前田陽一監督「土佐の一本釣り」を見る。
キャンディーズのスーちゃんこと
田中好子がヒロインを演じた、というだけで
映画史に燦然と輝く作品ではあるけれど、
実はこれまで初見。シネフィルって何でも見ているようで、
じつは大して見てないんです、すいません。
という自虐モードはともかく、
いろんな意味で見ごたえのある映画だったという。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/f7/8a33cb9930345062872e7506c686b758.jpg)
とにかく、スーちゃんに尽きる。
あまりに可憐で、やっぱり自分はスー派だったと再認識。
一時期はラン派に鞍替えし、サンプラザのライブで号泣したり、
もしかしてミキ派かも、と思いながら、
「夢恋人」のレコを買ってにやけたりして深く反省。
で、肝心の映画はどうかというと、
青柳祐介の原作は遠い昔に読んでいたけれど、
土佐という地域性と、漁師という仕事は、
かなりマッチョな男性観に溢れていたと思う。
その映画化である本作も、
主役の純平がスーちゃん演じる八千代に向かって、
「女は三歩下がって歩くんじゃ!」と強いるような場面があった。
もう40年以上前の映画だし、
かなりジェンダーバイアスがかかっているなと思いきや、
純平が一人前の漁師、かつ一人前の男になろうとして
ことごとごく失敗するコメディになっている。
男っぷりの良さというよりは、男の馬鹿馬鹿しさを笑っているような
そんな映画になっていると言ったら深読みのしすぎかな。
スーちゃん始め、
宍戸錠に加藤武、蟹江敬三、山谷初男、志賀勝、成田三樹夫、
そして樹木希林など、鬼籍に入った人も多く、
高知の暖かな気候のなか躍動する
俳優さんたちを愉しみつつ偲ぶのでした。
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