リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2006年11月5日 青春の蹉跌

2006-11-05 21:32:18 | Weblog
 第1回芥川賞を受賞した、石川達三が描いた江藤賢一郎と大橋登美子の歪んだ愛。ありようは納得出来た。何となく悲しいけれど。実在したとしてもおかしくはないふたり。生きるてるって感じ。あまり幸せとは言えないけれど、肩寄せ合って何とか生きてるってちょっと寂しい。若いからこれでも良いのか、年をとってからだったらたまらないけれど。自己中心的な賢一郎と気ままに生きる登美子。けれどそれは、そう見えるだけで本人達にしてみたらどうだったんだろうか。そんな風に装っていたのかも知れないよね。内心はどんな葛藤があった事か。第三者には分かりません。結末はどちらにとっても不幸に終わった。愛する賢一郎に命を奪われた登美子の方がまだ幸せだったのかな。最も、その愛が真実だったのかどうかも本当のところは分からないし、ね。複雑な恋心。命の取り合いに何てならずに本当の幸せを手に入れられる恋が、ひとつでも多く実りますように。新たに愛する事から縁遠くなりつつある今、つまらないそんな事を思う。

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