たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

長野県「森林づくり県民税」の今後(2)

2012年06月28日 | 長野県議会

私の提案(続き)


?手入れの遅れている里山での間伐の推進(実績税の約76%)
  ・みんなで支える里山整備事業(約69.5%)
  ・高度間伐技術者集団育成事業(約0.8%)
    中核的担い手の育成を支援し、効率的な間伐実践や施行集約化への普及啓発。
  現制度と実績
  里山の機能回復を重点的に進めるため集落をあげて間伐を面的に推進する。
    (5年間で23,400haの目標に対し今年度末進捗率は約95%の見込み)
  ・地域で進める里山集約化事業(約6.1%)
   小規模個人有林が多く荒廃が進んでいる里山の間伐を進めろため地域が主  体となり、集落周辺の里山整備計画樹立と森林所有者の同意を得る活動を支 援。
  提 案
   ・この事業は、税の根幹であり予算規模は同程度で維持する必要がある。
   ・税を使っての森林整備に当たっては森林所有者負担1割となっているが、「森林づくり推進支援金」の事業実績等を見ると、市町村により制度通り負担を求めている一方で、この支援金を使って全額を嵩上げ補助しているケースがあり、不公平感がある実態となっている。
   また、国庫補助を使って整備する場合、国が1/2、県が1/5を負担し、   残り1/3を市町村等が負担することになっているが、市町村によって一定   のルールを設けたり対応はまちまちであり、この支援金から嵩上げ補助が行   われているケースが多い。
   そこで、一割負担については整備を加速化させるため廃止するか、市町村間      等の不公平を解消するためルールを定めるべき。
   また、国庫補助事業についても市町村負担の一定のルールを定めるべき。
  ・これまでの切捨間伐から搬出間伐に制度を拡大し、間伐材の利用についても  県が関与して具体的に行う位置付けを明記し、取り組むべきである。
 ?地域固有の課題に対応した森林づくりの推進(実績税の約20%)
  現制度と実績
  ・森林づくり推進支援金(年1億3千万円市町村へ補助)(約19.8%)
      間伐の推進や間伐材の利用促進等の市町村や地域の取り組みを支援。
   (森林整備の推進405事業、間伐材利用の促進97事業、県民参加による森林づくりの促進74事業等)
    ・間伐材利用の環モデル事業(約0.3%)
     間伐材利用を進めるため、地域の皆さんが取り組む間伐材利用の新たな仕組 づくりに支援。(13の協定を締結)
  提 案
     実績を見ると森林整備の嵩上げ補助の実績が172件で実績金額の35.6     %を占め、このほか件数の多い順に実績をあげると、森林病虫害対策93件、    間伐材利活用87件、野生鳥獣被害対策66件、景観整備など市町村独自の森    林整備56件の一方で、木質バイオマス活用や森林づくの利活用の支援、森林    環境教育などの事業実績は少ないのが現状です。市町村別の詳細な実績を見ま    すと、間伐材を使ったテーブルや椅子の整備、ペレットストーブの設置、小学    生用の森林学習教材の購入、村民や別荘所有者へのリーフレットの配布など様   々な取り組みを行って来た市町村がありるが、取り組みには格差が見られる。
  「森林づくり推進支援金」の活用方法については、間伐材利活用や木質バイオ  マス活用等に誘導する一定のルールを設けるとともに、「元気づくり支援金」  とのすみ分けを行った上で、市町村のみならず個人も対象とした「公募型」に  し、広く林業再生に向けた提案を募るべきである。
  また、森林税を使っての野生鳥獣被害対策は森林に関する事業に限定し、その  分一般会計で充分な予算の確保を行うべきではないか。
   
  ? 県民や企業の森林づくりへの参加等の促進(実績税の約3%)
  現制度と実績
    ・みんなで支える森林づくり推進事業(約1.5%)
     県民等への森林づくりへの参加等の啓発や木質バイオマス等の利用促進を図 るため「みんなで支える森林づくりレポート」の作成や、看板の設置(364箇所)、シンポジュウムやイベントの開催(54回)を行い、森林づくり 県民税の使途を評価する第三者機関である県民会議及び地域会議を延べ130回開催した。
    ・森林(もり)の里親促進事業(約0.1%)
     森林保全活動に熱心な企業等と労働力等が不足している地域を県が仲介し、 協働による森林整備や交流を推進する事業ですが、税導入後49件の契約 締結(1660haの森林整備)が行われ、累積で75件となとている。
    ・地球温暖化防止吸収源対策推進事業(約0.05%)
     「森林(もり)の里親促進事業」による森林整備(間伐)への取組を評価す る森林CO2吸収・評価・認証制度を創設し、4年間で認証したCO2吸収 量は、年7740トンで自家用車約3365台の年間排出量分となる。
    ・カーポンオフセットシステム構築事業(約0.1%)
     ペレットストーブ及び薪ストーブを利用したカーボンオフセットの仕組みを 構築し、森林資源の有効活用を通じ健全な森林づくりを推進した。
    ・木育推進事業(約1.3%)
     4年間で95の木育活動に支援し、地域材を利用した小学校の内装木質化や 学習機会の提供等の活動が推進され、県産材の良さや森林の大切さ、森林整 備の必要性等の普及啓発が行われた。
 提 案
      最近問題となっている水資源の保全について、市町村の水源保全のための土地取得等の環境整備についてもルールを定め支援すべきである。
   地球温暖化防止吸収源対策推進事業やカーボンオフセットシステム構築事業   とセットで交流事業も含めパッケージ化し、市町村と連携して企業のみらず   河上、河下や全国の自治体にも広く参加を呼びかける事業に積極的に取り組   むべき。
   県内市町村が全国の自治体と姉妹提携している提携先の件数は95自治体あ   り、このうち本県周辺では、東京都内が17、静岡県内が14、神奈川県内   が10、愛知県内が10、新潟県内が4、富山県内が3、群馬・石川県内が   各2件等です。また、県内には都市部の自治体の保養施設が40もある。
   
 ?その他(約0.4%)
      税執行に伴う電算改修事業
 以上が、これまで「森林づくり県民税」で行われてきた実績等に基づく見直すべき事業や廃止すべき事業、そして新設すべき事業の提言ですが、制度全体の中の柱として新設すべき事業があります。
 それは、「森林づくり県民税」により搬出された間伐材や県産材の活用を軌道にのせることと、税の活用や間伐材利用への普及啓発を広く県民等に周知するため、県が直接、県民が集う場所や観光地に間伐材を使った椅子や机などの木工品を配備する「間伐材等有効利用促進事業」(仮称)です。
 「森林づくり県民税」が導入されて早更新時期を迎えていますが、県民の中には「林業が再生されれば税はいらない。」「なぜ税を使って林業を再生させないのか。」といった率直な意見も聞かれます。
 税の継続にあたっては、こうした県民の声も踏まえ、税の効果が充分に発揮される事業の構築が問われています。

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