うひょひょひょひょひょひょひょ。
ひい。こっちは絶不調だというのに、
なぜそんなに能天気でいられるのだ、邪悪なT君よ。
「能天気なのはペヤングですよ〜。
だって、辛子マヨと黒コショウですから〜。
まさかダブルでアレとは思いませんでしたね〜。
調子が悪いんなら、ぜひコレでアレしましょうよ〜」
アレとかコレとか、指示語で誤魔化すな。
辛子マヨと黒コショウなんて、ただでさえ調子が悪いのに、
こんなモノ食したら、死んでしまうだろう。
「ショック療法ですよ〜胃に入れたらびっくりして、
体じゅうが活性化するんじゃないですか〜。
体のなかから桃源郷になるんですよ〜たまりませんね〜」
わけのわからないコトを言うな。
そんなに体のなかを桃源郷にしたければ、
望み通りにしてやる。
と叫び、奴の口はもちろん目や鼻、
体じゅうの粘膜という粘膜に
辛子マヨとコショウを塗りたくる。
「うひょ〜沁みますね〜。
そのうちメンタムみたいに
体の中にイイ成分が浸透していくんですね〜」
メンタムとはメンソレータムのこと。
ロート製薬が出している軟膏の商品名だ。
すり傷でもニキビでも肌あれでも、
コレを塗りたくれば解決、というすぐれモノである。
昭和の頃の家庭は、薬箱を開けると、
このメンタムと赤チンは必ず入っていたと思う。
「いきなり昭和ネタですか〜赤チンも好きですよ〜。
おお〜辛子マヨと黒コショウが体内に浸透してきましたね〜。
浸透しきったら、燻製にしてもらわないと困りますよ〜」
恍惚の表情でそう言ってのけた邪悪なT君は、
そのお肌がマヨの黄色とコショウの黒で
どんどんどす黒くなっていくのでした。
とはいえ、心と腹の中はもともと真っ黒なので、
それほど変化はないと思います。