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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スメルジャコフの父&美容院

2012-06-09 18:34:57 | 歌・小説
 スメルジャコフの場合というのは,『カラマーゾフの兄弟』の中で,当時のロシアのキリスト教の影響が,現在の僕たちにはよく分かりにくい仕方で影響していたのですが,そのスメルジャコフの父親は,フョードルではなくて,下男のグリゴーリーではないかというのが,僕が『カラマーゾフの兄弟』を読んだときの印象でした。僕がそのように思った理由というのは,グリゴーリーのスメルジャコフに対する愛情というものが,親子としか考えられないほど度を越したものであるように感じられたからです。
                         
 僕は実はこんなふうに考えている人はそうはいないのだろうと思っていたのですが,驚いたことにロシア文学者にしてドストエフスキーの翻訳も多くこなしている亀山郁夫が,『ドストエフスキー 謎とちから』という著書の中で,グリゴーリーがスメルジャコフの真の父親ではないかという説を展開しているので驚きました。
                         
 亀山はロシア文学者ですから,単に僕のように,プロットだけを理由にこのような説を展開しているわけではありません。
 ロシア語で農奴はスメルドといい,これがスメルジャコフという名前の語源になっていると考えられるそうです。この当時のロシアの身分制度では,もしもスメルジャコフが農奴であるならば,その親が農奴でなければならないとのこと。まず,スメルジャコフは母親は明らかにされていて,これはリザヴェータなのですが,リザヴェータは商人であり農奴ではありません。したがって父親が農奴でなければなりませんが,フョードルはむしろ農奴を雇う方の身分。つまり貴族です。そこでカラマーゾフ一家の周辺で農奴という身分の男,つまりスメルジャコフの父親に相応しい身分の男を探すならば,それはグリゴーリー以外にはいません。これが亀山の説の主要な構成です。
 もちろん,ドストエフスキーが本当にどう考えていたのかは不明です。しかし,ドストエフスキーにもロシア語にも堪能な亀山郁夫がこのような説を展開しているということは,僕の『カラマーゾフの兄弟』の読解も,あながちおかしなものとはいえないのではないかと思え,何となく自信のようなものが産まれました。

 実際には口座の開設などの手続きは,いかに簡単であったとはいえ,それなりに時間が必要なものでした。ですから実際に僕が馬券や車券のインターネット投票が可能になるまでの間にも,ここに記しておくべきいくつかの事柄がありました。
 祖母の四九日法要から一週間後となる日曜日,日付でいえば2月に入って5日に,と妹は美容院に行きました。
 これは母が妹を連れて行ったというものではなくて,ふたりで行って共に髪をカットしてくるのです。僕は今は坊主にしていますから調髪は自分で済ませますが,母と妹は概ね1ヶ月に1度の割合で美容室に通っています。母の異変が生じてから,母が磯子中央病院に入院し,退院してくるまでの期間がおおよそ2ヶ月。ですからその間にも妹は2度,この美容室へ通ったのですが,そのうち1度はロサンゼルスの伯母が,もう1度は昨年に急性呼吸不全で急死したK伯母が同行してくれましたので,僕自身はこの美容院には1度も行ったことがありません。ただ場所は知っていまして,根岸駅のほど近くです。
 美容院に行く場合には必ず事前に予約を入れます。大抵は土曜日か日曜日の午後2時に入れます。この日も同様でした。したがって,決まった時間に調髪が始まり,そして調髪に掛かる時間というのも日によってそうも大きな差が出るということはありませんから,大体は同じくらいの時間で終了となるわけです。したがってこのように母と妹がこの美容院に行く場合には,いつも同じくらいの時間に家を出て,やはり同じくらいの時間に帰宅するということになります。その帰宅時間というのは午後4時前で,もちろん多少のずれはありますが,ほとんど一定していました。
 なのでこの日も同じ時刻に家を出たのですが,午後3時を少し回ったくらいの時刻にはふたりが帰ってきました。それで僕は今日はずいぶんと早く終ったのだなと思ったのです。ただ,このときは僕は自宅の2階にいまして,玄関のドアが開いたので帰ってきたということが分かっただけであり,その事情をはっきりと知っていたというわけではありません。僕が階下に行ったのはたぶん午後4時前後だったのではないかと思うのですが,そのとき,母は具合が悪いといって横になっていたのです。つまり,調髪が早く終ったのではなく,具合が悪くなったから,調髪はしないで帰ってきたということだったのです。
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東京ダービー&売上

2012-06-07 19:15:54 | 地方競馬
 地方競馬はダービーウィークの真っただ中。南関東の第58回東京ダービーは昨晩でした。
 ゴールドキャヴィアやスカイインテンスの逃げも考えられるところではありましたが,キョウエイロブストの逃げになったのは最も可能性が高いと思われた展開。ディーオとカントリーウォークが追っていき,メビュースラブ,ベルモントレーサーと,外目の枠の馬たちが先行。好位に構えたのがゴールドキャヴィアとスカイインテンス。エミーズパラダイスとキタサンツバサ,ブルーソング,ジャルディーノあたりまでが中団を形成しました。最初の1000mは61秒8でこれはハイペース。
 3コーナー過ぎからエミーズパラダイスが動き出すと,先行勢も呼応,キョウエイロブスト,ベルモントレーサー,ゴールドキャヴィア,キタサンツバサの4頭はほぼ雁行で直線。その外にエミーズパラダイスで,さらに外を後方から追い上げてきたアートサハラ。さらにダイヤモンドダンスがいて大外を最後尾にいたプレティオラス。内の4頭は一杯で代わってこの馬群を捌いてきたプーラヴィーダで叩き合い。大外を伸びたプレティオラスが僅かに抜け出して優勝。2着はエミーズパラダイスを内から競り落とす形でプーラヴィーダ。クビ差の3着にエミーズパラダイス。
 優勝したプレティオラスは昨年8月に北海道でデビュー。10月まで6戦して1勝2着2回で南関東に。転入初戦で勝ってからは6連敗していましたが,前走の羽田盃は3着でしたから有力馬の1頭でした。末脚勝負型で,展開が向いたことも確かですが,ブルードメアサイアーがダンスインザダークで,距離延長もプラスに作用したものと思います。今後も活躍の場はわりと長めの距離ということになるのではないでしょうか。京浜盃を勝ったパンタレイの従弟です。Pretiolasはラテン語で褒美。
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は昨年の東京湾カップ以来の南関東重賞4勝目で東京ダービーは初勝利。管理している大井の森下淳平調教師はこれが東京ダービー初挑戦。それでワンツーフィニッシュですから最高の結果でしょう。

 ただし,オッズパークにはふたつの難点がありました。まず,オッズパークの地方競馬は,すべての地方競馬をカバーしているわけではなく,僕にとってはここが最も肝心であったといえる,南関東競馬の馬券を買うことができなかったのです。さらに競輪の方も,購入できない競輪場が存在していたのです。
 つまり,オッズパークの利点というのは,地方競馬の馬券だけでなく競輪の車券も買えるということ。それもただ単に買えるというだけでなく,ジャパンネット銀行からオッズパークに入金してしまえば,それで馬券も車券も両方とも買うことができるのです。つまり,馬券が的中すればそれをそのまま車券の資金に回すことができましたし,その逆も可能でした。そして僕はこの利点を最重要視しました。つまり僕にはふたつの方法があり,ひとつはオッズパークではなくてすべての地方競馬の馬券を購入することが可能な請負会社に申し込み,それとは別に競輪のネット投票をどこかで申し込むことで,そしてもうひとつが,オッズパークに申し込んで,南関東の馬券と_オッズパークで買えない競輪場の車券は別の方法でインターネット投票ができるようにすることだったのですが,僕は後者の方を選択したということです。そこで南関東の馬券に関してはSPAT4という,南関東競馬の馬券だけを専門的に発売するネット投票に申し込んだのです。もちろんここも,ジャパンネット銀行に口座の開設がしてあれば,すぐに投票を申し込むことができました。一方,競輪はオフィシャルサイトから投票を申し込めますので,こちらはさほど問題とはなりません。
 近年,JRAは売り上げが減少していますが,それでも発売金額だけをみるならば,これだけの売り上げを誇る競馬主催者というのは世界的にも稀です。それに比べますと,地方競馬とか競輪は,赤字を生んでいるところも少なくありません。僕の購入額などはたかがしれていますから,そうした赤字に対していうならば焼け石に水といっても過言ではないでしょう。ただ僕自身は,競馬も競輪も,できる限り長く続いてほしいと切に願っています。なのでネットで簡単に投票することが可能になって以降は,それまでよりも積極的に馬券や車券を購入するようになりました。もちろんギャンブルを楽しみたいという気持ちが第一ですが,売り上げに貢献したいという気持ちも同時にあるのです。
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棋聖戦&入金

2012-06-06 19:23:13 | 将棋
 淡路島で開幕した第83期棋聖戦五番勝負第一局。先月の対局が公式戦初対局で,それは羽生善治棋聖が勝ちました。
 振駒で先手は羽生棋聖。中村太地六段は横歩取りに誘導し,8四飛-5二玉-5一金の構え。よくある進行から後手が決然と仕掛け,一気に戦いになりました。観戦は下図から。
                         
 ▲8八香に逃げたところ。1回は▲8六角の王手。△6四歩と受けました。対して▲4九王と早逃げ。△3五金の飛車取り。▲6六飛と逃げ,△6五香を打たせてから▲5六飛の王手。△5五歩は当然です。▲1六飛も予想通り。あくまでも飛車を狙って△2四桂ないしは単に△1四歩と突く手を考えていましたが△6七銀不成でした。これは銀と刺し違える手を避ける意味でしょう。ただし先手も歩がなくなったので▲6三歩。これは△同玉よりありません。そして▲8三歩成でした。この手は考えていませんでしたが,勝負にするならこれしかなかったかもしれません。すぐに銀を動かすかとも思いましたがまず△3六桂と打ち,▲3九王と早逃げさせてから△5八銀成と追っていきました。次の▲5九銀は部分的な手筋のひとつ。△同成銀▲同角は必然の進行に思えます。
                         
 後手からはもうひと押しといった感じの局面。△6九香成としました。自玉の上部を開く一石二鳥の手。先手は▲7三と。取るのは危険ですから△5四王は当然に思えます。そこで▲6五歩と封鎖しました。詰めろなのかどうか検討していると指し手は△5九成香。1分将棋なので検討結果が出る前に進行しますが,中村六段は詰めろでないと読んだようです。▲5一龍では届きませんから▲6三銀。△同銀に▲5三金。ここまで指されて,どうやら詰んでいることが分かりました。実戦はここで投了となっています。
 まったく受けが効かなかったようには思えず,頓死のような形で羽生棋聖の先勝。第二局は23日です。

 もちろん口座の開設だけでインターネット投票がすぐに可能になるというものではありません。その口座に入金されていなければならないわけです。そしてこれが,僕がジャパンネット銀行を選択した第二の理由になります。ジャパンネット銀行の口座に入金する場合,僕が口座を開設したその時点でいうならば,一定額以上の入金に限られてはいたのですが,ゆうちょ銀行のATMから手数料なしで入金することが可能でした。先述したように郵便局は僕の家からすぐ近くにあり,そこにはもちろんゆうちょ銀行のATMがありまして,僕はそれでペイジーを利用してそれまではネットショッピングをしていたわけですから,これは僕にとって非常に利便性が高かったのです。
 さらにいうなら,当初の目的はあくまでもJRAの馬券をインターネットで投票することでしたが,僕は別に中央競馬にだけ関心があるというわけではなく,地方競馬にも関心がありますし,とくに住んでいるのが横浜ですから,南関東競馬にはとりわけ関心がありました。南関東競馬の馬券を買う場合,桜木町に場外発売所があるのですが,これは会員制。ですから僕は可能である場合には最も近い川崎競馬場まで馬券を買いに行っていました。現在は併売が普通ですから,そこで南関東以外の地方競馬の馬券を買うこともありました。しかし川崎競馬場はWINS横浜よりずっと遠いですから,ネット投票の利便性だけでいうなら,僕にとってはJRAの馬券よりも地方競馬の馬券の方が高いことはいうまでもありません。僕は最初からそれも視野に入れていました。
 地方競馬の馬券をネットで購入するにはいくつかの方法,というか請負会社があるのですが,僕が目をつけたのはオッズパーク。というのは,オッズパークに登録すれば,地方競馬の馬券だけではなく,競輪の車券も購入することが可能だからです。僕は競輪も趣味のひとつですから,これは魅力的でした。そしてオッズパークも,ジャパンネット銀行に口座を開設してあれば,すぐに登録が可能,つまりその日のうちに馬券と車券を買うことが可能だったのです。これが,僕がジャパンネット銀行に口座を開設した第三の理由でした。
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ゴールド・ウイング賞&口座の開設

2012-06-05 18:34:25 | 競輪
 開催中にはレインボーカップファイナルなども併せて行われた西武園記念の決勝。並びは武田-平原-宗景-金子の関東,上野-松谷ー中村の南関東で,吉本に佐藤。
 前受けが武田,中団に吉本,後方に上野での周回。残り2周のホームから武田が誘導との車間を開け始めると,まず吉本から上昇し,関東ラインを叩いて前に。バックから上野も動き,中村までが出きって打鐘。武田は巻き返しに行く構えを見せたものの,上野が緩めなかったので引いて6番手。先捲りを仕掛けたのは吉本。しかしバックでは松谷がこれを牽制。吉本が失速したのをみて番手捲りを敢行しましたが,さらにその上を後方から武田が捲りきりました。しかし平原は中村にどかされ,武田の後ろは中村。しかし前との差は直線に入ってもさほど詰まらず,振り切った武田が優勝。中村が2着で,3着は中村の後ろとなった宗景が松谷を捕えました。
 優勝した茨城の武田豊樹選手は4月の高知記念以来の優勝でGⅢ17勝目。その後,2度の落車があり,欠場もあって心配していたのですが,もう問題なかったようです。そうなればここでは力が上ですから,平原の地元であったということを考慮に入れても,自然な優勝という気がします。2段駆けのさらに上を捲ったのですから,かなり強い内容であったといってもいいのではないでしょうか。
                         

 僕がそれまでインターネット投票をしていなかったのには,もうひとつ別の理由もありました。実は僕にはネットバンクの口座がなかったのです。
 僕は最近では,古本屋で購入する古書を除けば,本はほぼネットで購入しています。このように,本に限らず,ネットで買い物をするということはそれまでにもありました。しかしネットバンクの口座は作っていませんでしたから,その場合にはペイジーを利用していたのです。実は僕の家のすぐ近くには郵便局がありまして,ペイジーの振り込みはそこで可能です。ペイジーならば手数料も掛かりませんでしたから,大抵のことはそれで済ますことが可能で,それで不便さはまったくといっていいほどありませんでした。
 しかし,ネットで馬券を購入するという場合には,ネットバンクで口座を開設する必要がありました。当初の目的は,まずJRAの馬券をインターネットで購入することができるようになること。JRAのネット投票というのは,主にふたつの種類がありまして,そのうちのひとつは登録するのにえらく時間が掛かり,もうひとつは,JRAが指定するネットバンクの口座が開設してあれば,すぐに登録することが可能であるもの。僕は後者の方を選択しました。
 必然的に,JRAが指定しているネットバンクに口座を開設する必要があります。つまり実際の手順としては,先にネットバンクに口座を作り,その後にインターネット投票を申し込んだということになります。
 JRAが指定していたネットバンクは,確か4つほどあったのではないかと思います。僕が選択したのはジャパンネット銀行でした。この選択にはいくつかの理由がありました。
 僕は,それら指定されている銀行の口座開設の手続きの方法はすべて調べましたが,ジャパンネット銀行はかなり簡単に思えました。これが第一の理由です。実際,まず口座を開設したい旨のメールを送信。するとそのために必要な手続きのための書類が郵送されてきました。こちらでそれを記入し,さらに必要な自己確認のための書類を同封して郵送。すると先方からまた封書が送られてきて,その手順に則って簡潔に口座を開設することができたのです。
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農林水産省賞典安田記念&インターネット投票

2012-06-03 18:56:19 | 中央競馬
 香港から2頭が遠征してきた第62回安田記念
 逃げなければ勝負にならないシルポートの先導。リアルインパクトが2番手につけ,3番手にエイシンアポロン。コスモセンサーとドナウブルー,ラッキーナインとペルーサがそれぞれ並ぶように続きここまでが先行集団。ガルボ,サダムパテック,アパパネあたりが好位を形成し,グランプリボスとマルセリーナが中団。後方集団の最前列からストロングリターンといった隊列。前半の800mは44秒9で,これはハイペースと考えていいでしょう。
 直線はかなり激しいレースとなりましたが,最終的には馬群の中央を伸びてきたグランプリボスとストロングリターンの叩き合いに。外のストロングリターンが競り勝ってレコードタイムで優勝。グランプリボスが2着。2馬身差の3着にはコスモセンサー。
 優勝したストロングリターンは昨春の京王杯スプリングカップ以来の勝利で大レース初制覇。3歳までは大した実績がありませんでしたが,4歳春に1000万条件を勝ってからは進境目覚ましく,5歳の昨年にオープン馬となり重賞制覇。その後も掲示板は外していません。もう6歳なのですが,まだここが19戦目と大事に使われてきていて,その花が今日になって開いたというところ。連戦に耐えることができない馬なのかもしれませんが,これからも大きく崩れることはないように思いますし,まだ大レース勝ちを増やしていくことができる素材だと思います。父はシンボリクリスエス。2006年のジャパンダートダービーを勝ったフレンドシップとは母同士がはとこという同じ一族です。
 騎乗した福永祐一騎手は昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来の大レース制覇で安田記念は初勝利。管理している堀宣行調教師は昨年の安田記念以来の大レース制覇で,連覇となる安田記念2勝目。

 このとき,僕が真直ぐに家には戻らず,WINS横浜に寄ったのは,それだけの時間的な余裕があったからではありますが,僕自身に馬券を買いたいという強い欲望,スピノザの哲学における基本感情のひとつがあったからです。
 昨年の3月11日の大地震の後,関東でのJRAの競馬再開まで,WINS横浜は閉鎖されていました。よって僕はこの間は中央競馬の馬券を買っていなかったわけです。もちろんそのときにも,僕自身には馬券を買いたいという欲望はあったわけですが,当時は仕方がないと思っていました。というのは,WINSの閉鎖というのは,僕からしてみれば外的な要因なのであって,そうした理由によって馬券を買えないとしても,それは僕自身の力によって打開するということが可能なものではないからです。ところがこの日の場合はそうではなく,馬券は売っているけれども,僕自身の時間的な都合によって,それを買えなくなる可能性があったのです。こちらはいわば内的な要因。そしてこうした内的な要因によって馬券を買えなくなるかもしれないということは,別にこの日に限ったことではなく,これからも十分に生じ得ることです。これは馬券の購入に限らずどんなことでもそうなのですが,僕の場合,内的な要因によって自身の欲望を断念せざるを得なくなるということは,外的な要因によって断念しなければならなくなる場合より,悔いの念がずっと強くなります。したがって,これ以降はそうした悔いを残さないで済むようにと,もしもWINS横浜まで出向くことができなくても,馬券を買うことができるような手筈を整えることにしました。要するにインターネットで馬券を購入できるようにすることにしたわけです。
 内容については後で詳しく示しますが,手続き自体はごく容易なもので,現在はネットでも馬券を買えるようになっています。またこれは,中央競馬がそうであるというだけではなく,地方競馬もそうですし,競輪も同様です。したがって以前は必ずしもそうではなかったこともあるのですが,現在は,僕がこのブログにおいて紹介している中央競馬と地方競馬,そして競輪のレースに関しては,必ず何らかの馬券ないしは車券を購入した上で記していると考えてもらって構いません。
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イワンの場合&途中退席

2012-06-02 18:54:13 | 歌・小説
 スメルジャコフの場合には,理解しにくい形でキリスト教の影響が潜んでいるのですが,全体としていえば『カラマーゾフの兄弟』は,ドストエフスキーの小説の中でもキリスト教色が濃いものであると僕は思います。ここではイワンの場合を考えてみます。
                         
 イワンが無神論者であるか否かを二者択一で答えよと問われれば,僕は無神論者であると答えます。イワンが書いた「大審問官」のラストシーンをどう解釈するべきかは微妙なところですが,僕はイワンは神の不在を確信している,少なくとも神の実在に疑問を抱いていると思います。
 イワンがそう考える理由は,悲惨な,あるいは不幸な子どもが現実的に実在しているからです。もしも神が本当に存在するならば,子どもがそのような立場に置かれる筈はないというのがイワンの考え方。しかし現実にそういう子どもがいる。よって神は本当は存在していないのではないかというのが,イワンの基本的な論理構成になっていると僕は理解します。
 しかし一方で,イワンの精神のうちには,神の実在を渇望するような欲望が強くあると僕は感じます。アリョーシャは神の実在を信じてやみませんから,それと比較するのは妥当ではないかもしれませんが,神の実在を望む気持ちは,僕はむしろイワンの方がアリョーシャよりも強いくらいだと思います。『カラマーゾフの兄弟』の中で,僕の心に最も焼き付いている一節は,すでに紹介したイワンがアリョーシャに語る平和のイメージですが,こうしたことばがイワンの口をつくのは,確かにイワンが神の実在を渇望しているからだと僕には思えます。
 このイワンの逡巡は,実はドストエフスキー自身にも妥当するのではないかと僕は考えています。つまりドストエフスキー自身が,神の実在を渇望しつつ,神の実在に拭うことができない疑問を抱いていたのではないかと思うのです。
 確かにイワンは無神論者ではあるでしょう。しかしイワンは,ニヒルな無神論者ではなく,むしろ神の存在を熱望してやまない無神論者として描かれていると僕には思えます。そして神を渇望する無神論者とは,ドストエフスキー自身のことではなかったかと思うのです。

 納骨などの法事のときには喪服を着用します。汁物というのはどうしても跳ねてしまいますから,このとき叔父が昼食の場としてちゃんこ鍋屋を選択したこと自体は,あまりよくなかったのではないかという気がします。
 僕はこの場には最後までいませんで,途中で退席しました。これは事前に,もしも可能ならばそうしたいとに打診していたもの。というのも,僕はこの日はできれば長者町に出掛けておきたい用事があったからです。
 このちゃんこ鍋屋から大和駅までは歩いていくことができました。そこで午後1時10分過ぎにはひとりだけ先に店を出て,相鉄線で横浜へ。横浜から家へは根岸線に乗るか,そうでなければバスということになります。しかし僕が事前に想定していたよりかなり早くに店を出ることができましたので,このときは京浜急行に乗り換えて日ノ出町へ。そしてWINS横浜に寄って馬券を購入してから戻りました。この日は馬券は買うことができないだろうと思っていたので,これはこれでよかったのですが,むしろ損をしてしまいましたので,本当によかったといえるのかどうかは微妙なところです。この日の東京競馬のメーンは白富士ステークスで,明日の安田記念に出走するペルーサが断然の人気になって2着に負けたレース。僕が帰宅したのは午後3時過ぎでしたので,テレビでこのレースは観戦することができました。そして外出する用意をしている間に母と妹が帰宅。僕が再び長者町へと外出したのは午後4時過ぎでした。
 実はWINS横浜と長者町というのはすぐ近く。WINS横浜からすぐの日ノ出町の交差点から大岡川を渡ってしまえばそこは長者町です。もっとも,そこは長者町9丁目で,僕が行かなければならなかった長者町3丁目とはバス停でふたつかみっつ分の距離はありますが,歩けないわけではありません。事実,馬券を買った帰りにそこへ寄っていくということはそれまでにも,そして今でもよくあることなのです。したがって本当は馬券を買ってから一旦は帰宅するというのはあまり合理的ではなかったのです。ただ,この日は馬券を買ったときはまだ喪服のままで,そのままそちらに行くというのはあまり好ましくありませんでしたので,わざわざ手間になるようなことをしたのです。
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