桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

特別抗告批判第8弾

2008-08-08 | Weblog
些細な間違いを書こうかな。些細なことだから、気楽に。
被害者の家は、面白い歴史があるんだ。曳き家と言うのかな、元あった場所から、人夫がコロを使い、道路の真ん中を使って家を運んだんだ。
特別抗告書には「昭和28年」とあるから、俺が6才のときだね。
俺も見物した記憶があるな。屋根や骨組みはあったが、畳などは無かった。祭りみたいに、みんなで見物してた記憶がある。
抗告書に「被害者方は、築後100年以上を経過した古い建物であり、昭和28年頃、現在地に移動させたものであって、相当根太が腐食していたのであって、新証拠で示された科学的実験・鑑定の計算式がそのまま現場のガラス戸にあてはまらない」というんだな。惜しい!大林さん。
先ず、この文章はおかしいよ。根太が腐るのとガラス戸の木材の劣化は同等じゃないもの。ね、判るよね?そもそも100年経過と、ゆえの根太の腐食も繋がらないでしょ、被害者宅は。そう、家は事件の14年前に移動された。その時点で、床下を支える大引きと言われる木材などは、総て一新されたんだもの、そもそも、前提が違ってるよ。床板などは築後14年と見るのが正しい。
それに根太が腐食とかの記録はあるのかな?14年じゃ腐食しないでしょ。
木材の性質を学べば判るが、日光の直射や湿気、風雨に晒されない木材は劣化しない。却って強固になったりする。乾燥すれば木材は強固になる、常識だよ。従って、この反論は成り立たない、判る、大林さん?
検察官って、こんなことも知らないの、大林さん?
まあ裁判官も似たような存在、最高裁のお殿様たちならば、これでも通じると思ってるのかも知れないが、この反論、かなり恥ずかしいょ、情けないよ。
頑張って補充書を書いてね。

論より証拠

2008-08-08 | Weblog
そんなイロハカルタがあったね。でも、日本の検察庁には無い言葉だ。彼らは裁判を社会を治める道具と考えている。
事件があり、犯人を捕まえる、それで社会の治安は守られ、国民は安心して暮らせる、そういう方程式が守られることが重要で、中味は問わない。犯人だろうが、無実だろうが、方程式だけを守り、表面的な一件落着さえ保てれば良しと考えてるのだ。
だから、検察庁にとっての裁判はゲーム。理屈屁理屈を並べ、証拠を無視する、隠す、何でもやる。勝ちさえすればいいのだ。
俺が特別抗告書を読んでの結論は、そこに至った。
真面目に正義を守ろうとする検察官もいよう、真実を貫こうとする人もいるだろう。そういう検察官に、ぜひ頑張って貰いたい。日本の検察庁に正義と真実が守られる日が来るように、ぜひとも頑張って貰いたいと願っている。

ただ今為すべきことを為せ

2008-08-08 | Weblog
俺のモットーの一つだ。
刑務所生活に於いて、何事に向き合っても、そのことから逃げず、全力で取り組んだ。手を抜いたり、怠けたりはしなかった。
あの月日は自分を鍛えた。今、社会で生きている毎日に、その思いは生きていて、俺は全力で目の前のことにあたって来た。
刑務所で楽しさを見つけ、充分に楽しんだからな。あの日々を思えばシャバは楽しいことだらけ。不遜にも苦しさや悲しみよ来い!なんて思ってる。
次に、命掛けの苦難に出会ったならば、俺の中に眠る力が、また目覚めるだろう。と思うのだが…

特別抗告批判第6弾

2008-08-08 | Weblog
我々の「自白」にある殺害行為で、面白い記述がある。
「仰向けに倒され、杉山に馬乗りにされた状態で動けない被害者の頭を櫻井が押さえることによって、被害者の体が反り返るとともに、首が後方に押し曲げられると、口は開けやすくなるはずであり、そうなれば容易に口中にパンツを押し込むことができる状態になったといえ、被害者の口の周りや口腔内に損傷がないことも合理的に理解できる」だとさ。一人合点。凄い合理的な想定だよね。
一人が馬乗りになり、一人が頭を押さえると、なぜ体が反りかえるの?これが判らないね。被害者の背中部分は、床が落ちていたようだが、それでも平面の畳でしょ?平面上で馬乗りにされたら、いくら頭を押さえても体は反り返るはずないじゃないか。何を考えてるの、大林さん!
勿論、そこで頭を押さえられれば、多少は頭が後方に行くだろうが、頭も口も自由に動くでしょ。いくらでも抵抗できるでしょうが。
大林さんは被害者と同じ年代になってるよね。若手の検事を使って、この論述が正しいかどうか、実演してみれば。
これを合理的想定と言うなんて、非合理の極みだね大林高検は。