スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ&ヤコービ

2014-12-14 19:25:43 | 中央競馬
 2歳女王を決める第66回阪神ジュベナイルフィリーズ。田辺騎手が病気のためスマートプラネットは酒井学騎手に変更。
 ロカが大きく出負けしてしまい最後尾。ただ,馬群にはわりと早く取りつくことができました。これはその他の馬もほとんど一団でのレースになったため。向正面の半ば過ぎから先手を奪ったスマートプラネットと,これを追い掛けたアカリアイドルの2頭が抜け出し,3番手となったムーンエクスプレス以下との差を開いていくことに。前半の800mは47秒2のミドルペース。ただペースを作ったのは前の2頭ですから,事実上はスローペースであったと考えていいでしょう。
 こういうレースではあまり外を回っては不利になります。直線で逃げたスマートプラネットを差して一旦は先頭に出たのがムーンエクスプレス。しかしこの馬はそこで一杯。スマートプラネットとムーンエクスプレスの間からココロノアイ,ムーンエクスプレスの外からレッツゴードンキが伸び,レッツゴードンキが先頭に。勝負あったと思ったのですが,後方の内寄りを進み,馬群を捌きつつ最後はレッツゴードンキの外に出されたショウナンアデラが凄まじい瞬発力でレッツゴードンキを差して優勝。レッツゴードンキが半馬身差で2着。ココロノアイがさらに半馬身差で3着。
 優勝したショウナンアデラは10月に2戦目で初勝利をあげると続く条件戦も連勝。3連勝での大レース制覇。鞍上のコース選択が巧みであった面はありますが,このペースで後方からというのは展開的には不利で,フィニッシュ前の瞬発力もかなりのもの。そう考えればトップクラスの能力を持っているというのは間違いないでしょう。来年のクラシック戦線でも期待していい馬だと思います。父はディープインパクト。Adelaは人名とのことですが,具体的にだれというのは僕には思い浮かびません。
 騎乗した蛯名正義騎手は今春の天皇賞以来,約7ヶ月ぶりの大レース制覇。第61回以来5年ぶりの阪神ジュベナイルフィリーズ2勝目。管理している二ノ宮敬宇調教師は一昨年のエリザベス女王杯以来およそ2年ぶりの大レース制覇で阪神ジュベナイルフィリーズは初勝利。

 ライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizがスピノザの実体substantiaと属性attributumを巡る形而上学に同意していないという前提,そして後に示すと約束したスピノザの哲学とライプニッツの哲学との間にある最大の相違と僕が考えている事柄は,僕の考えでは,思想家としてのライプニッツ以前の問題として,宮廷人としてのライプニッツと大いに関係してきます。今回のテーマの由来は,『宮廷人と異端者The Courtier and the Heretuc : Leibniz,Spinoza,and the Fate of God in the Modern World』を読んだことにあると僕は述べましたが,これはそのひとつです。なのでこの部分に関連する事柄を,ここから説明していきましょう。
                         
 まず,これは一般論としていうのですが,ある思想を正しく認識するcognoscereということ,いい換えればある思想のよき理解者であるということと,その思想を否定するnegareということは,同じ人間のうちで,両立し得ます。ライプニッツのスピノザに対する関係もこれであると僕は認識していますが,スピノザの哲学で最もこれに該当するのは,1780年前後に活躍したドイツの思想家であるヤコービFriedrich Heinrich Jaobiだと思います。
 ヤコービは,神学的見地からスピノザ主義に敵対しました。この敵対の理由は,ライプニッツともよく似ているように僕には思えるのですが,その点はまた後で示します。ヤコービはスピノザの哲学に反対するために,スピノザの哲学をかなり詳しく研究しました。これはゲーテJohann Wolfgang von Goetheが生きていた時代のことで,ヤコービとゲーテは会ったこともありましたし,多くの書簡のやり取りもしています。ニーチェとゲーテについて触れたときにいったように,ゲーテはむしろ親スピノザ的でした。そのゲーテがヤコービに送った手紙の一通,1785年6月9日付のものの中に,ヤコービはスピノザの哲学を正しく認識しているという意味のことが書かれています。
 ヤコービのスピノザの哲学の研究のすべてを知っているわけではありません。ですから僕はゲーテのように,ヤコービによるスピノザ研究の内容が正しいかどうかは言明できません。ただ,スピノザ哲学の研究の歴史において,ヤコービが果たした役割が大きかったということは,『スピノザ入門Spinoza et le spinozisme』や『人と思想 スピノザ』でも触れられている事柄であり,間違いないといっていいでしょう。
コメント
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