スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

メンデルスゾーンの選択&懇親会

2015-05-15 19:06:03 | 哲学
 汎神論論争の説明の最後の部分で,僕はメンデルスゾーンがスピノザ主義を支持する立場を選択したといいました。これには異論も予想されます。僕の見解を詳しく説明しておきましょう。
 レッシング自身がスピノザを死んだ犬と評していたように,この時代にあっても,スピノザ主義を標榜することには,無神論との関係で危険が伴っていました。カトリックの勢力が強かったフランスに対し,ドイツはプロテスタントが優勢で,プロテスタントの左派の教義は,スピノザ主義とも相容れる要素を有していると僕は考えますが,そのドイツでも,基本的にはこうした状況であったわけです。
 ですからメンデルスゾーンも,当初はレッシングがスピノザ主義者であるというのは誤解であるということを主張しようとしたということについては,僕は認めます。しかし汎神論論争の主導権は常にヤコービの側にありました。これはおそらくヤコービが反スピノザの立場でありながら,哲学に関してはスピノザのよき理解者であったからだと思われます。実際にヤコービは,神学と無関係の部分でスピノザの哲学がほかの哲学と相対する場合には,スピノザの哲学の方を擁護する傾向がありました。要するにヤコービはメンデルスゾーンよりずっとスピノザの哲学に精通していたので,論争の主導権を握ることなどは容易かったのだと思います。そこでヤコービは論争を巧みに進め,メンデルスゾーンは,レッシングがスピノザ主義者ではなかったと主張することを許さず,スピノザ主義を擁護する立場に回したのです。
 したがって,メンデルスゾーンがスピノザ主義を擁護する立場に立ったというのは,結果的にそうなったという意味です。メンデルスゾーンが意図的にそういう立場を選択したというようには僕も考えてはいません。
 汎神論論争がこのような仕方で進行したのは,スピノザの哲学にとってはむしろ幸いしたと思われます。実際には論争ではなく,ヤコービがメンデルスゾーンとレッシングを仮想の敵と仕立て上げた,ヤコービ自身の内なる対話であったかもしれませんが,その内なる対話に外部から意見が飛び交うことにより,スピノザ主義にも受容の余地があるのではないかということが明らかになったと思われるからです。

 芸術祭の日は,母が妹を施設まで送った後でI歯科へ。ちょうど1週間前に抜いた刺し歯を新品に交換しました。当初は母も違和感を訴えることがありましたが,現在はそれもなくなっています。僕がブリッジを入れたときもそうでしたが,こういうのは慣れの影響が大きいのでしょう。僕はこの日も川崎で,午後4時半頃に帰宅。これも早い方です。
 3月8日,日曜日。僕が大学時代にお世話になったゼミの教授が,定年のためこの3月で退官することになり,その懇親会というのが渋谷のイタリアンレストランでありました。時刻は14時からで,概ね1時間から1時間半。中途半端な時間だと思われるかもしれませんが,これには事情があります。
 教授が僕の大学で教鞭をとるようになったのは,僕が入学する少し前からでした。ほかの大学から転任してきたものです。教授は赴任してすぐにゼミの授業を開始しましたから,僕よりも上の世代というか学年もあり,僕たちは5期生に該当します。僕が卒業した後も,ずっと同じ大学でゼミを続けました。僕が卒業してもう20年以上が経過していますから,後輩の世代は25代くらいはあることになります。それらすべてが一堂に会することになると,大変な人数になってしまいます。よって3世代ずつを集めて,時間ごとに配分しました。それで僕たちはこの時間になったものです。おそらく正午に開始されて,僕たちは2回目であったのでしょう。この日だけで終らせたのか,それともまだ別に日があったかは分からないのですが,最後は夜8時とか10時とかになった筈だと思います。教授の意向で,教授がゼミ生を招待するという形式になったため,会費は1000円でした。
 懇親会の報知はだいぶ前に届いていました。母の発熱があった頃,1月14日に鶴見市場から帰ったときに,ゼミの同級生から手紙で届いていたものです。僕はメールも使っていますが,頻繁にやり取りをしているわけではありません。アドレスを変えていますから,メールでは届かなかったものでしょう。相手のメールアドレスもその手紙に書いてありましたので,返事はメールで送ってありました。もうそのときから楽しみにしていたのです。

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