泡 盛 日 記

演劇人(役者・演出家)丹下一の日記です。

ベケットと少年王者館

2013-02-16 12:30:29 | 丹下一の泡盛日記
ランチ


昨日(金曜日)、両国のシアターX(カイ)でアイルランドの劇団Mouth on Fireがベケットの作品4本を上演するのに立ち会った。
ベケット自身の指示になるべく沿っての演出ということで興味がわいたのだ。
英語での上演。
実に面白かった。
シンプルなからだの動きが明快、明晰。
演出上の都合で字幕は無かったがシンプルな英語なので自分でもわかる。
そして英語の音の響きがどう紡がれていくのかも楽しんだ。
以前から原文で「聴いて」みたいと思っていた願いが叶った。
最後の「come and go/行ったり来たり」は英語に続けてアイルランド語でも上演された。
初めて舞台でのアイルランド語に触れた。
英語やフランス語とは全く異なる響きが新鮮で、ケルトの神話や民話を思いだす。
もちろんこれらのシンプルな台詞が「響く」のは俳優の力量があるから成立していることで。
かつて自分が大好きだった舞台を思いだす。
気がついたら上演時間は短い休憩を挟んで2時間に。
驚いた。1時間くらいで終わってしまったのかと思ったのだ。
その後のアフタートークも楽しみ、スズナリへ急ぐ。

井村昴さんが出演する少年王者館のダンス公演「ミナレット」の初日。
王者館の初日を見るのは実は初めて。
裏的には色々とあったらしいけど、やっぱりチームの力はいいな。
たくさんの刺激を受けて、劇場での初日乾杯でコップ酒。
美味い酒だ。
どうやら井村さんと共通の知り合いが入れた酒らしい。
井村さんも絶好調♪
そのまま帰るつもりが話が終わらず打ち上げ飲み屋のカウンターでその続きを。
横にいた(王者館の)客が三重県から来ていて「今日、矢吹紫帆さんとやり取りしてたんです」。
「!」
世間は狭い。

狭いついでに王者館の舞台に出ていた若い子が、大昔にちょっとだけご縁があった女優さんの息子と判明。
驚いた。いわれてみりゃあお父さんに似てるよなあ。
客席にも2世がいるし、アングラ業界も息子娘たちが活躍する時代になったのか。
まあ、こないだのミュージカルには井村さんの孫も出演してたくらいだもんな。

さて「企画書」を提出した。
祈吉報!
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バレンタインデーには縁がない

2013-02-14 13:11:24 | 丹下一の泡盛日記
世間ではバレンタインデーとやらが、かしましい。
もちろん50年を超える人生で数少ないパートナーの方たち(それでも一応複数形♪)からチョコレートなんて一度ももらったことのない自分には縁のない「イベント」だ(-_-;;
大体が正月が明けたか明けぬかのうちにチョコレートがずらずら並び出すのだから営業チームも大変だと(まじで)思う。
もっとも毎年稽古場では、ご一緒させていただいている女優さんたちはじめ女性陣からは、結構それなりに頂戴している。
ありがたいし嬉しい。
勝手に「同志愛」だと思っているので♪

40年前、1970年代に「バレンタインデー」なるものが登場したときのことは驚きとともに覚えている。
中学2年生のときで、ちょうど思春期、恋愛の季節が始まる頃。
同学年の女の子がたくさんの友人女子から背中を押されて先輩の男子にギフトを渡しにいく姿を覚えている。
なんだか特攻隊のようだった。
ありゃあなんだ、と思って後に「システム」を知った。
もちろん自分も人並みに誰かを好きになったりしたのだが、恋愛は自分には縁のないものだと決めていた。
面倒なやつだなあ。

そのうち劇団なんぞに関わって、ごく稀に女性と二人になることがあっても芝居の話ばかりで相手はさぞかしつまらなかったろう。
今もこれは変わらず、いつぞやも京都のこじゃれた飲み屋である女性と飲んでいたのだけど、当時、プレイバック以外の舞台に立っていないストレスが爆発したのか、はたまた目の前の美女に目がくらんだのか、ぐびぐび飲んで演劇論を展開しまくって終了したのだった。
ほんとロマンのかけらもありゃあしない。

先日の四国の旅では、プレイバッカーズメンバーと別れた後はほとんど飲まなかった。
旅の「出会い」の刺激が強くて深くて、酒どころではなかった。
冷たい雨と雪が続き、あまりに寒いので温めてもらったワンカップの日本酒をゆっくりと舐めるように飲むくらい。
戻っての2日間の仕事の前日は2日続けて休肝日。
だがなぜか昨夜は飲んだ。
酔って布団にもぐり込んだ。
やっぱり寒いからだろうなあ。。。
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地下鉄内で携帯が使えるようになった

2013-02-13 01:39:16 | 丹下一の泡盛日記
着陸するとiPhoneを起動する。
到着ロビーへ向かいつつフライトの間に「ちょっとあれ忘れてるよ~」みたいなメールが来ていないかどきどき。
で、ジャンクメールをざくざく捨てながら、京急のホームに着く頃にはすべてのメールを歩きながら読み終える。
そして、ホームで返信メールを打ち始め、車内に乗り込み送信しようとすると、
トンネル内は圏外で。
蒲田につくまで、なんか時間が勿体ない感じがする。

都内の地下鉄でようやく携帯が使えるようになった。
あの「ペースメーカー」の件はどうなったんだろう。
予算の関係だったのか、やはり。。。
まあ、とにかくありがたい!
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劇的空間としての神社

2013-02-11 13:37:49 | 丹下一の泡盛日記
このところ機会があると各地の神社を訪問している。
気がつけば「古事記」を元に台本を書くようになって10年。それなりにテーマがあって訪れているのだが通りすがりに「カン」がはたらいて、呼ばれるように立ち寄り「おお!」というものに出会うこともある。
例えば瀬戸内海の小さな島の八幡宮。なんだか呼ばれたような気がして車を止めて立ち寄った。何気なく本殿の戸を開けてみたら、こんなものが天井からたくさん吊るされていた。


それほど信仰が深いわけではない。まあ普通に手を合わせて二礼二拍手(または四拍手)一礼、くらいはする。
人々の祈りがその場にどれくらい降り積もっているのかを感じることがテーマの一つ。
これはバリ島のウブドに2回滞在して、より深く考えるようになった。
そして、そのための空間構成=劇的空間としての演出/たくらみを体験することだ。

大きな神社には大抵、神楽殿が併設されている。
その場所がそれぞれで面白い。
早池峰神楽が演じられる神楽殿は、神域にはあるが本殿・拝殿を囲む塀の外に設置されていて、この神楽の性格と位置を表している。
鎌倉の鶴岡八幡宮の神楽殿は本殿/拝殿の正面だが、階段の下、見下ろされる位置にある。
京都の八坂神社の神楽殿は拝殿目の前の正面に。
そして、今回訪れた宗像大社には神楽殿が無い。
無いというと語弊がある。
神社本殿/拝殿の中に取り込まれているのだ。


船で渡った大島の中津宮もこれに準じている。ちなみに拝殿の脇には土俵があった。


ちなみに、Tama+ のあかるちゃんはここで舞を正式奉納したことがある。
この構造は、韓国の海印寺の本堂でみた仏像を取り囲むように描かれた楽人と舞人たちの天井画を思いだす。
専門家ではないので断定的なことは言えないが「道教と仏教が交じった」と解説にあったこの空間は、自分には修験道を思いださせるに充分だった。
音楽や舞は神に直結する道でもある。
ある大先輩の舞踊家は「舞台は神にむかって演じる場所」と話してくれた。「まず神に向かって演じなさい。観客はその行為に立ち会うもの」と。

そして、今回衝撃的だったのは、宗像大社の「奥宮」である高宮だ。


社は無い。
ただ石で囲まれた空間があるだけ。
なんというエネルギーに満ちた空間だろう。
そして、人間に対してなんらかの「行動」を促している「何も無い空間」。
もちろん沖縄の「ウタキ」を思いださずにはいられない。
劇場空間というよりも劇的な「場」が仕組まれている。
自分にとって理想の空間の一つをみた。
その場から目が、身体が離せなくて、気がついたら写真は1枚しか撮っていなかった。
秋にはここで巫女舞が奉納されるという。なんとか立ち会いたいものだ。
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TVドラマで「アテルイ/阿弖流為」をみた

2013-02-10 16:59:21 | 丹下一の泡盛日記
深い時間からまだ覚めやらぬも、調べたいことがたくさんあってパソにかじりついている。
遅めの朝ご飯。


さがのせきで買った乾燥くろめは、生のものに比べたら冗談みたいなもんだけど、みそ汁に入れたらしっかり「くろめ」になった。
美味しくてみそ汁だけ3杯食べ続けて完食。それから他を食べ始めましたとさ。

NHKでアテルイ/阿弖流為のドラマを見た。
1990年代に仙台の小劇場の雄、米澤牛が一人芝居で舞台化し、仙台で初演後、仙台、東京、沖縄などで再演。
その何度かに立ち会い、短いコメントを寄せたこともある。
東北演劇人の気合いの入った渾身の舞台だった。
あれから20年近くたち、NHKのドラマになりアテルイも、そして坂上田村麻呂の名も全国区になったのか、と思いは巡る。

熊野に残る天女伝説のもう一人の主人公が都から「鬼」を「退治」に来た田村麻呂だ。
このドラマで描かれているのと同じようなことが熊野で起こったに違いない。
そして田村麻呂自身のファミリーは大陸から渡って(逃れて)来た渡来人。
三代目の田村麻呂の時代に天皇の信頼を得て妻までもらうようになるには大変な苦労があったに違いない。

ドラマでも描かれていたが、大和朝廷は東北にたくさんの移民を送り込んだ。
その子孫(もちろん蝦夷の人たちと同化していった人たちも多かったろう)が今の東北人だ。
アテルイの側から見たら「侵略者」の子孫とも言える。
1982年の東北をテーマにしたシンポジウムで三浦雅士さんが、何度も繰り返された「しいたげられている東北人」ということばに対して、「今の東北人は侵略者の子孫だ」と指摘したら、東北の学者たちから大変な反発があった。(自分はその場にいた)
三浦さん自身も青森県の出身。だからこその発言だったと思う。
今の日本も68年に渡って精神的に米国に同化されて来ているし、そのもっと前、仏教の渡来とは何だったのかを四国の旅の後で再び考え始めている。
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オオゲツヒメのつながりか。。。

2013-02-10 00:59:24 | 丹下一の泡盛日記
2月8日(木)
昨年の「天女神楽」はオオゲツヒメにスポットをあてた。もちろんおバカなシーンにしたのだけど、真面目に考えた結果。その前からなんだか導かれているようにオオゲツヒメを追いかけてきたが、丸亀公演で高松に宿泊したのを機に、ついにそのルーツまでたどることになった。徳島県をあちこち動くのは初めて。
そして、4日(月)にオオゲツヒメの神社に詣でた直後から、「なんでこうなるのか!?」と驚くばかりの出会いが続く。
ふしぎな言葉をたくさんいただいた。ついにもう一度お参りし、そのまま奥宮まで登った。この頃、やたらと「山頂」に登っているなあ。そしてそのもっと「前」までたどることになろうとは。
しかもそこには「丹下」という苗字があふれている。もうなにがなんだか面白すぎ!
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素晴らしい出会い

2013-02-10 00:58:16 | 丹下一の泡盛日記
2月6日(火)
あかるちゃんの紹介でOさんに初めて会う。
神社の系譜を個人的に勉強している方で、実に興味深い話を伺うことができた。
こういう話を聞きたかった! と、おしゃべりな自分がほとんど聴き続けた。実にこまめにフィールドワークをされ、また文献も読み込んでいる方で、言葉の深みが違う。もう面白すぎて気がついたら、喫茶店の営業終了時間。4時間がたっていた。
もう台本4本分くらいのインスピレーションをいただいた♪
そして「古事記」についての基本的認識では完全に一致。嬉しかった。このことを理解してくれる人が周囲にはほとんどいないのだもの。
数字や色もすべて意味のないものはない。それを(意図的にか)崩してしまったから大変なことになっている。今年の秋の「天女神楽」が今から楽しみだ。
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松永さんの実家訪問♪

2013-02-10 00:56:16 | 丹下一の泡盛日記
2月6日(火)
丸亀公演のおかげで寮美千子さんの夫の松永さんのご実家を訪問させていただいた。だって同じ丸亀市内なんだもの。
お母様がお一人で住んでいらっしゃるのは戦前に建てられたおしゃれな洋館。ドアがイギリス製で戦前なのにオートロック。
そして周囲の土地を曰く「開墾」し続けてすばらしい果樹園と畑に変身させている。その隣には京都から招いた職人が建てたという茶室もあり、なんだか理想のような空間だ。


通された部屋には丸く張り出した小さな「サンルーム」があり、大きな絵がかけられている。緑の色使いが美しい、と思って眺めていて、「あれ大根だ?」と気がつき「もしかして?」
「はい。わたしが描きました。うちの庭の大根なんです」。
「素敵です!」
お手製の野菜たちを中心の素晴らしい食事をご馳走になった。大根も初めて食べた春一番も、ほうれんそうもみんな美味しい。元がいいだけでなく料理の腕も素晴らしいからなのは当然で。お菓子もみんな手作り。デザートに何種類ものかんきつ類が。もちろんすべて庭で育てたものだ。
松永さん、こんな美味しいもの食べて育ったんだ!



まっすぐに生きている方のお話は楽しくて興味深い。話は尽きず、ちょっと御挨拶のつもりがすっかり話しこんでしまった。
そして、自分の母もドーナツやアイスクリームなどを手作りして食べさせてくれたことを懐かしく思い出す。コンビニ菓子で子どもを育ててはいけないと改めて思う。今はもう親の舌からして。。。
「食」は本当に大事だとご飯をお代わりしながら思う。
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讃岐の国一宮で紅白餅を頂いた

2013-02-03 11:35:02 | 丹下一の泡盛日記
朝ご飯の後、讃岐の国一宮、田村神社へお参りに。
今日は節分、豆まきがあるという。

驚いた。
この神社、一体何なんだ。。。
大きな鳥居をくぐるとすぐに布袋様の像。
その先に大きなたぬきさま。そして続けて梵鐘があり、誰でも突くことが出来る。
ごんとついてその先は赤い鳥居が連なって、あの京都の神社のよう。
その中ほどにやたがらす。
その先はもう何が何だか。
神社テーマパーク。。。。

豆まきに立ち会ったら紅白の餅をゲットした。


幸先はいいようだ♪
これから阿波の国へ。
パソがつながらない世界に入ります。
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丸亀公演無事終了

2013-02-03 01:06:33 | 丹下一の泡盛日記
丸亀でのパフォーマンスは、とても深いものになった。
なんせ前日のすさまじさの余韻の中でのもの。
きっと続きになると思っていたが、唖然とするくらいストーリーがつながっていくのはなぜなんだろう。
そして深くて重たいので身体が受け止めきれるかどうかと心配。
それでも「物事には必ず終わりが来る」の例え通り、無事終了。
地元の病院チームが素晴らしかった。

高松市内に戻り「晩ご飯」という名前の打ち上げへ。
商店街にはこんなキャラがいた。


ハードな2日間を無事終えた後、メンバーで一緒に食べる食事は最高だ。
美味しい美味しいご飯の後、みんなと別れ一人で夜の高松をぶらぶら。
現代建築のようなアーケードが終わると懐かしいにおいに満ちた街が現れる。
ついついその先へその先へと歩いてしまう。
18歳の頃の一人旅をもう一度取り返しているなあ。
思い出が甦る。
そして、今日のストーリーも。
明日は節分。
市内の神社の節分を見学してから移動します。
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