佐川宣寿国税庁長官の辞任について(談話)
2018年3月9日社会民主党幹事長 吉川 元
1.麻生財務大臣は、本日緊急の会見を開き、理財局長時代の国会審議に丁寧さを欠き国会審議の混乱を招いたこと、行政文書の管理状況に様々な指摘を招いたこと、決裁文書の責任者であったことなどを理由に、前理財局長の佐川宣寿国税庁長官が辞任し、本日付けで退職することを発表した。国税庁長官が任期途中で辞任することは極めて異例のことである。佐川氏は、慣例となっていた新長官の就任会見を拒否し、一切の説明を行わず、先月の確定申告初日には、国税庁前で市民団体が佐川長官の罷免を訴える抗議デモがあった。また、確定申告に訪れた納税者からも厳しい声が寄せられていた。森友問題を追及する弁護士や学者からも、会計検査院法に基づき、会計検査院が懲戒免職にすることを求められていた。佐川氏が国税庁長官として不適格であったことは間違いない。しかし、理財局長だった際の答弁内容に大きな疑問が生じているのであるから、国会での説明責任を果たしたうえで辞任すべきであり、最後まで説明責任を果たそうとしなかったもことは許されるものではない。これで森友学園問題の幕引きとしようとすることは断じて認められない。
2.森友学園への国有地売却問題で、財務省は、事前に価格交渉していたことや交渉関連の文書を廃棄したことを否定してきたが、国有地売却交渉の音声データや内部文書が次々と明らかになり、佐川氏の理財局長時代の答弁が虚偽であったことがはっきりしてきた。しかも決裁文書の改ざん疑惑も浮上し、財務省の対応を巡って国会が空転しているなか、それとは別の決裁文書に、財務省が否定してきた「価格交渉」をうかがわせる記述があり、近畿財務局から国交省大阪航空局に対するさらに別の文書には「本件の特殊性に鑑み」と記されていたなど、森友学園の異常さは際だっている。辞任して終わりではなく、佐川氏には、国有地売却の経緯や改ざんの有無、あったとすれば何のためなのか、誰の指示であったのかなど、国民に対して一切の真相を語る責任がある。国会答弁の丁寧さを欠いたことや国会審議の混乱を招いたことを退職の理由とするのであれば、なおのこと国会に対して真摯に説明すべきである。社民党は、引き続き佐川氏の証人喚問及び関連文書の提出を強く求める。
3.麻生大臣の発言は、他人事のようであり、佐川氏に責任を押しつけているように感じられる。適任だといいながら「減給20%3か月」の懲戒処分を行ったことも理解できない。理財局長時代の責任というのであれば、そうした佐川氏を国税庁長官に起用し、これまで「部下の報告を信頼する」と語り、国民の7割以上が求めてきた疑惑の解明を放置してきた麻生大臣の責任も免れない。
4.今回の公文書改ざん疑惑は、日本の政策決定における大変な問題であり、国会への冒涜、国政調査権の蹂躙にほかならない。法治国家の根幹に関わる問題として、絶対に曖昧にしてはならず、徹底的に究明していく。社民党は他の野党と結束して、国政調査権を発動し国会法第104条に基づく資料提出を求めていく。
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