「いらっしゃい」

おにぎりと白夜の町
静かな空気と静かな空
太ったカモメと穏やかな日々

ただそこに居るだけで
あなたがそこに居るのがいい
毎日同じということが
どれほど大切なことか。
若き日の発展は
流れる年月への抵抗
だったような。

時は流れず
また淀むこともなく
いつもここに在るのだと。
そんな大切は
失いそうなとき
わかるもの。

かもめが空を切る音や
シナモンロールを食む音
カップとテーブルの音
車輪の回る音
おにぎりをにぎる音
ゆっくりな靴音

ナニカを探して辿り着いた場所。
中心をずらさないこと
そこに想いの通じる道が在るのだなと。

「かもめ食堂」
小林聡美さん。
やっぱりいいですねー。
水色というコトバが
とても似合う映画でした。