銅板を叩きながら旅を振り返るとします

洗濯機を

７回ほど回して。
工房を掃除して。
石瀬の家に
道具を運び込んで。
コーヒーを淹れて
夜の読書会に備えて。

いつもの場所に座ると
いつもと同じ光景が見える。

いや
１ヶ月前に
ばたばたと出発した
あの時のままの心持ちが
そこに在る。

この１ヶ月。
６０年でいえば
人生の
７２０分の１を
今回の旅で費やする。
不思議なことです。

ここに座ると
いつもの心持ちになる。
不思議なことです。

この旅を
振り返る機会もそこそこに
職人の朝は始まるわけですが。
また叩きながら
みなさんとの
ひと時ひと時を
噛み締めたいと思います。

帰ってみれば
また締め切り。
ただ
この場所の安心さに包まれながら。
私の最も平和な時間を
また過ごします。