ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

作った装置も稽古は1度!『ニャン婆と時之助』

2017-09-19 09:08:28 | 菜の花座

 仮の舞台作って稽古、ってわけにいかないのが、アマチュア劇団の辛さ、悲しさ。平面舞台でちょちょっとパネル並べるってだけなら、まぁ、椅子とか机とかで道具類代用して済ますこともできるんだが、1.5メートル上がりの階段とか、その上に祠とちょっとした広場となると、これを稽古時常時準備するなんて絶対、無理!稽古場ったって借り切りのもんじゃない、公民館なんかをさすらいながらやってるわけだから。

 階段そのものは、何事も手早く準備がモットーの装置・道具屋さんがすでに立派なものを作ってくれているんだが、なんせ、でか過ぎ高過ぎで、持ち運ぶのは一苦労、設置だってままならず、結局その階段を実際に使って稽古したのはたったの1日。なのに、そこを上がったり下がったりの演技がやたら多い演出、これって、役者泣かせだよな。でも、舞台空間を立体的に使いたいからねぇ、1.5メートルの台上に上がると威圧感あるぞぉぉぉ!黒猫が艶めかしく踊りながら降りて来る、なんて、ぞくぞくっと、するね。観客へのインパクトは相当なものだ。たった1間足らず、これが高い崖の上のようにも見えるんだから。

 舞台後方の台から、下に降りてくるにはも一つ、下手にスロープも作ってもらってる。これまた、使用頻度の高い装置なんだが、稽古場持ち込みはたったの一度!見て、触って、歩いて、走って、頭にイメージ刷り込んでもらうしかない。

 こうやって、少ない実物稽古で舞台の構造を頭に刻み込んで、あとは、平面舞台で、ここは階段を上がる動き、とか、階段の3段目に座ってセリフとか、スロープから広場に降りて来る、とか、スロープを駆け上がるとか、すべてやったつもり、してるつもりのつもり稽古を重ねていく。実際に舞台を組んでその上を自由に動き回って稽古できるのは、本番前日のリハーサルと当日、午前、午後の2回のゲネプロだけってことになりそうだ。

 たったこれだけの舞台稽古で、本番をやり遂げる役者・スタッフたち、アマチュアの方がよっぽど凄えぇぇぇ!んじゃないだろうか。

コメント
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