桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

果報者

2008-07-22 | Weblog
昨日夕方は、常陸大宮市に住む支援者・Oさん宅に届け物があって訪ねた。決定日にも高裁前に夫人が、水戸集会にもご夫婦で来てくれていたが、忙しいと思って電話を遠慮していたのだと、殊の外、訪問を喜んでくれた。
持参した決定日のニュース番組ビデオを見てのち、お祝いに食事をと言う話になった。近くの魚専門店へ行ってご馳走になったのだが、今日は出所祝いだと言う。12年前に出来なかったから、今日は決定祝いじゃなくて出所祝いだと言うのには笑ってしまった。
洋風の建物や雰囲気なのに魚料理で、しかも味がなかなかイケた。
軽く飲んで食べて、ご夫婦と別れるとき、「今日は、本当に来てくれて有り難う」と言うのだ。
毎年の正月、こOさん宅に招かれて宴会をし、楽しい時間を貰っている。ご夫婦の温かさに、水戸の母だと、俺は勝手に話しているが、こっちが言うべき有り難うの言葉を受けて、我は果報者なり!と、万感胸に溢れる思いになった。
誰をも恨まない闘いの月日を過ごせたのは、こういう人様の優しさを与えられたからと、俺は連れ合いの運転する車で嬉し涙を流してしまった。この果報に相応しい生き方をしなければ!この果報に相応しい闘いをしなければ!