たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

長野電鉄屋代線存続のために(3)

2009年06月09日 | Weblog

三重県「三岐鉄道北勢線」の場合


 長野電鉄屋代線の今後を模索するため長野地区公共交通対策会議として、6月1日(月)~2日(火)は、三重県の三岐鉄道北勢線と福井県の福井鉄道福武線の視察を行いました。
 今日は、その内三重県の三岐鉄道北勢線について報告します。


 三岐鉄道北勢線は、三重県桑名市西桑名駅~同いなべ市阿下喜駅間20.4km、13駅を単線で結ぶ鉄路です。


 これまで鉄路を運営していた近畿日本鉄道が自家用車利用の進展や就学人口の減少等により赤字に歯止めが掛からない状況が続き、平成14年に国土交通省に事業廃止届を提出。
 これに対し、行政側は「北勢線問題勉強会」を組織し代替バスに転換する等の検討を行いましたが、道路状況等から既存でも渋滞している現実を踏まえ、三重県及び沿線自治体が財政支援等を行うことで鉄路を存続する姿勢が合意され、三岐鉄道の協力を得て平成15年4月から運行が開始されました。
 また、この過程で北勢線活性化のための方策として、施設のリニューアル、鉄道を活かしたまちづくり、利用推進施策等を示した再生計画を策定しました。
 その主な内容は、11駅へのパークアンドライド無料駐車場の整備、時間短縮と電車の増発、冷房化などの列車の改良、新駅の設置や統合も含めた全駅の改築又は改良、地元行政と一体となった利用促進策等々です。

北勢線大泉駅前のパーク&ライト(駐車場)

 各自治体の財政的支援内容は、平成15年から24年までの10年間で総額55億円と多額であり、内53億2千万円が沿線市町村、2億8千万円が三重県ということでした。
 これらの財政支援に当たっては、業務運営等の透明度を高めるため沿線市町首長等で構成する北勢線対策推進協議会や学識経験者や鉄道有識者等で構成する審議会を設置し運営しているとのことです。
 また、鉄道高速化事業については国が38億円を支援し従来の全区間52分から42分に時間短縮したとのことで、国の補助金を受けるに当たっては第三セクターの北勢線施設整備株式会社を設立し対応しているとのことでした。

東員駅構内にある北勢線の集中管理システム


 具体的な再生事業の主な内訳は、駅の有人化3駅→6駅、駐車場1駅2台→9駅418台、駐輪場11駅→12駅895台、冷暖房付き待合室1駅→6駅、水洗トイレ2駅→12駅、駅前外灯0駅→11駅、バスの接続3駅→7駅、列車の運行最短20分1本→14分に1本、最長2時間に1本→60分に1本、最終電車21:30分→23:00等々です。

駅前にあるコミュニティバスの時刻表

 また、利用促進策の取り組みについては、各駅へののぼりの掲示、車内ポスターの掲示、夏休み子供ツアーの開催、ウオーキングイベントの開催、親子の遠足見学での利用、素敵な出会いの旅の開催、沿線高校文化祭のホームページでの紹介、沿線企業へのPR、コンサートの開催、高校の入学説明会でのPR等々多彩な取り組みを行っている。
 これらの取り組みにより開業した平成14年度の輸送人員206万人から平成19年度には217万7千人と増加している。

大泉駅には地元自治体がNPOに貸付、年間売り上げ2億円以上あるという農産物直売所がありました。

直売所の中には、生産者の写真が貼ってありました。

 しかし、経常損益は平成14年度のマイナス約5億3千9百万円から平成19年度はマイナス約4億6千8百万円と減っては来ていますが、黒字にするためには年間320万人の利用が必要ということで厳しい運営が続いています。
 説明してくれた三岐鉄道の種村専務取締役は、運営して6年が経過するが自治体の支援が終わる4年後以降の運営や累積赤字をどうするかなど、その先は何も決まっていないとしました。


 自治体が多額な投資をして鉄路を守り、鉄道会社と自治体が連携して利用促進策に努めても、黒字経営にすることの難しさを感じました。


にほんブログ村 政治ブログ 政治家(都道府県)へ「日本ブログ村」のブログランキングに参加しています。クリックしてご支援をお願い致します。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿