Days of taco

やさぐれ&ヘタレtacoの日常と非日常

ひとひらの夜と霧

2018年08月08日 | 日々、徒然に

津川雅彦さん…。

妻の朝丘雪路さんの後を追うように

亡くなってしまったのですね。享年78。

 

兄の長門裕之さんのように、

性格俳優として名を挙げた人ではなかったし、

決して名優ではなかったけれど、

この人はとにかく色気があったなあ、と。

 

テレビでも活躍した人だけど、

自分にとってはやはり映画俳優というか。

何本も傑作はあるけれど、

その中でも特に強く心に残る映画を挙げてみます。

 

日本の夜と霧(1960)

 

若き日の津川さん。本当に二枚目でカッコいいです。

大島渚監督のこの作品は

安保闘争に身を投じる学生を演じ、

その切羽詰まった佇まいが素敵でした。

同監督の「太陽の墓場」では愚連隊の頭を演じ、

ギラギラした悪の魅力を発散していたのが印象的。

 

ひとひらの雪(1985)

 

この人は中年になってから、俄然魅力を発揮したというか。

秋吉久美子さんと、それはそれは

ただれた不倫生活を繰り返す本作は、

根岸吉太郎監督らしい、官能美あふれる傑作で、

津川さんはとにかくエロ親父の極めつけなのだけど、

どこか気品があるところがなんとも。

 

0.5ミリ(2014)

 

津川さん晩年の傑作でしょう。

安藤サクラさん演じる介護フリーターが、

認知症に冒されつつある老教授の津川さんの

心の奥底に触れていく。

自らの戦争体験をたどたどしく語る

津川さんの独白シーンは、本作のハイライトだと。

 

いい映画をたくさん残してくれた

津川さんに合掌。

 

 

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