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ステージおきたま

無農薬百姓33年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

靴とカバンのリサイクルだって!

2017-07-26 12:43:03 | 地域文化

 服もそうだけど、履かなくなった靴、たまってんだよねぇ。リサイクルショップで買い取ってもらえるようなブランド品しゃなく、かと言って、さっさと可燃ごみに出すてのも、気が引ける、そんな靴、下駄箱裏の保存空間にかなりの数、積みあがってる。

 いずれ処分だな、って思いつつも踏ん切りがつかなかったこいつら。一足一足、思い出あるからなぁ。見ていると、過去の自分の暮らしぶりがくっきりと浮かび上がって来る。若かりし日の山歩きの思い出、スーツ姿で通した勤務時代、似合わぬ洒落っ気を出した惑いの季節、靴には時々の自分が宿っている。

 できれば、燃やすのでなく、活用してくれたら、なんて虫のいい考えだよなと、身勝手な願いを諫めていたら、出で来た。靴とカバンの引き取りリサイクル!町の環境課が音頭取りして始めるんだって。それはいい!そりゃ助かる!

 3週間も前から、Xデーに向けて、古靴のおめかしを続けて来た。神さんは、母親の分も東京から運んで来る入れ込みようで、段ボール2箱、20足ほど。こっちは、つい先日、お別れをした初代ランニングシューズ、ミズノウェイブライダーも含めて7足、思ったよりは少なかった。

 履き古したってわけじゃないが、こんな型遅れの品々、本当に引き取ってくれんのかい?半信半疑、ものは試しと会場に持ち込んでみた。

 担当者らしき人に、恐る恐る聞いてみると、引き取りますが、時間は6時からです、ええーっ?!我が家のカレンダーにゃ、忘れてならじと、15時~19時と書き込んであったゾ。一瞬、そんな!間違いじゃ?っと不平が口に出かかったが、こっちの見間違い以外にあり得ぬ行き違い、ぐっと飲み込んだ。多いんだよな、こんな思い違いが。年取った証拠。

 自覚あるから、素直に、そんじゃもう一度出直して、と言いかけたら、いいですよ、今お持ちなんでしょ、引き取ります!っておおー、見事なさばけ方じゃござんせんか!こういう融通の利く対応、好きだなぁ。今じゃ、規則、きまりでギスギスしてるけど、昔は、こんななあなあが世間を風通し良くしてたもんなんだ。とは言っても、そんなルーズさが、森友とか加計なんかのお友達めんごめんごにつながったりしたわけだから、律義さ几帳面さってもんも大切にゃ違いないんだけどね。

 ご厚意に甘えて、段ボール箱3つ、受付テーブルに持ち込んで、1足ずっつチェック。うわーっ、なんか試験受けてる緊張感!靴底の減り具合、形の崩れ、紐のあるなし、そんなところがチェックポイントらしかったようで、すべて合格!やったぁ!って喜ぶほどのことじゃないんだが、なんか、息子の入試結果発表みたいな高揚感だった。

 どんな人たちが履いてくれるのか、聞いてみたが、今年初めてルートができまして、・・・と引き取り先のその先の流れについては詳しくはないご様子。多分、開発途上国とかの人たちに送られるのか、とか思ってみたが、今や日本だって、貧困大国、正規社員のOLでさえ、ユニクロに手が出ないって話しも聞こえて来るし、困窮者にはあんなお古でも重宝してくれる人もいるのかもしれない、とも思い直した。

 どんな国のどんな人が履いてくれるにしても、ありがたいことだなぁ。なんか、申し訳なくて、できればおまけとか付けたい気持ちになる。中でも、4月の霞ヶ浦マラソンまで履き通したミズノウェイブライダー、テレビで見たアフリカの裸足のランナーたちとか、サッカー少年とかが使い尽してくれたら、これはもう、感激だな。でも、踵の減り方が偏ってるから、走り方に癖が付くと申し訳ないなぁ、なんて、思いつつ、まだ使えるものを不用品として出す僕らの暮らしは、やっぱ、どこか間違ってんだろう。

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まさかの山登り!

2017-07-16 13:18:49 | 地域文化

 集落総会の資料見たら、公民館主事の欄に名前が載ってて、1週間前に地域の公民館連絡会議から知らせ来て、中ノ沢山の登山道整備に出ろって!?おうおう、どんどん引きずり回されるぜ。

 中ノ沢てのは福島県側に抜ける古くからの峠道で、以前は、ここを開削して福島飯坂に直結する道路を作りたいてのがこの地域の悲願だった。その建設促進のデモンストレーションを兼ねて、毎年地区民上げての登山が行われてきたんだが、北に七ケ宿越えの道路が整備され、南は栗子峠を貫通する国道13号、さらには高速道路も完成間近とあっては、更なる山越え道路の可能性は完全に消え、今じゃ、そんな旗印を掲げる人も団体も存在しない。

 中ノ沢登山?まだ続いてたんか?聞けば地域の子どもクラブの行事として年に1度登っているんだそうだ。そのための山道整備、うーん、なんか気乗りしねえなぁ。小学校上げての行事て言うならわかるけど。まぁ、地域の仕事だから手伝いはするにゃするけど、・・・

 日曜の朝、8時草刈り機持参で集合。トラックに乗り合わせて林道を突き当りまで走って、いよいよ作業開始。そこから林道を下に草刈りしていく年寄りクループと山道の草刈り整備を担当する若手?に分かれる。二本松東和ロードレースでもらったショッキングレッドの地獄坂Tシャツなんか着て行ったお陰で、若手班に編入された。間違いなく、最高齢。

 草刈り機を唸らせつつ、細い登山道を一列になって登って行く。なんだ?どうすんだ?先頭ばっかり刈り払って、後に続く人間はすることないぞ?戸惑いつつくっ付いていく。そうか、周囲を刈って道を広げりゃいいのか、ようやく要領が掴めて、付かず離れず道の周囲の草を刈りつつ登って行く。

 草に覆われ大変だった沢沿いを離れて杉の植林帯、ここまで上がると道は険しくなるものの、覆いかぶされる草はぐっと少なくなった。小休止の後、先発4人は機械を回すことなくずんずん登って、後続と距離を取り、そこからやおら草刈り開始。なるほどこれなら効率的だわい。

 いつしかブナの原生林に入って、道はさらに急登になる。草を刈って道を広げる必要はあまりない。枯れ枝とかどかしつつ、登山道の安全確認作業が主体になる。なんか、楽しくなってきた。これ、トレイルランのトレーニングじゃないか。うん、そうか、身近にこんな山深くまでたどれる道があるって、けっこう素晴らしいことかもしれんなぁ。

 ほれほれ、このブナの大木なんってどんだけ長生きしてきてることか!雪の重さを押しのけて成長してきたせいか、ごっつく塊を抱えた木もある。樹林の下を覆い包む灌木や草。この圧倒的な命たち!ああ、これを子供たちに見せて匂いをかいで、体全体で感じ取らせる、ぜったいに必要な経験だと思うな。そうか、そんな思いに取りつかれて、これまで何代にもわたってこの草刈り仕事が受け継がれて来たんだろう。いやぁ、気乗りしねぇなんて言って悪かった。

 それともう一つ。歴史の重みだ。奥羽山脈を超えるこの峠道、高畠から飯坂へ、飯坂から高畠に、たくさんの村人たちが越えて行ったことだろう。商売の荷を担ぎ、時に仕事を求め、時に家族ともども、時に孤独に、時に追われるように、いろんな思いを背負いつつこの道を急いだことだろう。今、休憩を取ったこの水場で、かつての旅人たちもしばしの憩いの時を過ごしたに違いない。そんな昔の暮らしと先祖たちがいて、今、君たち子どもたちがこの地で暮らしているなんてことも話して聞かせたいもんだなぁ。

 最後の急登は、何故か先頭に立っていた。胸突き八丁、喘ぐように登る。機械は回している。たまに草を刈ることもあるが、内心、熊が出て来た時の強力な武器!って意識もある。樹林帯を突き抜けて、ハイマツではないが、灌木の茂みを抜けると頂上だ。小さな標識。その向こうに和田の田園、さらにその向こうには置賜の広々とした水田が開けている。この解放された景色、解き放たれた視界、峠は間違いなく精神の屈折点だ。真壁仁さんの詩が浮かんでくる。

 しばし一服の後、下山。草刈り機械を肩から下げているので、走るように軽やかにとはいかなかったが、ひたすら下って、登り2時間の道のりを30分で下り切った。ああ、これはくせになりそう!来年もきっと参加してることだろうな。弁当だってもらっちまったことだしなぁ。

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ジジイが支える集落自治

2017-03-21 09:06:52 | 地域文化

 年に1度の集落総会、そりゃ行かにゃな。正月元旦の顔合わせも、さいと焼きも無くなって、集落中が集まる機会って言ったら、この総会と秋の地区運動会くらいだもの。運動会の方は、苦手なので役員になった時だけのご協力。となると、1年通してほぼ疎遠な皆さんだ。総会くらいはね、てことで、お隣の公民館に出かけた。

 総会資料見て驚いた。公民館主事に名前が上がってる!えっ、知らねえぞ、聞いてねえぞ、そんなこと。ちょっくらいちゃもん付けようかと思ったが、若いもんいないからねぇ、仕方ねえな、と唯々諾々。以前は、主事から副区長、区長と出世街道を上り詰めて、お役御免。その後はご隠居様ってことで、隣組長だけ引き受けていりゃぁ良かったんだが、なんせ、集落の1/3が高齢者のみの世帯、さらに、女性だけの家とかも少なかないから、二回り目のお勤めもやむを得ないことなんだ。やれやれこれから数年間、集落役員だ。ジジイが支える集落役員、平均年齢は70歳を超えるゾ。

 毎年、なんかかんか、もめる総会、今年もすったもんだがあった。昨年から統合されて町内1校になった中学校、生徒の通学は送迎バスで行っている。その乗車場所の問題だ。広く生徒を拾ってくる関係で、どうしても交通量の多い幹線道路沿いということになっている。夏場はともかく、冬ともなれば、除雪車が雪を押っ付けて行って生徒たちは居場所を奪われ、道路上で待機することになってしまう。これ、当然危険だ。で、区長からの提案は、集落役員と子ども育成会で連携して話し合い、町や学校にその都度除雪を要請していってはどうか、というもの。

 いろいろ意見が出るもんなんだよ。他集落との兼ね合いとか、育成会は小学生中心だとか、果ては将来の中学生数の予測まで。都会もんから見りゃ、そいつは学校と教育委員会の仕事、学校から町に要請して、乗車場所の除雪をしっかり組み込んでもらえば済むことだ、って思うわけだ。でも、ここの人たちは違う。子供たちの安全確保は地域みんなの仕事だって見なしてる。家に通学生徒がいるいない、関係ない。ここの子どもはみんなの子ども。だから、意見百出。だから、もめる。

 結論は、役員会として目配りをしていく、ということになった。なんでもかでも行政の役目、と押し付ける都市住民とは、根本的に発想が違うってことなんだ。自治会の加入やPTAの参加の自由が問題になっている都会とは、別の思いが人々を動かしている。地域はみんなで支える。地域の子どもはみんなの子ども。これがあるから、小さな町の乏しい財源でもやっていけるってことなんだ。

 支えるのがほぼジイサンのみ、てのは引っ掛かるが、まだまだ子供たちの声が聞こえるから、ここは一つ、責任果たして行こうかね。

 

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近頃は、男もすなる菓子講習会

2017-03-18 14:08:37 | 地域文化

 気、使うんだぁぁ、ごはんワッフルの講習会。なにがって、忘れ物。必要な材料、きっちりそろえて、持ち込みの器具類もチェックして、前日にごはんのタイマーセットして、すべて8人分、間違いないか?

 一つでも忘れりゃ、ごはんワッフルできないからねぇ、一つ一つ指さし確認だ。よしっ、冷蔵庫に保管してあった牛乳を段ボール箱に入れて、大丈夫?大丈夫!で、会場のゆうきの里さんさんの加工実習室に着いて、気が付いた。なんとぉぉぉ!せっかく炊いたごはん忘れてきたぁぁ!ごはんワッフルでごはん忘れるって、ありえねぇぇぇぇ!幸い、近いので慌てて取りにもどって、滑り込みセーフ。

 去年に引き続き、ごはんワッフル。同じことやったんじゃ申し訳ないから、ちょいと一工夫。粒あん入りとバナナ入りの応用編2本を用意した。引き続きで参加って人も数人いたので、メニュー変えて良かった。

 参加者8名、当然すべて女性だろうって思って臨んだら、なんと2人も男性が混じっていた。ほえーっ!菓子作り講習会にも男性が参加するようになったのか!都会じゃないよ、この高畠でだ。こりゃ驚きだぜ。一人は町内の豆腐屋さんの息子、も一人は東京でラーメン屋やってたっておじさん。ふむふむ、やっぱり食べ物に興味津々の男たちなんだ、なるほどな。

 8人を二つの班に分けて、作業開始。男だからって臆するところまるでなし。かと言って、過度にしゃしゃり出ることもなく、自然と融け込み、卵の泡立てなど力技の部分を引き受けて、女ばかりよりも和やかにスムーズに仕事が進んている。うん、そうなんだ、やっぱり世の中、男も女もどちらも力出し合って上手くいくってことなんだ。この流れ、どんどん進んで、料理教室とか、お茶会とか、ダンスとかも男女一緒に楽しむようになるといいなぁ。って言うか、きっとそうなる。

 講習品目の方は、生地がちょい柔く心配したが、どちらの新製品も上手に焼きあがった。1班一つのワッフルメーカーしかないため、一度に焼ける量はたったの2個!生地を絞り入れ、片面90秒、裏返してさらに90秒。これを生地1種類につき10数回繰り返す。単調な待ち時間を救ったのは参加者のおしゃべり。横浜から移住してきた人の田舎暮らし報告とか、地元はえぬきの婦人のお茶の間地域情報など和気あいあいと交換しながら、時を過ごした。もちろん、ラーメン話しや豆腐談義なども面白く、3時間を超える講習も退屈せずに終了することができた。

 焼き時間は取られたが、その分一人10個くらいのお土産もでき、喜んで帰ってもらえたしなぁ、面倒でも引き受けて良かった。来年も、ぜひ、ぜひ!って頼まれたけど、もう、ネタ切れだもんなぁ。

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やまがた住みます芸人の落語会に行ってきた。

2017-02-07 10:20:43 | 地域文化

 吉本が進めてる地域住みます芸人、ユニークだよなぁ。さすがのアイディアだ。押せ押せの芸人志願者に活動の場を与え、まっ、自分で作るんだが、芸を磨かせると同時に、地方に笑いの種を播いて行く。それも、吉本のお墨付きを巧みに利用しつつね。

 昔は歌舞伎とか義太夫語りとか、盛んに田舎を回って、その地のお大尽に気に入られれば長逗留なんてこともざらにあって、それが地方の文化レベル向上に大きな役割を果たしていた。芸人とは言えないけど、松尾芭蕉なんかの俳諧師もその手で暮らし立ててたわけで、「奥の細道」なんて、地方の文化パトロンのお陰でなった大成果って言えるだろう。

 山形の住みます芸人は、落語家の笑福亭笑助さん。大阪出身だが、縁あってかどうか、山形で口先一丁で暮らしを立てつつ芸の道に精進している。40歳過ぎて、独り身貫き?雪深き山形の地にへばりついて、いつか錦を!の思いで頑張っている。「やまがた35市町村 落語めぐり」って企画を立てて、川西にもやってきた。

 ホール入って、おっ!驚いた。見たことあるぞ、この定式幕。

 そりゃそうだ。つい先月菜の花座公演『流れ旅 匂うが紅』に使ったものだもの。そう、菜の花座が置農演劇部の力借りて作った。そうか、そうか。落語会にゃ持ってこいだよな。ホールがいっぺんに寄席らしくなった。振り返れば、後部座席を仕切る横断幕も置農演劇部が作ったもの。菜の花座、置農演劇部、貢献してるね。こうやってどんどん使ってくれるととても嬉しい。

 さて、出し物は古典落語2題。プログラムなかったんで、タイトルは忘れた。印象に残った2題目は、父親と子どもがお祭りの出店に出かけるって話しだった。初めて聞く話し、身勝手な父親とこましゃくれた子どものやり取りが楽しい。父親が子供にねだられてみたらし団子を買う場面。タレだけ舐めて、もう一度壺に串団子を突っ込むなんて、そうか、昔はそんな風に売ってたのか、などとなかなか面白かった。凧を買ったはいいが、父親の方が凧上げに夢中になるなんて光景も、うんありそう、ありそう、とほほ笑みつつ聞いた。父親とか子供の語り口は悪くないと思ったが、女房とか店やの主なんかの表現はもう一工夫が必要かな?なんて知ったふうな口聞いちまった。

 一番残念だったのは、話しのまくら、だな。父親と息子の話しってことで、自分の父親とのエピソードを語ったのだが、これが、真っ正直過ぎて、暗い!笑いの入り口にゃとても似合わぬ代物だった。まくら、あるいはつかみ、これは表現ものじゃとても大切。ここで笑いをとったり、ほほーっと話しに引き込んで、いざ本題へ、と行きたいね。あのひねりの足りないまくら聞いたら、ああ、この人の新作落語ってたいしたことないよな、って思ってしまう。残念。

 場合によっちゃ菜の花座のコント大会にゲスト・講師に呼びたいと思っていたんだが、ちょっとこのまくらじゃなぁ、悲観的になったが、芸人育てるのも地域の文化力。来てもらって、新しい分野、コントで苦労してもらうのもいいかもしれない。

 この落語会だって、町芸術文化協会が主催したわけだし。せっかく「住みます」で居着いてくれたんだ、ここから大きく羽ばたいてもらいたいじゃないか。おっと、こうやって身近にファンを作って応援させる、吉本の手にうまうまと乗っけられそうだよ。

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