桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

前祝い

2008-07-07 | Weblog
布川事件には沢山の支援者がいるが、地元となれば、そうは多くない。事件の地元で冤罪を主張し、その支援をすることは、なかなか大変なことなのだ。
その地元の支援者に我孫子市議の松島洋さんがいる。松島さんは利根川を挟んだ隣町布佐に住まわれ、もう8期も市議をされている。冤罪事件の支援をする議員は、いわゆる革新系にはいるが、まず保守では少ない。しかし、松島さんは「これは正義の闘いだから」と言い、バリバリ保守の支持者や関係者の思惑を押さえて、長く支援をして下さっている。
時々自宅に招かれ、奥さん・明子さんの美味しい料理や自らの手料理を食べさせてくれる。
昨日も、俺が足利事件集会から帰るのを待って下さり、支援者の二人も交えて一杯やった。「前祝いで!」との言葉で始まった飲み会は、松島さんが自ら作った取り立ての夏野菜や穴子、マグロの煮物など、テーブル一杯に並んだ食べ物。シャンパンにビール、焼酎。美味かったなあ!
人の幸せは、どれだけ人様の思いを頂けるかに尽きる。松島さんの思い溢れる歓待を受けて、冤罪人生とも言える我が人生の幸せを、改めて感じた夜だったなぁ。

足利事件

2008-07-07 | Weblog
昨日は池袋で開かれた足利事件の支援集会に参加した。
DNAの一致を根拠に有罪にされたが、この鑑定には誤りがあった。だから、再鑑定を求めて再審請求をしているが、宇都宮地裁の池本寿美子は、その再鑑定を拒否して申し立てを棄却した。日本テレビの「バンキシャ」という番組が判決批判を放映しているから、きっと見た人も多いことだろう。
おかしいよね、裁判官って。再鑑定をして一致すれば犯人、一致しなければ無罪、簡単な話なのに拒否するなんて、非常識なのか馬鹿なのか、理解しがたい。
この集会にはテレビ朝日が取材に来ていた。他にも読売とNHK記者が2名。今、冤罪に対するマスコミの関心の深さを再確認した。
他の冤罪事件関係者も来ていたが、皆さんは茨城の波崎事件というのをご存じだろうか?保険金目当てで青酸カプセルを飲ませたと言う事件。何も証拠がないことは、他の事件と同じ。布川と同じことが一つあって、一審で有罪とした裁判官が、両方共に花岡学という男だった。波崎事件の犯人にされた富山さんは、花岡が死刑を宣告した時に「人殺し!」と怒鳴ったそうだ。残念ながら富山さんは5年前に獄死している。花岡も、とっくに死んでいるが、もしあの世があるならば、きっと富山さんと花岡の立場は逆転していることだろう。富山さんは無罪に、花岡は人殺しとして裁かれているに違いない。
多くの仲間のためにも、来る決定は勝利したいと言う思いが強くなった一日だった。