たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

結果ゼロでも楽しめるぜ?

2010-12-24 02:27:19 | Weblog
 ~軍重カのほうそく が あるから 重たいじゅんになる。~

 『(軍重力の法則、って、なんだろう??…あっ、そういう事かっ。)これ、しんにょうが抜けてるんじゃないかなー?』
 【えー?ホント??】《おまえ、これじゃー、ぐん、じゃん!》【ホントだ。うわー、オレ、バカーっ。】
 『あと、ここ、もうちょっとくっつけて書こうよー。』【はーい。】
 『おしっ、これで、運動のほうそく、になった!偉い偉い。』

 中学生以上では当たり前のことでも、小3には難しいことは沢山ある。ちなみに、この子、おそらく、これを読んでる大半の人の小3時代より、遥かに賢いと思う(少なくとも俺よりは)。
 大人は、こういうことは、時間が経てば、できることだと勘違いしてる。そうじゃない。子どもたちは、恥ずかしい想いをしながら、ちゃんと努力して、大人達にとっての、ありえない漢字の間違いを減らしていっているのだ。
 やっぱり、大人の世界と子どもの世界は別空間であって、じきに大人の世界に入って行かなきゃいけない子どもたちは、不安でいっぱいだし、そこでやっていくためには、って思って、漢字が書けるようになる。

 今の状態から変わろうと、一生懸命、努力しているのだ。

 何故だかよくわからないけど、世間では、高校を卒業してから「変わろう」とすることは難しいように思われている。(これは、遠回しに、大人は努力不足だ、って言ってるかもな。。)
 あながち、間違ってなくはない。変わる、ってのは、並大抵のことではないし、何かor誰かを変えようとするのも、それと同じくらい難しい。遊んでばっかの生活から毎日勉強するようになるのも、逆に真面目な部分を捨ててチャラチャラするのも、自分のスタイルを変えて努力するのも、物理学から生物学に専攻を移すのも、そりゃー、なんだって、変えるのは、大変。

 でも、子ども時代に、あんなに、継続して頑張る、ってことを自然にやってきたはずなのに、やってみようともしないのは、アホなんじゃないかなーって思う。
 そう考えてみると、非常に当たり前のことだけど、何か一個のキッカケさえあれば俺は変わる、なんて、ありえない。変われても、徐々に変わるのが常だし、そうじゃない劇的な変化はありえない。

 そうすると、努力する価値がないみたいに思うかもしれないけど、そんなことはない。あなたが、変わるまでに3ヶ月かかると思うモノはきっと1ヶ月、1年なら3ヶ月、3年かかりそうなら1年くらいで、たいていは、結果がでてくる気がする。
 それに、もし結果がゼロだとしても、、

 【すごいでしょー?びぶん、知ってるよー。】
 『すごーい。俺、計算とか苦手だからなー。』
 【えへへ。】

 『おー、その問題、よくできたね。マジで。』
 [うん(笑)。なんか、できた。]

 って、笑顔を見ると、、自分のことに系を移しても、、『っま、いっか。』って思えるのだ。与えてるつもりが、与えられている。
 こうなって初めて、実質的なことはどうでも良いと実感できる。別に、その子が微分をきちんと理解できてなくても、その問題は偶然、前の日にそのまま教わってたんだとしても、どうでもイイ。そんなことよりも、大切なことが沢山ある、って、教えられているのだ。

 例えば、
 教育実習の時、実験をやってもらう時間に、あるクラスで、その次の時間が漢字テストらしく、クラスの半分が漢字テストの対策勉強を隠れてやっているのに気がついたことがあった。
 俺は、一瞬、どっちに倒れ込んでいこうか、迷った。一理科教員として注意すべきか、生徒たちのテスト対策にノっかるか?

 学問をとるか?生徒をとるか?

 テスト対策をするってことは、努力しようって思っているってことだ。どんな系でも、俺は、気持ちそのものに投資するスタイル。だから、ここは、きつく注意すべきではない。なーんて、崇高な解釈をその瞬時にしたわけではなく、ただ『下手なこと言って、せっかく無難な関係なのに、嫌われたくないなー。それに、まだ、教員じゃないんだし。』って思って、『これ、書けっか?結構、大人だと書けるんだぜー?』って言ってる自分がいつの間にかいた。
 それは、感情的にも理論的にも正しかったと思う。

 『…っていうかー、実験もやってよー(笑)。』
 《しょーがないなー、グラフ作りまーす!》〈はーい。わかったわかった、やってやるよ。〉
 『ほらー、さっさと作って、この23ページの「読み」も確認しないとっ!笑』

 努力の仕方が悪いだけで、実験したくないわけじゃない。テストでイイ点が欲しいから、頑張る。不器用なだけで、正しい気持ちじゃねーか。まずはそれを認めてあげなきゃね。
 それに反して『今は実験する時間だろ!』って教科書通りの正解を言うだけだと、機械的で、むしろ仕事してない。ちゃんとあなたのことも考えてます、って、心を奪ってから、お願いする。すると、本当の意味で、改善していく。

 小中高の学生たちから一番勉強させてもらっていることは、とにかく教科書的に正しいことを言ったり、とりあえず機械的にしたりして、すぐに実質的な結果を期待しない方がイイってことだ。
 時間をかけて、着実なところから、ゆっくり努力すると、良い方向へ変わっていく、っと彼ら彼女らは示唆してくれる。

 そして、感情が暖かくなっていくから、楽しくなっていくのだ、と。
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