スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

報知盃東京記念&円の形相的本性

2023-09-07 18:59:15 | 地方競馬
 昨晩の第60回東京記念。ライアン・クアトロ騎手が4日の12レースで落馬し左の肩甲骨を骨折したためコバルトウィングは張田昂騎手に変更。
 隊列が決まるのはわりと早く,逃げたのはランリョウオー。2番手に控えたのがウェイキー。3番手にヴェルテックス。4番手はセイカメテオポリスとレッドソルダード。6番手にミヤギザオウとフレッチャビアンカ。8番手にハデスキーパーとカイル。10番手にコバルトウィング。11番手にコスモポポラリタとフォルベルール。13番手にトーセンブル。6馬身差の最後尾にマンガン。最初の1000mは64秒4の超スローペース。
 3コーナーではヴェルテックスが2番手に。レッドソルダードが外から追い上げてきて内からはフレッチャビアンカ。直線に入っても楽な逃げだったランリョウオーは楽で,ヴェルテックスが必死に追い掛ける形。そのヴェルテックスの外からセイカメテオポリスが伸びてきて,逃げ粘るランリョウオーを差し切って優勝。ランリョウオーが4分の3馬身差で2着。向正面から追い上げを開始したマンガンが一旦は3番手に上がったのですが,ヴェルテックスとマンガンの間を突いたミヤギザオウがフィニッシュ直前でマンガンを差して1馬身半差で3着。マンガンはハナ差で4着。
 優勝したセイカメテオポリスはここが大井記念以来のレースで南関東重賞3勝目。このレースはランリョウオー,セイカメテオポリス,マンガンの3頭の能力が上でしたから,結果としては順当なもの。馬場状態とペースは逃げたランリョウオーに有利でしたから,それを差し切ったのは地力の違いとみることができます。つまりほかの馬に対して能力が上回るようになったとみてよいのではないでしょうか。母の父はディープスカイ
 騎乗した金沢の吉原寛人騎手スパーキングサマーカップ以来の南関東重賞32勝目。第53回,56回に続き4年ぶりの東京記念3勝目。管理している大井の渡辺和雄調教師は南関東重賞10勝目。第51回,53回に続く7年ぶりの東京記念3勝目。

 スピノザの哲学において現実的に存在する人間が円の真の観念idea veraを有するとは,その人間の精神mens humanaが,円の発生を正しく認識するcognoscereということを意味します。この場合は,円の発生を正しく理解することは,円の定義Definitioを正しく理解することと同じです。いい換えれば,円の正しい定義というのは,円の発生を含むようなものであるということです。
                                   
 では円の発生を精神が正しく認識するというとき,何を認識すればよいのかといえば,一端が固定し一端が運動する直線によって形成される図形であるということです。この命題が円の発生を示しているということはそれ自体で明らかでしょう。よってこれはスピノザの哲学における,円の正しい定義であることになります。そしてこのことを精神が正しく認識すれば,その精神は,このように発生する図形つまり円から流出するすべての事柄を正しく認識することができます。あるいはこれはほとんど同じ意味ですが,円という図形が有しているすべての性質を正しく認識することができるのです。これはちょうど,事物の本性essentiaからその事物の特質proprietasが必然的にnecessario流出するということに対応します。すなわち,一端が固定しもう一端が運動する直線によって形成される図形という命題は,円の発生を示し,また円の定義であるだけでなく,円の本性でもあるということになります。そしてとくにこの本性は,現実的に存在する人間の精神によって認識されるということを前提していますので,円の形相的本性essentia formalisということになります。つまり,円の形相的本性は円の定義であって,その中に円の発生を含んでいるということです。
 ここの部分にはしかし,注意しなければならないことが含まれています。まず,このことは,現実的に存在する人間がいかにして円の真の観念を有するかということだけを説明しています。ですから,円の真の観念を有するための,一端が固定されもう一端が運動する直線の運動の観念というのは,円の真の観念であるから意味があるのであって,単に直線の観念としてみるなら真の観念ではあり得ません。直線の本性の中には一端が固定されてもう一端が運動するということが含まれているというわけではないからです。
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