たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

こぼれても

2013-02-26 01:29:02 | Weblog
 助けるためには本当の能力が必要だ。権威や言葉をいくら手にしたって、誰も助からない。
 助けられるか助けられないかの実質的な効果は、その人間の能力においてのみ決まる。

 その場合、経験に依るところがどれほど大きいかというところに着目しがちになってしまい、きちんとした、助けるためには本当は何が一番必要かの思考が達せられないことが多い。
 確かに、スポーツの経験がゼロでオリンピック選手に大会でのアドバイスをすることは困難だし、研究室に所属していないのにラボの運営に関することを意見することも難しい。
 だけど、実は、そんなものは、論理性さえちゃんと高めれば、簡単に超えられるものだと思う。

 経験したこともないことに対してでも、その相手の気持ちをよく思考し、感じとり、さらに置かれている状況下を明確に想像するだけの思考の体力があれば、経験したこともないことで誰かに適確にアドバイスしたり解決したりすることは可能だ。

 じゃぁ、一番必要なものは思考力や論理性か、っといったら、そうではない。
 誰かを助けるために一番必要なモノは、助けたい!、よりよくしたい!、守りたい!、っという純粋な気持ちそのものであり、その想いさえあれば、思考力や論理性は、あとからでも、いくつになっても、十分についてくるものだと思う。

 当たり前のことだけど、その気持ちを再確認しながら、今まだできることが残っているのであれば、そこに全力をかけていく姿勢を、種々の系に対してとっていきたい。

 貴重な試薬がこぼれてしまっても、試験管の中に残った試薬の中から、今まだ出すことができうる実験結果をだそうとする姿勢と同様に、助ける、よりよくする、守る、ってことに対しても、同じように立ち向かわねばならないと、自分に言い聞かせている。
コメント
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