グレタ・ガーウィグ監督「レディ・バード」を見る。
サクラメントの片田舎の女子高生が、自意識過剰なあまり、
アレコレやらかしながら、両親の元から巣立っていく物語。
よくある話である。だからこそ普遍的で、
共感を呼ぶのだと思う。
自主と自立の第一歩を踏み出した主人公に
笑ったり、しみじみしたり、
腹立たしくなったり、応援したり、と。
94分の上映時間のなかに、いろんな感情が渦巻く面白さ。
映画に映し出されるサクラメントの街並みは、
きちんとしていて、キレイである。
主人公が日々、接する人たちはけっこう善良で、
家族も学校の先生もクラスメートも、
主人公のことを思いやっているように見える。
でも、保守的でステロタイプな価値観を
押しつける風土がガマンができないのだろう。
あたいはこんなところにいる女じゃないのよ、
と粋がる割には、成績の評価を誤魔化したりする。
イケメンを狙ってモーションをかけ、
あとでとんでもないしっぺ返しを食らったりと、
なんともまあ人間くさい女子高生を
シアーシャ・ローランが好演。
この女優さん「つぐない」とかに出てた子役なんだな。
監督のグレタ・ガーウィグは
「フランシス・ハ」(傑作です)とか、
「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」(これも面白い)などで、
おお、これは新世代のコメディエンヌ誕生か、
とひそかにほくそえんでいたけれど、
そんな範疇で収まる人ではなく、本作の脚本と監督を手掛けて、
オスカーにノミネートされるという出世街道まっしぐら。
旦那はノア・バームバック。夫婦で監督ですな。
そうか「フランシス・ハ」で出会ったのか、とゲスの勘繰り。
ともあれ、おふたりさんの次の映画も楽しみにしてます。
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