こえないし、視線落ちっぱなしだし、せりふ棒読みだし、動き突っ立ったままだし、・・・・・今年の1年はおとなしいこと極めつけ。毎日のように、返事!とか、声出せ!とか怒鳴られない日は無いって奴らなんだ。そりゃ冒険だろう、いくら校内公演たって、お客さんいるんだから。
ところがね、終わってみれば、うーんなかなかいじゃないの。笑いふんだんだし、ぐっとくるとこもしっかりできてる。見終わった1年生なんか、「なんか涙止まらない!」なんていいながら帰っていったから。2本とも見てくれた校長も事務長もY先生も大笑いしながらみていた。
成功の原因は何か?なんてまたまた分析しちまうわけなんだが、『桜井家の掟』について言えば、これはキャスティングの成功ってことだろうな。一人一人の個性が見事!役にはまっていた。上手いか下手かってことならほとんどが下手だ。でも、合ってるんだよなぁ、四姉妹もその他の役も。役者一人一人の持ち味を最大限生かしていた。だから、下手でも笑える。下手でも泣ける。そんな舞台になったと思う。これは演出の勝利だね。おっと、下手下手ってけなしてるけど、1年生も飛躍的に上達してた。まず芝居になってたもの。まっ、僕がここまで言うんだから、ちょっとは自信持っていい。
『ボクサー』の方は、演出の執念勝ちってところかな。まず不運続きだったから。本番一週間前に、役者一人が退部!ぐぁーん!も一人が体調不良で降板!!ぐぁーんぐぁーん!!そして、三日前には準主役の一人が自信喪失ダウン寸前「役降ろしてください!!」だもの。僕もいろいろ逆境乗り越えてきたけど、ここまでの絶対絶命はなかったよな。しかも平台8台作ってボクシングのリングだろ。もう装置作りだけだって手一杯だった。そこをしのぎにしのいで、ここまでまとめ上げたんだから、粘り腰としかいいようがない。公演終了後、号泣していたのもわかるよ!わかる!!
そして、どちらにも言える成功の要因。それは高校演劇の優秀作品を選んだってことだろうな。よい作品はやはり強い。高校生が演りやすいし、高校生が見て感動する。高校演劇侮り難し!!
ということで、確実にレベルアップを感じさせた校内公演だった。だから、終わった後の感激もひときわのものだった。1時間近くも興奮冷めやらず騒ぎまくっていた。3年生なんか、またやりたい!って妬ましげに叫んでいたっけ。そして僕も、高校生だから作れるこんな舞台にちょい妬けの公演だった。
しあさって(土曜日)東京の九段会館公演見に行きますので、よろしくお願いします[E:happy01]
DVDも忘れずお願いします[E:happy01]
DVDはすでに荷物に入れたから大丈夫。
楽しみにしていてください。