Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

私はあなたが好きでした

2024年04月30日 | 映画など
前田陽一監督「土佐の一本釣り」を見る。
キャンディーズのスーちゃんこと
田中好子がヒロインを演じた、というだけで
映画史に燦然と輝く作品ではあるけれど、
実はこれまで初見。シネフィルって何でも見ているようで、
じつは大して見てないんです、すいません。
という自虐モードはともかく、
いろんな意味で見ごたえのある映画だったという。


とにかく、スーちゃんに尽きる。
あまりに可憐で、やっぱり自分はスー派だったと再認識。
一時期はラン派に鞍替えし、サンプラザのライブで号泣したり、
もしかしてミキ派かも、と思いながら、
「夢恋人」のレコを買ってにやけたりして深く反省。

で、肝心の映画はどうかというと、
青柳祐介の原作は遠い昔に読んでいたけれど、
土佐という地域性と、漁師という仕事は、
かなりマッチョな男性観に溢れていたと思う。
その映画化である本作も、
主役の純平がスーちゃん演じる八千代に向かって、
「女は三歩下がって歩くんじゃ!」と強いるような場面があった。
もう40年以上前の映画だし、
かなりジェンダーバイアスがかかっているなと思いきや、
純平が一人前の漁師、かつ一人前の男になろうとして
ことごとごく失敗するコメディになっている。
男っぷりの良さというよりは、男の馬鹿馬鹿しさを笑っているような
そんな映画になっていると言ったら深読みのしすぎかな。

スーちゃん始め、
宍戸錠に加藤武、蟹江敬三、山谷初男、志賀勝、成田三樹夫、
そして樹木希林など、鬼籍に入った人も多く、
高知の暖かな気候のなか躍動する
俳優さんたちを愉しみつつ偲ぶのでした。


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