桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

幸せ者

2008-08-10 | Weblog
地区の慣習の新盆見舞いをした。
昨年は、7月12日、俺が冤罪に巻き込まれる切っ掛けになった、自宅前の自転車屋さんからスポーツ自転車を買い、金を払わないで質屋に入れたという、その自転車屋の親爺が亡くなった。
あれから1年、二人目の孫も産まれていたが、家族とおやじの話をしては、当然、俺の自転車の件にもなった。
あのとき、親爺は、警察に「被害届を出して欲しい」と求められたが、「そんな自転車は、ショウジにくれてやる」と言い、被害届を拒否した。親爺の妻である、本当に可愛がられ、面倒も見てもらった女性、俺がおっかさんと呼ぶ人は「お前が一番悪い!」と笑いながら言い、「お前には世話になったから」と。だから「ウチのも自転車をくれてやったんだ」と。そんなことは無い。いたずら者の俺は、なんだかんだと悪さをしては、親爺にも迷惑を掛けていた。それなのに!
俺は、昔から、人様の愛情を人並み以上にもらって生きていたのだと、改めて思った。だからこそ、俺は獄中生活を、人も恨まず、一生懸命に生きられたのかも知れない。そして、今も、満ち足りて生きられるのだ。本当に俺は幸せ者。


日曜日

2008-08-10 | Weblog
今日は、何も予定が無い、珍しい一日だ。
地区で亡くなった人の家を訪ねる、新盆周りという行事があるが、それは短時間のこと。こんな日は少ないから、力を貸してくれた人を訪ねようかな。
でも、何かやることが無い一日と言うのは、俺には似合わない。忙しくて大変でしょ!なんて言われるが、違うね。それが俺の力になってる。
しかし、我が家は暑い!太陽が出ると屋根のトタンが熱され、すぐに家の中に熱気が充満する。暑いのは嫌いじゃないし、扇風機があるから良いけどね。