リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2014年9月7日 小説・小さいおうち

2014-09-07 20:44:00 | Weblog
 直木賞受賞作で山田洋次監督が映画化もしたので、どんな本なのかと興味を持った。面白いところも勿論ある。だけど直木賞をとるほどのものか? とも思えた。60年の時を経て蘇る戦時下の恋愛事件とあるがそんなにも踏み込んだ内容には思えない。残り三分の一となったところなので最後まで読むと感想は違ってくるのだろうか。映画化の話を先に聞いていたので、主人公・タキ役の黒木華さんと美しい奥様役がはまり役だった松たか子さんのイメージが先行。おふたりとも上手く演じていらしたからこそ映画もヒット作になったらしいが、原作を読みながら役者の顔が浮かぶのも妙な気がした。直木賞をとるほどのものか、と失礼ながら感じたのはお婆さんになったタキが登場する場面。妹の孫息子とのやり取りが数箇所にわたり出て来るがそこに違和感を感じる。取ってつけたようで素人臭いのだ。他の表現方法はなかったのかと疑問に思う。ましてやあの場面があっても賞に選んだ人々の意図も分からない。読者の中には同じ様に感じた人も多数いたのではないか? 

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