桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

別れ

2008-08-18 | Weblog
刑務所当時、俺と杉山には保護者と言って、特別に面会等を許可された人たちが、それぞれに5人いた。
杉山には女性が多くて、我れ杉山の母なり!と自認される方もいた。
そのお一人は水戸に在住されているが、ご主人がお盆中に他界され、昨夜は通夜に参列した。
長く闘病されていたせいか、夫人のYさんは平静だったが、ながく連れ添われた思いは、決して表面的なものだけではなかろうと推察した。
特に親しく話したことは無かったが、自宅に泊めて頂くなど、世話になったことが思い起こされた。無罪を見て頂けなかったのが残念だったなぁ。
通夜の読経中、かなかなが鳴き、遠くからの花火の音が聞こえていた。

遠花火
通夜読経の
続く中

かなかなと
通夜読経に
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