スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典サマーチャンピオン&第二部定理三二の意味

2023-09-01 19:33:22 | 地方競馬
 昨晩の第23回サマーチャンピオン
 一旦はヘリオスが先頭に立ちましたが,外から押していったサンライズホークが追い抜いてこの馬の逃げになりました。2番手にヘリオスで3番手にマテラユウキ。4番手のレディバグまでは差がなく続きました。2馬身差でデンコウリジエール。6番手にオマツリオトコで7番手のハナブサまでが集団。3馬身差でエスケイファースト。ここからは離れてキタカラキタムスメ,離れてウノピアットブリオ,また離れた最後尾にクレールアドレ。前半の600mは37秒3の超スローペース。
 逃げたサンライズホークは3コーナーからヘリオスとの差を広げていくと,そのまま楽に逃げ切って優勝。懸命に追うヘリオスの内からデンコウリジエールで外からレディバグ。3頭で2番手を争うところレディバグのさらに外からオマツリオトコが追い込み,2馬身半差で2着。レディバグが半馬身差の3着。デンコウリジエールがクビ差の4着でヘリオスがハナ差で5着。
 優勝したサンライズホークは重賞初制覇。デビューが3歳の6月と遅かった馬で,9月に2戦目を勝つとそのまま4連勝してオープン入り。ただオープンに入ってからの3戦は結果を残せていませんでした。ここはブリンカーを装着して逃げるという競馬を選択。これが最も力を出せるということなのでしょう。最善の策を見つけたのは大きいですが,相手が強力であったというわけではない上に,かなり楽なペースでの逃げになりましたので,恵まれた部分もあったのではないかと思います。父はリオンディーズ
                                        
 騎乗したミルコ・デムーロ騎手と管理している牧浦充徳調教師はサマーチャンピオン初制覇。

 すべての観念ideaは神Deusを内在的原因causa immanensとして神のうちに存在し,かつ神を最近原因causa proximaとして存在します。したがって,因果関係において神と関係させることができない観念は存在しません。このように考えれば,第二部定理三二でいわれているのは,実際には存在するすべての観念は真verumであるということになってきます。
 ではスピノザがこの定理Propositioでそのようにいいたかったのかといえば,このように解するのも無理があると僕は思います。というのは,もしこの定理の証明において,本来的特徴denominatio intrinsecaからみたときに十全な観念idea adaequataである観念は,外来的特徴denominatio extrinsecaからみた場合には真の観念idea veraであるということをいいたいのであれば,第二部定理七系の中に,神のうちにある観念はすべて十全な観念であるという意味を含めればよかったのですが,スピノザはそうしませんでした。これが,スピノザはそのことをいいたかったわけではないということの理由です。よってこれと同じように,存在するすべての観念は真であるということがいいたいのであれば,定理の文言をそのようにすればいいだけのことであって,スピノザはしかしそのようにはしていないのです。つまり,存在するすべての観念は真であるということは,第二部定理三二の先に,神が観念に対して内在的原因であり最近原因であるという手順を経て説明されることであって,第二部定理三二自体はその手前にあるのです。いい換えれば,すべての観念は真であるということは第二部定理三二においては想定されていないと解釈するべきだと僕は考えます。
 よって,第二部定理三二はその文言の通り,すべての観念は神に関係する限りで真であると解するべきであって,その裏には,そうでない観念,つまり神と関係してはいない観念があるということがスピノザの念頭には置かれているのだと僕は考えます。これは消極的ないい方であって,積極的にいい換えるのであれば,この定理を示したスピノザの念頭には,神とは関係しない偽の観念があるということ,これはつまり真の観念に対しては誤った観念idea falsaのことですが,そういう偽falsitasである誤った観念もあるということがあったと僕は考えるということです。そしてそのような解釈が可能です。
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